【それでもコレステロール薬を飲みますか?】書評と要約

一病息災。一つぐらい持病があったほうが健康に気をつけて長生きする。ぼく、LDLが高いんですよ。この前の健診で185mg/dl(100ml)。要受診。血液1dl≒105g中に0.185gのLDL、約0.18%ぐらい存在する。

HDLと中性脂肪は正常値です。中性脂肪は43mgで分布図では優秀なほうのトップ集団。
177cm、62kgのThin manです。直近で測った体脂肪率は10.1%。だけど高コレステロール。何年も毎日ちゃんと歩いて筋トレして低糖な食事してる。これ以上どないせいっちゅうねん^^;

一時期涙ぐましくがんばって、LDLを166mgまで下げたのですが、また180mg前後まで戻ってしまった。もうタバコ減らすしか手がない。すでに1日7本まで減らしてるので、これ以上はしんどいですが。



本書は薬剤師さんが、クスリはあんまり飲まないほうがいい、と切実に語る本です。どこか悪いときに、一時的に薬の力を借りるのはいい。だけど生活習慣病なんかで、ずっと薬を飲み続けるのは体に悪いという本。

動脈硬化の原因は「酸化」したコレステロール

LDLが血液中に増えすぎると、行き場を失って動脈壁にもぐりこむ。血管の壁には血液中に比べて酸化を促進する活性酵素が多く存在するため、LDLは酸化して「酸化LDLコレステロール」に姿を変える。

酸化LDLコレステロールは、LDLコレステロールと違って体には異物。異物には免疫機能が働き、白血球が血管壁に入り込んで酸化LDLを食べてくれる。それは「泡沫細胞」に変化して血管壁にくっつき、蓄積されると血管内部がコブのように盛り上がる。

血管内にできたコブを放っておくと最後は破裂して血栓ができる。この血栓が血管の内部をふさぐと、血液の流れが遮断され、心筋梗塞や脳梗塞を引き起こす。動脈硬化の原因は、コレステロールそのものではなく、酸化したLDLコレステロール。

超悪玉コレステロール

LDLコレステロールの中でも特に問題になるのが、「スモールデンス(小型)LDL」と「レムリナント様リポたんぱく質(RLP)」。これらをまとめて超悪玉コレステロールと呼ぶ。

より粒子の小さい「スモールデンスLDL」は、血液中の中性脂肪が多いとLDLコレステロールが小型化し、スモールデンスLDLが増えると考えられている。中性脂肪が多いとなぜLDLが小型化するのか、その理由はわかっていない。

粒子が小さいと血管壁に侵入しやすく、肝臓に吸収されにくいため血管内に長くとどまり、酸化されて動脈硬化を促進してしまう。

レムナント様たんぱく質も動脈硬化の引き金になる。健康であればすぐに代謝され肝臓に取り込まれるが、中性脂肪が多いと血中に長時間滞留してしまう。

⇒ということは僕みたいに中性脂肪少ない人は、体に悪い超悪玉コレステロールは増えないので問題ない。

健診の「基準値」は本当に正しいのか?

LDLコレステロール値は、検査機関や学会によって異なる基準値が採用されている。それらの値はたびたび変更されてきた。基準値として多くの検査機関で用いられているのが「日本動脈硬化学会」の数値。140mg/dl以上が高LDLコレステロール血症。

なぜか採用されなかった「日本人間ドック学会」の基準値は以下。
男性:72~178mg/dl
女性(30~44歳):61~152mg/dl。
女性(45~64歳):73~183mg/dl。
女性(65~80歳):84~190mg/dl。
女性は女性ホルモンの影響で、基準値が変わる。

⇒「日本人間ドック学会」の基準値だったら、ぼくもほぼ正常値です。薬なんか飲まなくていい人がたくさんになって、製薬会社や医療機関が倒産する。

LDLコレステロール値が高いほうが総死亡率は低くなる

コレステロールは筋肉などあらゆる細胞の細胞膜の材料となる。免疫細胞の膜にもコレステロールは必要。また男性ホルモンなどのホルモンの原料にもなる。さらに脳の20~30%はコレステロールでできている。行きわたらないと大変なことになる。

茨城県の9万人の調査。LDLコレステロール値が高いほど総死亡率が下がる傾向にある。神奈川県の2万6千人の調査でも同様の傾向。男女とも数値が高くなるほど死亡率が下がる右肩下がり。とくに男性の場合、神奈川県ではLDL180mg以上の人の約1.4倍の100mg以下の人が死亡する。LDLが低い人のほうが不健康。茨城県は基準値を140mgしかとってないが、ほぼ同様の傾向。

⇒結論。LDL高い人のほうが、なぜか死亡率が低くて健康。

もっとおどろく日本で行われた有名な実験。日本脂質介入試験。これは総コレステロール値と総死亡率の相関性を追いかけたもの。目を疑うような結果。

・総コレステロール値が220~260mg/dlの人が最も総死亡率が低い。

・180未満の人たちは、220~260mg/dlの人たちの2.7倍も死亡率が高い。

基準値220mg/dl以上を超える人のほうが、基準値範囲180mg以下の人より総死亡率がぐんと低い。ちなみに欧米の総コレステロール値の基準は280mg/dl。この数字を日本人も目安として覚えておいた方がいい。

⇒最近は総コレステロール値は健診に出ないこともある。LDL、HDL、中性脂肪がわかれば「総コレステロール、計算」などでググったサイトに入力すれば計算してくれる。⇒http://shiomi-c.com/note/totalchol.html

ぼくの場合は、LDL185mg/dl、中性脂肪値43mg/dl、HDL77mg/dl、総コレステロール値270mg/dlでした。世界基準ではコレステロール正常値。



家族性高コレステロール血症の自覚サイン

LDLが高くなる原因は、食べ過ぎによるエネルギーの過剰摂取や遺伝的体質があげられる。遺伝的体質はしかたないが、「家族性高コレステロール血症」と呼ばれる遺伝性疾患は注意が必要。

自覚できるサインは、まぶたの上などの皮膚や関節の部分に黄色腫(黄色いイボ状の塊)が見られる。自分でも見つけやすい。日本国内での「家族性高コレステロール血症」の患者数は25万人といわれているが、これは現在治療を受けている高LDLコレステロール血栓患者の約8.5%にあたる。

遺伝性の疾患なので、本来は加齢とともに起こる動脈硬化を若いころから起こす場合があり、男性では20代から女性でも30代くらいから起こることがある。

スタチンとは何で、どんな市場がある

脂質異常の薬は大きく二種類。LDLを減らす薬と中性脂肪を減らす薬。LDLコレステロールを減らす薬で有名なのが「スタチン」。現在コレステロール低下薬として処方される8割がこのスタチン。肝臓でコレステロールが合成されるのを抑える。

スタチンは世界で毎日4000万人以上に処方されている。2014年の日本国内市場規模は約2700億円。ペニシリンと並ぶ奇跡の薬とされ、ファイザー製薬の「リピトール」は長期間、世界の医薬品売上1位に君臨した。三共製薬の「メバロチン」もピーク時売上は年間2000億円。三共が日本橋に建てた本社ビルは、別名「メバロチンビル」と呼ばれた。日本では先発品のスタチンを合計6社の製薬会社が販売している。現在ではすでにジェネリックが発売されている。

スタチンの副作用

スタチンはいろいろな酵素もブロックしてしまう。深刻なのはミトコンドリアの活動や活性を阻害すること。細胞が呼吸するにはミトコンドリアの活動が必要なので、このパフォーマンスが落ちると細胞の機能が弱まる。すると免疫力が落ちてしまう。さまざまな体調不良を引き寄せてしまう。もっとも懸念されるのはガン細胞と戦えなくなること。

米国食品医薬局によると、スタチンの投与によって2型糖尿病患者が激増していると。

その他の副作用としては、筋肉の痛み、手足のしびれ、こわばる、全身がだるい、尿の色が赤褐色になる、息切れ、発熱、空咳が出る。症例は少ないが以下のような副作用も報告されている。健忘症、認知障害。

最近ではLDLを下げることが本当に心臓発作や脳卒中患者数の低下につながるのか?長期間のスタチン服用は重大な副作用が現れるのでは?という心配が多くの医師によって問題視されている。

そもそも何故クスリはダメなのか

クスリを飲むと、体内にある「酵素」が奪われる。酵素はクスリの消化、吸収、代謝にも使われる。クスリは人体にとって異物。異物が入ってくると体はできるだけ速やかに代謝して体外に排泄しようとする。クスリを代謝することを「解毒」という。

クスリが体内に入ってくると解毒のために酵素が大量に消費されてしまう。健康にとって大切な酵素を最も無駄遣いしてるのがクスリ。

酵素の主だった働きは、口から入った食べ物を消化する、アルコールを分解する、血液をつくる、皮膚をつくる、など。酵素の働きのおかげで生物としての活動を営んでいる。

酵素には「体内酵素」と「食物酵素」がある。体内酵素は無尽蔵につくられるものではなく、1日につくられる量には上限がある。加齢とともにその量は減少していく。

体内酵素は「消化酵素」と「代謝酵素」に分かれる。この2つは互いに影響しあって、使われる量は決まっている。たとえば体内酵素を100とする。消化酵素に60使うと代謝酵素は40になる。もし消化酵素に90使うと代謝酵素は10になる。暴飲暴食で消化酵素に使われる量が増えると代謝に酵素が回らず、太ったり肌が荒れて吹き出物ができたりする。

クスリに頼らず中性脂肪やコレステロール値を下げるポイントは6つ。

・バランスの良い食事(コレステロールの制限ではない)

・飲酒は適量を守る(1日1合程度)

・ストレスをためない

・禁煙の厳守

・適度な運動

・ファスティング(断食)をする

ジム・フォトグロの「Thin man」から、ドント・セイ・グッドナイト♪

この人のLP2枚ほど高校の時買いました。また聞きたくなってアマゾンミュージックで検索しても後期の作品しかヒットしない。80年前後のAORでは珠玉の存在だった。アマゾンミュージックもけっこう名作が欠けてるんですよね・・

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