「世代論の教科書」より|団塊、ポパイJJ、新人類、バブル、団塊ジュニア、さとり、Zまでまとめ

日本ほど世代論が盛んな国は、世界にないそうです。単一民族、単一言語。平和な国です。他国は、人種、宗教、言語、収入、住んでる地域、などで国民を分類する。

本書では、労働人口を6つの世代に分けてます。著者は博報堂の人たち。
※年齢は2015年時点で。

・団塊世代(1947~1951生)60代
・ポパイ・JJ世代(1952~1960生)50代半ば~60代前半
・新人類世代(1961~1965生)50歳前後~半ば
・バブル世代(1966~1970生)40代半ば~後半
・団塊ジュニア世代(1971~1982生)30代前半~40代半ば
・さとり世代(1983~1994生)20代前半~30代前半

世代論



それぞれの世代ごとのまとめを本書から以下に。

団塊世代(1947~1951生)

(時代背景)
・世界的ベビーブームの到来
・経済復興の始まり
・米ソ冷戦、ベトナム戦争
・「学園紛争」を始める
・テレビの普及

(特徴)
・人数が多く競争意識が強い
・封建制と革新性が共存
・日本にはじめて私生活を持ち込む
・戦争の呪縛から解放された最初の世代

(消費 文化の背景)
・第1次テレビっ子世代
・欧米文化を自分のものとして受け入れた最初の世代
・若者文化を最初に始める(マンガ誌、インベーダーゲーム)
・グルメブームの到来

(恋愛 結婚)
・はじめてデートと同棲を始める
・合同ハイキングが人気
・見合い婚と恋愛婚が逆転
・仕事か結婚かで専業主婦に
・今は孫ケア、孫育て

(消費のツボ)
・孫消費(金も口も出す)
・メディアの流行報道に敏感
・ラジオへの信頼度が高い
・仲間好きゆえ仲間消費
・新発売、日本初、世界初に弱い。新しいもの好き
・狙いは夫婦のエスコート消費

ポパイJJ世代(1952~1960生)

(時代背景)
・女性の社会進出(ウーマンリブ)
・楽園キャンパスを始める(大学=テニス同好会)
・マクドナルド、日清カップヌードル、セブンイレブンの登場

(特徴)
・人生はエンジョイするものという考えが強い
・表面的にはクール、シラケ
・自分は自分、他人は他人という価値観、他者に理解力あり
・子供の自主性を尊重する

(消費 文化の背景)
・ニュートラ、ハマトラブーム
・初のブランドブームが起こる
・ライフスタイルは音楽とともに(ユーミンとサザンが象徴的)
・美人よりかわいい子が人気に
・オタク第1世代

(恋愛 結婚)
・ドライブデートを楽しむ
・ハワイに新婚旅行が普通に
・男女平等意識を持っている
・夫も家事負担が少しずつ増加
・妻から離婚、バツイチ出始め

(消費のツボ)
・今の消費の原型を形成
・広告は空気のようなものであり、広告とともに生活を変える
・好みが多様化している
・多様な選択肢を用意、選ばせる
・生活、人生を楽しむが響く
・フェイスブックが大好き

新人類世代(1961~1965生)

(時代背景)
・幼少期に高度経済成長(モーレツ社員の子供)、大阪万博
・共通一次試験が開始
・男女雇用機会均等法が施行
・ベルリンの壁が崩壊

(特徴)
・よくいえば自由で軽やか
・悪くいえば薄っぺらい
・楽しいことが最上の価値
・上下関係が希薄
・思想の呪縛から解放された最初の世代

(消費 文化の背景)
・Hanakoが創刊
・ハナコ世代の登場
・女子大生ブーム
・ブランド好きで消費好き
・中高生でウォークマンを手に
・オタクが市民権を得る

(恋愛 結婚)
・恋愛の力関係が男女で逆転
・男性はひたすら仕える
・アッシー君、メッシー君
・結婚相手の条件は三高
・高望みしすぎて一部負け犬に

(消費のツボ)
・見た目に金をかける(ファッション、メイク、アンチエイジング)
・ずっと男子、女子でいたい
・共稼ぎ、独身は自由なお金あり
・狙いは仲間ゴルフ、女子会など仲間消費(フェイスブック好き)

バブル世代(1966~1970生)

(時代背景)
・バブル景気が到来
・日本経済は絶好調
・一億総中流の広まり
・就職は売り手市場
・苦労なく正社員になれた

(特徴)
・貯蓄より消費を優先する日本唯一の世代、右肩上がり志向
・なんでもできる万能感が強い
・自分を大きく見せる
・子供の教育もブランド志向
・一部モンスターペアレントに

(消費 文化の背景)
・女性が文化の担い手
・ジュリアナ、ボディコン、お立ち台、トレンディドラマブーム
・高級自動車シーマ現象
・チーズケーキ、ティラミスブーム
・アラフォー、美魔女ブーム

(恋愛 結婚)⇒新人類世代と同じ
・恋愛の力関係が男女で逆転
・男性はひたすら仕える
・アッシー君、メッシー君
・結婚相手の条件は三高
・高望みしすぎて一部負け犬に

(消費のツボ)⇒新人類世代と同じ
・見た目に金をかける(ファッション、メイク、アンチエイジング)
・ずっと男子、女子でいたい
・共稼ぎ、独身は自由なお金あり
・狙いは仲間ゴルフ、女子会など仲間消費(フェイスブック好き)



団塊ジュニア世代(1971~1982生)

(時代背景)
・「サラリーマン+専業主婦+子供2人」の標準家庭が定着
・バブル崩壊で就職氷河期
・同世代の賃金格差が広がる
・フリーター、非正社員の増加

(特徴)
・同世代が多く、激しい受験戦争
・上の世代の価値観に疑問(強い裏切られた感、被害者意識)
・自己啓発、自分探しが好き
・男性よりも高学歴女性が多いはじめての世代

(消費 文化の背景)
・ファミコン世代、ジャンプ、Myojo、りぼん、なかよし、世代
・初代コンビニ、カラオケ世代・エヴァンゲリオン世代
・サッカー人気の勃興期
・コギャル文化の登場

(恋愛 結婚)
・未婚、草食男子の増加
・婚活、街コンの登場
・求める男性像は三低
・働きマン、干物女の増加
・イクメン、趣味人おっさんの増加

(消費のツボ)
・消費にガツガツしない(よくいえば堅実、悪くいえばケチ)
・明確なコンセプトと価格妥当性のある商品を買う(無印良品、電動アシスト自転車)
・海外志向、自己啓発が響く
・狙いは母娘消費、三世代消費

さとり世代(1983~1994生)

(時代背景)
・少子化で競争が少ない
・物心ついたときから不景気
・第2次就職氷河期
・中高生でケータイを持つ
・ゆとり教育

(特徴)
・将来不安大、自殺増、なのに満足度高、で日々楽しく
・超安定志向
・周囲への過剰な気遣い
・同調圧力が強い
・普通の子が学級崩壊を扇動

(消費 文化の背景)
・豊富なおもちゃに囲まれて育つ(たまごっち、ハイパーヨーヨー)
・男女ともポケモンに熱狂
・人気アニメはセーラームーン
・ローティーンファッションの先駆
・私立中学受験がブームに

(恋愛 結婚)
・恋人がいないが過去最高
・SNSで恋愛がしにくい状況
・異性重視から同性重視へ
・本音では恋愛、結婚したい
・女子は現実的、専業主婦志向

(消費のツボ)
・情報過多の既視感で消費意欲が低い(車、酒、海外旅行離れ)
・男らしさ、女らしさは薄い
・安くてそこそこよいモノで大満足(背伸びしない)
・狙いはSNSで話題にしやすい商品(レッドブルが象徴的)

(追記)Z世代とは何か?

ここからは本書を離れ日経ビジネス2020年1月13日号に掲載された「Z世代」について。「さとり世代」の次の世代です。

Z世代とは

Z世代とミレニアル世代の比較

ちなみに「ゆとり世代」は、ゆとり教育を受けた1980年代後半~2000年代前半くらいに生まれた人たちの総称です。

「ミレニアル世代」は「さとり世代」のアメリカでの呼び方で、「ミレニアム世代」とも呼ばれる1981年から1995年頃に生まれた人たちです。

その他の読書メモを以下に。

制服ディズニー

若者たちの間で「制服ディズニー」という現象が起こっている。大学生や若手社会人が、中学時代や高校時代の制服を引っ張り出してきて、それを着て集団でディズニーランドに行く現象。関西では「制服USJ」と呼ばれてる。博報堂に協力してる若者にヒアリングすると、100人中30人ぐらいこの行為をしている。残りの70人も、まわりがこの行為をしていると証言。「いましか着れないし」「まだイケるっしょ」と言い合い、過去を思い出し盛り上がる。これは「懐古厨」ニーズを表した現象。

じつはポケモンも「懐古厨」ニーズをとらえてる。さとり世代は小さいころのみならず、社会人になってもポケモンをやりつづける。毎年幼児が参入する上に、ポケモンから出ていかない層も多いので、ニンテンドー3DSなどで最新作が出ると必ず売れ、場合によっては過去最高の販売数を更新する。

ポストさとり世代

バブル世代の子供は、いま高校生くらい。バブル世代が高校生の子供を連れていくため、スキー人口がここ数年戻っている。バブル世代の親の影響で、消費意欲がささやかながら戻っている。

⇒この世代が「Z世代」と呼ばれるようになった。

さとり世代の恋愛離れ

結婚情報サービスのオーネット調べ。2011年の調査。
・20~30代の独身男性で交際相手がいない:75%
・20~30代の独身女性で交際相手がいない:65%
・新成人の女性で交際相手がいない:70.3%
男女ともいずれは結婚したいと回答した20代は、男性66.7%、女性81.0%

博報堂に協力してる若者でも、イケメンや綺麗な子でも交際相手がいない。「なんで?もったいない」と聞くと、「面倒だからしない」と返ってくるそうだ。

ニュートラ、ハマトラとは何か?

80年前後にJJが起こしたブーム。ニュートラ、ハマトラというのはお嬢様ファッション。

ニュートラは神戸の女の子が着ていたもの。具体的には神戸女学院の女学生のファッション。ブレザーを着て、ブランド物のセリーヌやグッチの洋服、バッグなどを合わせていく、「ニュートラッド」というファッション。

それに対してハマトラは、横浜の女の子が着ていたもの。具体的にはフェリス女学院の女子学生のファッション。カーディガンなどにいろんなものを合わせていく、少しカジュアルなファッション。

ミニスカートやジーンズが海外からやってきたファッションだとすれば、ニュートラ、ハマトラは自分たちがはじめてつくり出したオリジナルなファッション。

はじめてデートした世代

団塊世代ははじめてデートした世代。山本リンダの歌「こまっちゃうナ」の中で、「デート」という言葉が出てくるが、それまではデートという言葉は一般にはなかった。「逢い引き」や「ランデブー」という言葉が使われていた。

上の世代が俺たちを抑え込もうとする♪
お前らみんな消えてしまえ♪

ザ・フーでマイ・ジェネレーション♪ リードベースとフルオーケストラドラムが凄い♪

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