「Z世代」。
欧米諸国では1990年代中盤以降に生まれた世代を指す言葉。年齢でいえば25歳の若手社会人より下の人たちのことを指す(2021年現在)。
下の区切りをどこまでZ世代とするかはまだ決まってない。欧米ではZ世代のすぐ下の世代のことを「アルファ世代」と呼んでいる。彼らは2010年代序盤から2020年代中盤にかけてうまれてくると定義されていることが多く、現在の10歳以下の世代を指す。
ではなぜZ世代というのか?
「ジェネレーションX」は1960年から1980年頃までに生まれた世代。「ジェネレーションY」が1980年頃から1990年代半ばまでに生まれた世代。アルファベット順で「Z世代」と呼ばれている。「Y世代」は近年では2000年頃まで延ばして「ミレニアル世代」とも呼ばれている。
ちなみにZの下がなぜアルファかというと、ラテン文字の最後にあたる「Z」の次にギリシャ文字の最初にあたる「α」を使用することで、新たな時代を表した。
なぜ欧米諸国で「Z世代」に注目が集まったのか?
それは少子化が続く東アジア諸国と異なり、移民、難民やその子供たちも多い欧米諸国では、Z世代が他の世代に比べて多いから。
アメリカではZ世代の人口は6100万人と、すでにY世代の人口6000万人を追い越している。Z世代の支出は年間で440億ドル。数年後には2000億ドル近くになると予想されている。アメリカ経済を動かす主役になる。
Z世代に注目が集まるのは欧米諸国だけではない。ブルームバーグの国連統計分析によると、2019年世界人口77億人の32%をZ世代が占めており(ミレニアルは31.5%)、欧米のみならず「Z世代」の人口は多い。ちなみにブルームバーグの分析ではミレニアル世代を1980~2000年生まれ、Z世代を2001年以降生まれと定義している。
日本ではZ世代の人口が少なくマスではターゲットにならないが、生活のデジタル化で中高年より先行してるので、デジタルマーケティングのメインターゲットとなっている。
目次
高校生以上のスマホ所有率はほぼ100%
日本では中学生のスマホ所有率は60.9%。高校生以上になるとほぼ100%となる。スマホの所有開始時期は、現在の中学生の29.1%が12歳の時に、大学生の36.2%が15歳の時に持ち始めたと回答しており、それぞれ一番のボリュームゾーン。
SNSの王様はツイッター
Z世代はどんなSNSを使っているか。若年層(13歳~29歳)とミドル層(30~50代)を比較する。すべてのSNSの利用率を俯瞰してみるとフェイスブック以外のすべてのSNS利用率は、若年層がミドルを上回っている。
若年層にとっても(ツイッター利用率60.9%)、ミドルにとっても(ツイッター利用率34.5%)、SNSの王様は圧倒的にツイッターであり、日本で最も使われているSNSはダントツでツイッターだ。
ツイッターの利用率最多は大学生女子で77.5%。1日の利用時間は70分弱。
若者はツイッターのアカウントを平均2.11個持っている
Z世代の高校生は平均すると3個近い2.82個のアカウントを持っている。ミドルには理解できないかもしれないが、若者はコミュニティごとにアカウントを使い分けている。1位から順に身内アカ、公開アカ、趣味アカ、アイドルアカ、愚痴アカ。
身内アカ(若年層所有率54.9%)とは本当に仲の良い友達とだけやりとりするアカで、アカウントに鍵をかけ、他の人に見られない設定にしている。
公開アカ(若年層所有率37.5%)とは、誰でも見られるアカウントで、大して親しくない人にも紹介するアカ。
著者が若者に情報収集のためアカを教えてもらっても「公開アカ」の場合が多く、このアカウントではほとんどの若者があまりつぶやかないので、彼らの情報をツイッターから得ることは難しい。
インスタはツイッター以上に女子のもの
大学生女子が最多で80.6%の利用率(ミドルは29.8%)。大学生男子は45.3%と低い。インスタはツイッター以上にZ世代女子のもの。
大学生の男子寮でなぜインスタを使わないか聞くと、「男だけで汚い部屋で過ごしているので、インスタ映えする写真を撮る機会がない」
投稿頻度の高いおじさんは煙たい
Z世代の特徴は「自己承認欲求」と「発信欲求」。これらはSNS投稿の「頻度」によって満たされてない。「頻度」の高い人はZ世代の間では煙たがられたり、センスがないと思われる。
彼らは周りに煙たがられない数少ない投稿、しかし自分のセンスを周りに示せる珠玉の投稿で、自分たちの欲求を満たしている。
SNSは「一投入魂」が基本だと、投稿頻度の高いおじさんは理解すべき。
フェイスブックは働く若年女性のビジネスツール
ミドルの利用率が25.0%のフェイスブック。最多は20代社会人女性の34.6%。大学生女子の利用率は11.6%と低い。20代女性には26~29歳の「ゆとり世代」も含んでおり、フェイスブックはZ世代ではなく「ゆとり世代」のSNS。
フェイスブックは若者にダウントレンド
若年層が1年前と比べて利用率が増えたと答えた人が減ったと答えた人を何%上回ったか。インスタ・ストーリーズ+54.7、インスタ+53.9、TikTok+49.2、ツイッター+23.0、フェイスブック —12.0。ファイスブックだけが減少している。
若年層のフェイスブック投稿頻度。月に一度も投稿しない人が84.9%。
TikTokはZ世代女子のもの
アメリカと中国の政争の具となったTikTok。日本では女子中学生の42.4%。女子高校生の35.0%が使っている。それぞれ男子は10.2%、14.6%と低い利用率。
テレビとYouTube
テレビとYouTubeはガチンコのライバルになりつつある。まず基本情報として中学生からミドルまで、テレビを利用しない層はどのクラスタでも2割程度はいる。
利用率の観点から「若者のテレビ離れ」が起こっているとはいえない。
とはいえ高校生女子、大学生男子ではYouTubeの利用率がテレビを上回っている。Z世代から本格的にテレビ利用率の低下が起こる。Z世代でもスマホ所有率が6割である中学生はテレビ依存度がまだ高い。
若年層はテレビとYouTubeで何を見ているのか。ユーチューブにおけるバラエティは独自コンテンツだけでなく、過去のテレビバラエティの違法アップロードも含まれている。
テレビ|視聴ジャンル | YouTube|視聴ジャンル |
1位:バラエティ 67.0% | 1位:音楽 47.4% |
2位:ニュース 51.7% | 2位:趣味 31.7% |
3位:国内ドラマ 42.5% | 3位:ゲーム実況 30.5% |
4位:アニメ特撮 35.6% | 3位:バラエティ 30.5% |
5位:邦画 27.4% | 5位:アニメ特撮 25.4% |
テレビは依然強いが若年層でもミドルでもテレビ離れは進む。テレビの前年比利用増減は、若年層でマイナス17.4、ミドルでマイナス15.9。
この愛を写真に撮って♪
決して色あせない 思い出にしよう
ぼくをジーンズのポケットにキープして♪
ポケットの中に、すべての思い出を持ち運べる素晴らしい時代。
エドシーランの「X」から、フォトグラフ♪
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アカウントは持ってないものの私もインスタ時々見ています。見ているだけでも本当に面白いです(笑)。因みに、似たようなサイトではピンタレストも結構面白いですよ。モノづくりの参考になりますし。
TikTokもかなり人気があるみたいですね。