マインドフルネス。瞑想の本です。何のために瞑想するのか?幸せになるためです。
ぼくたちは幸せになるために、新しい服を買ったり、酒を飲んだり、恋愛したりします。仕事でより高い地位を求めたりするかもしれません。だけどそれで本当に幸せになるのか?
世界一幸せな人をご存知でしょうか?
『マウチ・リカール氏。マウチはフランスで生まれ、パストゥールで分子遺伝学の博士号を取ったあとチベット仏教僧になる。ダライラマは瞑想の科学的側面に興味を抱き、チベット僧に科学研究に参加するよう呼びかける。マウチは被験者になり数々の科学研究の対象になった。
さまざまな検査を受けたが、そのひとつが幸せの水準の測定だった。
じつは脳の中の幸せの度合いを測定する方法がある。左の前頭前野と右の前頭前野の特定領域で活性化の具合を比べればいい。左の前頭前野の活性化の度合いが相対的に高い人ほど、喜びや熱意、活力といったポジティブな情動を多く報告する。右の前頭前野の活性化の度合いが相対的に高い人は、ネガティブな情動を報告する。
マウチの脳をスキャンすると、前代未聞の幸せの測定値が得られた。彼の幸せの度合いはそれまでの科学研究で、誰も足元にも及ばないほど高かった。マスメディアは彼のことを、「世界一幸せな人」と呼び始める。
マウチは体が自然に示す驚きの反射すら抑制できる。反射は通常意のままに抑えられないが、マウチは瞑想中に抑え込むことができる』
著者はグーグルの人。グーグルでは業務時間の20%を仕事以外に費やすことが許されています。マインドフルネス(瞑想)の研修を社内で初めて、グーグル社員に大人気になる。それはNYタイムズに取り上げられ、以後国連や、ホワイトハウスでも講義したそうです。瞑想を実践すれば、人は幸せになれる。
以下に要約した読書メモを。
マインドフルネスとは何か
「特別な形、つまり意図的に、今の瞬間に、評価や判断とは無縁の形で注意を払うこと」
簡単にいえば、マインドフルネスとは、ただあるがままでいるときの心。評価や判断を下すことなく一瞬一瞬に注意を払いさえすればいい。
著者と娘はたいてい毎晩寝る前に腰を下ろして、マインドフルな状態で2分間過ごす。2分というのは子供が注意を持続できる時間だからだ。2人は生きていっしょにいることを毎日2分間楽しむ。
たんにあるがままでいることを。たんに存在するというのは、人生であたりまえであると同時に、いちばん貴重な経験だ。
瞑想の練習を継続する
瞑想は実践してはじめて恩恵が得られる。講師としての経験からすると、瞑想の練習を始めてもらうのはかなり簡単。脳科学のデータを示し、メリットを説明し、座ってやる2分間の短い瞑想を紹介するだけで、みんな取り組んでくれる。
あいにく最初の数日がすぎると、練習を続けるのが難しくなる人が多い。チベットの瞑想の大師ですら、若いころのことをこう語っている。「瞑想という発想は好きだったけど、瞑想の実践はいやだった」
マインドフルネス瞑想の練習
瞑想のプロセスは以下。
このプロセスは意図から始まる。
①まず何かを願う。
②次に呼吸のプロセスに注意を向ける。この時点で注意が増す。フローの状態に入り、ただひたすら呼吸とひとつになっているかもしれない。練習を積むとこの状態は長く続くが、たいていの人は数秒だけ。そして気が散った状態になる。
あれこれ考えごとをしないようにするには、呼吸のプロセスに注意を戻すこと。このプロセスは、花びらにとまった蝶の体が、そよ風で上下しているところ、ということになる。あなたの注意が蝶で、花びらが息にあたる。
③自分自身に対する態度を自覚すること。美しい方法として、愛情に満ちた祖母の目で自分を眺める。
なお、瞑想の姿勢は好きな姿勢でかまわない。一番大切なのは、呼吸だ。「命がかかっているかのように呼吸をする」忙しく、怠惰な人には、一日一息だけでも継続すること。自分に向けた優しさが強ければ、マインドフルネスもやさしくなる。これから一日一息だけでも一生やること。
他人に向けたマインドフルネス
評価や判断とは縁のない心をもって、一瞬一瞬の注意をすべて別の人に向け、注意がそれるたびに、そっと元に戻してやるだけでいい。
マインドフルネス・リスニングの練習方法を貼っておきます。人はだまって耳を傾けてくれる人に、ものすごく感謝する。
本書からの推薦図書
この本を読んだ後、たった1冊しか読む時間がない場合は、この本を薦める。
マインドフルネスと瞑想に関しては以下の2冊を薦める。
生涯に1冊しかビジネス書を読まない人に薦める本。
瞑想を一緒にやろう♪
心をさえぎる柵を取りのぞき♪
平和のマントラを唱えよう♪
愛と肯定(イエス)がぼくたちの求めるものだ♪
争いはいらない♪
ジョンレノンで、マインド・ゲームス♪
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