徳大寺さんは亡くなりましたが、著者を変えて草思社が出版を続けています。
1976年に最初の「間違いだらけのクルマ選び」が出て77万部売れて流行語になる。
徳大寺さんは、ワーゲンのゴルフが好きだったんですよね。すごい高得点。
いつかはゴルフに乗ろうと思いながら、いまだに乗ってない(笑)。
2019年版は約100車種を批評しています。1車種がだいたい2~4pほどです。
そんなに車に興味があったわけではないのですが、2000年代に6年ほど会社で車関係の製品を担当してました。国内シェアが3割ほどの製品。
予算書や事業戦略報告で、市場環境分析なんか書く必要がありました。それで主なカー雑誌を購読してそれなりの市況予測をしてました。あんまり欲しい情報は書かれてなかったですが。
リサーチ会社にも結構なお金払って調査してもらうんですが、これも欲しい情報は取れない。けっきょくビジネスに必要な最新情報は、自分の足で稼がんと取れんかったです。
自動車メーカーには複数社経由で納入されるので直接の顧客じゃないのですが、エンドユーザーもたまに行きました。印象に残ったのは、クルマ業界はお洒落な人たちが多いということ。
なんかぼくのいる業界とは、人種がちがうなあと。
前置きはこれくらいにして、以下に読書メモを。
2019年版車種別採点簿一覧
10点満点は、プリウスPHV、ジムニー、ノートe-powerの3車種だけでした。新型ジムニーは購入したので何度も読み返したのですが、結構けなされてました。後述しますが要は乗心地が悪いと。それはぼくも思うので、なんで10点つけるかなあ。意義とか存在感の問題なのか。
2019年のベスト3台
1位:トヨタカローラスポーツ
走りの質が高くて、それでいて理屈っぽくないカジュアルなタッチ。ヨーロッパでもオーリス改めカローラと呼ばれることになった。
2位:マツダアテンザ
最新型の刷新ぶりはマイナーチェンジの範疇を超える。デザインも走りも俄然深みを増した。完成度は相当なレベルで単によくできているだけでなく、クルマとしての色艶も増している。これが300万円を切るところから購入できるのは、とんでもないバーゲン。
3位:ボルボV60
新型は日本の要望が通って全幅を先代の10mm減となる1850mmに抑えながら、魅力あるデザインとパッケージを実現。走りも快活で乗っていて清々しい。価格も500万円未満からのスタートとリーズナブル。V60こそ日本で乗るべきボルボ。
プレミアEV戦争がいよいよ本格化する
18年9月、メルセデスベンツ、BMW、アウディが最新のEVをお披露目した。
ベンツは100km/hまで加速5.1秒、最高速180km/h、航続距離400km超。
アウディは100km/hまで加速5.7秒、最高速200km/h、航続距離400km超。
アウディのエンジニアが力説してたのはコンポーネントの冷却。モーター、バッテリー、インバータといった主要部品にこれでもかというぐらいの冷却サーキットが組まれている。テスラ社はじめこれまでのEVは全開加速を繰り返すとあからさまに勢いが衰えてくるが、冷却すると加速が鈍らない。構成パーツすべてに高い精度で仕事をさせようとすると、やはり徹底的な作り込みが必要。
またドイツ3社はそろって誘導モーターを使ってる。性能を考えれば永久磁石モーターのほうがラクだが、レアアースの使用が避けられない。コストに響くだけでなく95%が中国で採掘されていて調達リスクが大きい。
ドイツ3社の見立てでは、2025年には販売台数の15~25%がEVになる見込みという慎重な態度。
新型ジムニーの走りについて
背が高いうえにホイールベースが短く、そこに大径タイヤとリジッド式サスペンションを組み合わせるだけに、ゆったり快適な乗り味というわけではなく、始終ゆさゆさ、ギクシャクとしている。
ザ・ビートル販売終了
VWザ・ビートルの販売が2019年に終了する。前身のニュービートルまで合わせれば21年の歴史が幕を下ろす。
初代ビートルことタイプ1のアイコニックなスタイリングをFFのゴルフの車体を使い、デフォルメして再現したのが、ニュービートル、ザ・ビートル。
ミニはBMWの手で復活し、フィアットもチンクチェントを昔のデザインを引用して生まれ変わらせ成功させた。ザビートルがうまくいかなかったのはなぜか?
デザイン遊びで話が終わってしまってる。ニュービートルはまだしもザビートルは内外装とも中途半端に現代っぽくなりサイズは拡大され、一輪挿しのような心くすぐる要素も簡単に捨てられた。
発表が上海で行われたのも驚きだった。何しろ中国にはタイプ1なんて走ってなかった。オプションの車名バッジに中国語があって日本語がないのもガッカリした。日本がどれだけタイプ1を愛した国か、VW本社にはもう知る人はいないのだろう。
Drive My Car♪
(関連記事)
間違いだらけのクルマ選び2021年版
https://book-jockey.com/archives/12938
こんにちは。
随分のご無沙汰になってしまいました、スイマセン!(笑)
>車関係、国内シェアが3割ほどの製品
「部品」ではなく、「製品」という言葉が大きな大きなヒントですね。
クルマに載る電装品で「製品」と呼べるものはそんなに多くないと思います。
あれかこれか、あるいはソレか?^^;
当時の国内シェアが3割ですか。donさんの姿が見えて来たかも(笑)
間違いだらけのクルマ選び、そして徳大寺有恒さん。
一世を風靡しましたよね。当然ながら、ぼくも熱烈な読者のひとりでした。
それまでの提灯記事とは一線を画す、素晴らしい着眼点の本だったと思います。
(当時の自動車評論家とオーディオ評論家は太鼓持ちが主流でした)
この本が出た当時はちょうど社会人になったばかりの頃で、給料の半分以上が
車のローンとガソリン代に消えても何らの後悔もない、といった日々だったので、
徳大寺さんの考え方には有形無形の影響を受けていると思います。
最初の頃は本当に心酔していたのですが、段々と時間が経つにつれ、
徳大寺さんの好みと言うか趣味と言うか、そういうものがかなり色濃く反映されている
内容であることに気づくと同時に、その傾向にはやや疑問点があることにも気づき、
そう思って読むと相応の違和感を覚えることも多くなり、次第に離れて行くことに
繋がって行ったような記憶があります。
いい意味でも悪い意味でも、この本は昔から「読み物」であるため、
評価(という名前の筆者の好み)の振れ幅をやや意図的に大きくしている印象があり、
そこをどう考えるかによって、この本に対するイメージは変わると思いますね。
蛇足です。
ぼくが運転免許を取得した昭和47年頃は、女性ドライバーはまだ少数派でした。
しかし、その後の免許取得者の男女比率はご存じのとおりです。
例えば平日の昼間、市街地などを走ってみると本当によく分かりますよね、
女性ドライバーが運転する軽自動車の何と多いことか!
女性ドライバーの進出が、クルマに求められる要求仕様を大きく変えました。
ちょっとね、違うんじゃないかと思うことも多い今日この頃ですけど。
あ、いかん。これ以上言うと危険だ!(笑)