【無印良品は、仕組みが9割】書評と要約

著者は㈱良品計画の会長。92年に母体の西友から無印良品に出向になったときは、左遷で正直ショックだったそうです。無印良品の総務人事部の課長から、部長、事業部長、と順調に昇進し2001年に社長となる。

「マニュアル化のすすめ」です。マニュアル作るのって難しいんですよね。むかし部署の業務マニュアル編集をとりまとめるよう指示を受け、途中までやって挫折したことがあります。

みんな仕事を抱えてるのでマニュアル作成は残業時間になるし、先輩にもこんな文章じゃわからない、とかダメ出ししないといけないし。

皆が嫌がることをお願いするのは疲れます。ISOの業務標準は通り一遍の事しか書いてなくて、それを読んでも仕事が出来ないしマニュアルがあればいいのはわかるのですが。

それは将来のまだ見ぬ後輩への贈り物であって、自分には必要ないものという意識が強かったのかなぁ。。

無印良品のマニュアルはMUJIGRAM(ムジグラム)と呼んでるそう。wikiによると以下。

「無印良品の社員・アルバイト用の業務マニュアルのことである。このMUJIGRAMは全13冊、併せて1683ページにも及ぶ膨大なマニュアルであり、レジ業務から経理、労務、配車などあらゆる業務を網羅している。これは、売上が著しく下落した2000年(平成12年)度に当時社長を務めていた松井忠三(現会長)自らの手で作成された。新人でもわかる記述を重視し、図や写真をふんだんに使い、書類の書き方も非常に詳細かつ簡潔に書かれている」

以下に読書メモを。



会議はペーパーレスにした

たとえば会議をペーパーレスで運営する仕組みにするだけで、会議の準備作業を大幅に省略できる。省略された時間のぶん他の仕事に注力できるので組織の足腰が強くなる。

「実行95%、計画5%」

リスク管理のポイント

リスク管理をマニュアル化するときに、必ず「具体的な事例」と「対処例」を入れるのがポイント。多くの企業のコンプライアンスのマニュアルは、相談窓口を設けているという説明や、禁止事項を述べているだけ。社外への説明はそれでよいが社内の指針になっていない。

さん付けの徹底

風通しのよい企業風土をつくろうとすると、「上下関係のあり方」を形から変えることが必要。無印良品では誰に対してでも「さん付け」で呼ぶことを徹底している。

目下のものを呼び捨てにすると、コミュニケーションは一方的になりがち。情報・意見の風通しをよくするための方策。「ちゃん付け」やニックネームは馴れ合いになるので不可。管理職が「さん」付けで呼ばれることに抵抗があるなら、自ら壁をつくっているのも同然だ。

挨拶の徹底

挨拶強化を月間目標にすることもある。そのときは社長を含めた役員が毎朝交代で「挨拶当番」としてエレベーターホールに立ち、出勤してくる社員たちに率先して挨拶をする。さらに部門長に五段階の挨拶チェック表を渡し、毎日の終礼時に達成できたか部下に自己申告させた。チェック表の中身は以下。

①いつでも、誰に対してでも「○○さん」と呼んでいますか?(ちゃん付け、呼び捨て厳禁)

②来館者に「いらっしゃいませ」、館内の取引先様に「お疲れ様です」と笑顔で挨拶していますか?

③出勤時、エレベーターホールで会った人に「おはようございます」と大きな声で元気よく挨拶していますか?

④出勤時、執務スペースに入ったら「おはようございます」と大きな声で元気よく挨拶していますか?

⑤帰るときは、「お先に失礼します」と挨拶していますか?

結果が出せないチームの根本的な問題は「能力」ではない。社員同士のコミュニケーションや信頼関係の希薄さが、不振要因になっている場合が多い。

どこにヒントを求めるか

ノウハウは実は大企業ではなく、中小企業、創業者型の企業、販管費が低い企業にこそあった。経営と現場の距離が大きく離れてしまった大企業より、いつまでも現場力を維持している中小企業に実践的なノウハウが根付いている。内向きではなく、外向きの視点を養い、他社から学んだノウハウを翻訳して自社に生かす。

A4一枚

無印良品では会議のときに使う書類はA4一枚と決めた。新規出店の大型案件でもこのスタイル。図面や外観写真や地図などはプロジェクターで投影しながら説明する。

最初は社内ですんなり受け入れられなかった。そもそも数十枚の提案書でも、重要なポイントはA4一枚でおさまるほどしかない。何より情報量の多すぎる文書はコミュニケーションがとれない。A4一枚程度にしないと読むことすらできない。たくさん書いてあるとポイントを理解するのも大変。

とくに「経営」はコミュニケーションの量とスピードで決まる。コミュニケーションを阻害する大量の企画書は、経営の実行力を著しく落とす。ちなみにパワーポイントを禁止している企業もあるが、無印良品はそこまではしていない。

コミュニケーションが途絶えると♪
神経がやられて うまくいかなくなる
いつも同じさ♪

レッドツェッペリンでコミュニケーションブレイクダウン♪

Led Zeppelin – Communication Breakdown (Live at Royal Albert Hall 1970)
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