フランス人著者初めての本。いわゆる「悟り」を得た人。本書では「ワンネス」と呼んでいます。本の前半はどうやって「悟り」を得るようになったか、経緯が書かれています。
一言でいうと16歳でUFOを目撃して、宇宙人と交流が始まる。彼らはテレパシーみたいに入ってくる。それでシックスセンスが磨かれて。という展開です。
言語能力に優れていて日本語検定1級とか、中国語も堪能で台湾の大学でフランス語の助教授をしていた時期もあります。パリ第5大学で人類学修士。パリ第3大学で教育科学博士。現在は農業活動、パンケーキ店を経営しながら、ビジネススクールでマネジメントを教えている。
夜読むのはおすすめしません。何度か背筋が寒くなった。こういうのって波動が合うとそういう想念みたいなものを引き寄せてしまうでしょ。
むかし「シックスセンス」っていう映画がありましたが、アレみたいな話なのでちょっと怖い。著者は見えちゃうんです。ぼくは見えないからいいのですが、本読んでるとなんとなく共感して、夜トイレに行くのがこわくなります(笑)。
ワンネスとは何か?
著者は自分の身に起こったことをネットで検索してみた。しかし同じような体験が見つからない。そんなときアメリカ人が体験した現象の証言集を入手した。自分と全く同じだった。
・地球の愛を感じる
・地球上すべての人たちと一つになっている感覚
・「私」がなくなる感覚(自己の消失)
・宇宙と一つになった感覚
この現象には名前があった。「ワンネス」。ほかにも「宇宙との一体感」、「至高体験」、「覚醒体験」、「自己超越体験」などさまざまな呼び名があった。
⇒これ悟りでしょ。10年ほど前に苫米地英人が釈迦の本を書いてましたが、そこに書かれていた「悟り」と同じです。個人的には一番納得した「悟り」の説明。以下その時のメモを。
『悟りとは何か?脳の認識機能は、自分にとって重要なものは見えるけど、そうでないものは見えないようになっています。自分にとって価値の低い情報は遮断されます。すべて認識してると、脳の情報処理が追いつかないからです。
釈迦は瞑想によって、自我は無い(または空である)と知りました。自我(自分にとって重要な順番で記述した評価関数)がなくなった状態だと、すべてのものが認識できます。
自我という評価関数がなくなりますから、重要度に順番はつきません。すべてのものを同じように重要と感じます。あらゆる価値観から解放された状態を体感すること、それが悟りです。
言語による理屈ではなく、体感です』
『空とは何か?人間は概念によって物事を認識します。たとえば犬。抽象度が高いと、ビーグルや犬です。抽象度が低くなるにつれ、哺乳類、動物、生物となっていき、究極は物質です。
物質は、有(=色)という概念とイコールです。仏教では色です。それに対立する概念は、無です。そのさらに上の抽象概念が空です。
空 |
有(色)⇔ 無 |
生物 |
動物 |
哺乳類 |
ペット |
犬 |
ビーグル |
空は釈迦が説いた縁起の説に通じ、不確定性原理や、量子力学にも合致します。電子や素粒子といった、量子レベルに小さい存在は、位置と運動量を同時に知ることができないという原理が不確定性原理です。
さらに超ひも理論では、ひもが振動しているとき素粒子は有とされ、振動していないときは無だということが発見されました。仮に素粒子を吸い込む掃除機があったとして、真空状態(無)を作り出そうとしても素粒子がそこからわき出てくるのです。
有と無は表裏一体であり、物理学の世界では完全にわけることができないのです。すべては空であるという思想に見事にマッチします』
ワンネスは日常生活には邪魔になる。どうやってコントロールしたか
ワンネスは脳では体験できない。ハートで感じる。無条件で無境界の愛。存在しているものすべてに愛を感じる。それは宇宙にまで広がる。宇宙=愛=私になる。自分と他を分けているものがなくなる。
1日に2~3回のワンネス体験。これは理想状態なのか?だとしたら日常の生活ができなくなる。お金を稼いだり食事もしなければいけない。
何より悩んだのは人前で起こるワンネス体験。回を追うごとに体験は深くなり、たとえ一瞬でも感動のあまり膝が崩れ涙があふれてしまう。公の場所ではとても困った。てんかんを患う人の気持ちが少しわかる気がした。
ワンネスを自分でコントロールしようと思った。ワンネスの最中にその体験を記憶しようとすると体験が終わった。つまり脳を使うと、スイッチを切るようにワンネス体験を終了させることができた。
ワンネスのトリガーは何か?
・共感
・高い波動(クラシックや高音域の音楽を聴くと気配が強まる。音楽はトリガーになる)
・観察に対する姿勢(頭でなくハートで感じる)
この3つが揃うと感動の花が咲き始める。この感動の花がワンネス体験への扉になる。扉が開くとそこは無条件で無境界の愛の世界。愛と宇宙と自分の区別がつかなくなり、自分自身も自我のない私になる。
思念の雲が見える
ほんのわずかな時間しか観察できない。一瞬かいま見る感じ。通りを歩く人々の考えが本人のまわりに雲のように現れる。ポジティブな思いは明るい色の雲、ネガティブな思いは暗い色として見える。考えてる内容も伝わってくる。その雲を初めて見たときは驚いた。
次第にわかったこと。ぼくたち1人ひとりが創造者で、つくり出したいものを念じて宇宙へ送り、宇宙は鏡のようにそれを実体として映し返す。そのプロセスは1から10まで時間がかかるが、最初のステップは「思い」だ。
思いは漠然とした雲となり、それがだんだん形ある実体となり物質的な次元で具現化される。人々が道路ですれ違うとき、双方の思念の雲がふれあい、互いに影響を及ぼしているのも見えた。交流はつねに行われていた。
ワンネス体験が頻繁だったころ、スーパーや人込みで近くにいる人の考えが聞こえてきたり、あるいは人の全身をみると健康状態やバランスのとれていない器官がわかったりもした。
類は友を呼ぶ
波動を変えると異なった情報が得られた。こうした体験を通してわかったこと。波動によって同じ波動レベルの物事や人物が引き寄せられてくるということ。
自分の波動によってそれに見合う環境が備わっていく現象を数多く目撃した。それは物事や人物だけでなく、目に見えない存在についても同様。自分の波動が上がると、さまざまなスピリットも見えてくるようになる。
ぼくがみたスピリットはとても自由に人々のあいだを闊歩していた。何より驚いたのはその存在の多さ。1人や2人ではなく、そこらじゅうにあふれている。人間1人につき少なくとも1人のスピリットが付き添っている。
これまでのまとめとして、ワンネス体験のステージを以下に。