インドの経済規模は2022年データで世界5位。
今後10年以内に日本を抜いて世界3位に上ると見られています。昨今存在感が増しているインドですが、ここに至るまでは苦難の道がありました。
もともとインドは古代から栄えた大国です。世界四大文明の一つであるインダス文明の発祥の地でもあります。インダス文明は、紀元前2600年ごろから紀元前1800年ごろまで、インダス川の流域で起こったもので、肥沃な土地がらで農業が発達し、排水溝を持つ先進的な都市をつくっていたとされます。「インダス文字」と呼ばれる象形文字を使っていました。その後もアジアの中では中国と並んで文化の進んだ地域であり続けました。
インドの諸民族を分断したイギリス
・1858年にイギリスは「インド帝国」をつくりイギリスの統治下においた
・イギリスの支配はインドにとって非常に過酷なものだった
・イギリスはたった6万人のイギリス軍で3億人のインド人を支配していた
・手法は各民族の対立をあおることでイギリス人への不満をそらすこと
・イギリスはそれまでインドを支配していたムガール帝国の影響を排除するために、あえてヒンズー教徒に対する優遇政策を行った
・役人や医師、弁護士にもヒンズー教徒を多く採用したため、社会のエリート層はヒンズー教徒が多くなった
・イスラム教徒は面白くない。イスラム教徒とヒンズー教徒は対立するようになり、イギリスから独立しても大きな影響を及ぼした
・ガンジーがインドの独立運動をしていたとき、彼はパキスタンも含めてインド全体が一国となることを切望していた
・ガンジーの望みはかなわず、イギリスがインドからの撤退を決めると同時に両者は激しい衝突を起こすようなった
・その結果ヒンズー教徒の生存圏をインド、イスラム教徒の生存圏をパキスタンとして分離独立した。現在も鉄道は遮断され、お互いは核兵器を持ち合っている
お金をかけないイギリスの統治
・イギリスはインドに限らず、現地の民族同士をわざと対立するように仕向けることを、しばしば行ってきた
・このイギリスの地政学的政策が、現在各地で起こっている紛争の根本原因になっているケースが多い
・インドの悪習カースト制度。イギリスの植民地支配のときに強化された
・カースト制度は細分化されており、おもに職業を区分した構成で300種類ある
・この区分方法を「ジャーティー」という
・結婚は同じジャーティー内か、近いジャーティーの間で行われる。法律ではないが慣習的にそうなっている
・インドは都市部を中心に職業の完全世襲制は壊れつつあるが、インド人全体からみればごく一部の状況
・イギリスはインド社会の発展にほとんど寄与しなかった。お金をかけずに統治したため
・イギリスの統治時代にインドの教育制度はほとんど整えられず就学率は20%を切っていた
・日本が台湾、韓国を統治していたときは台湾人の就学率は7割、朝鮮人は6割に達していた
・イギリスはインドから容赦なく搾取し続け、インドはたびたび飢餓に襲われた
・1943年にはベンガル地方で数百万人の餓死者を出した
・イギリスの統治期間に1000万人以上の餓死者を出した
今後は伸びることが予想されるインド経済
・22年7月現在、インドの人口は14億1200万人。中国は14億2600万人であり肉薄している
・人口増加率から23年には世界一の人口となり2050年には16億6800万人が予想されている
・しかし1人当たりGDPは世界148位で貧しい国
・1970年代は中国とインドの経済規模は同じくらいだった。しかし1970年代の終わりに中国は改革開放路線となり急激に経済発展した
・中国の改革開放路線の成功を見てインドは1991年に外国資本の規制緩和を行った。安い人件費と広大な国土を活用した
・中国の改革開放政策より10年以上遅れた。この10年の遅れが現在の中国とインドの経済の差となっている
ガンダーラ ガンダーラ they say it was in India♪ 現在はパキスタン北部です。
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私も詳しい事まではわからないのですが、インドとイギリスは交流があったと聞いております。
発展するためには安定した仕事、そして教育が大事だと思います(教育を受けるにはお金がかかりますからね)。
「ガンダーラ」懐かしいですね。ガンダ~ラ、といっている部分が印象的ですね。