【日本が売られる/堤未果】書評と要約

この人の本は、どれも素晴らしいです。

本書もいいです。読むと「なんとかしなくちゃ」って思います。

1章:日本人の資産が売られる

外資にいろんなものが食われるというか売り渡されてる。水、土、タネ、ミツバチ、食の選択肢、牛乳、農地、森、漁業権、築地・・みんなグローバル企業の依頼に応えすぎ。政治も企業も官僚も、悪意を持ってやるというより無知から始まってることも多いと思う。読むと惨憺たる気分になるけど、知ることによって阻止できるかも。

2章:日本人の未来が売られる

労働者、日本人の仕事、ブラック企業対策、ギャンブル、学校、医療、老後、個人情報・・・あまりにも無防備で悲しくなる。マスコミはこういう事実を報道してほしい。知ることによって防衛できる。それこそが第4の権力マスコミの存在意義だと思うのですが。まあ暗黒面のほうに落ちてますよね。

3章:売られたものは取り返せ

この章だけは希望がある。イタリアの草の根政治改革がすごい。マレーシアのマハティールがすごい。ロシアは有機農業大国になってハゲタカから国を守ってる。フランスは水道民営化のおひざ元で水道公営化を叫んでる。スイスは考える消費者が国民投票で意思を示し協同組合で防衛してる。アメリカですらモンサントの遺伝子組み換えに激怒した国民が立ち上がり始めた。

とくにイタリアが凄いです。政治家に丸投げせず当事者である住民が決める。そのために自分たちで代表を議会に送り込む。スローガンは環境の保護、ネットの自由、水資源保護、持続可能な交通、経済成長。「五つ星運動」といわれ、SNSやネットを有効に使い、市民参加型の民主主義を目指してる。立候補のハードルは下げた。供託金もない。任期を終えたらちゃんと元の仕事に戻る。特定企業や巨大スポンサーに忖度する状況をつくらないよう、選挙資金は専用アプリで少額の寄付を集める。マニフェストは党員がアプリで投票して決める。

日本もこんな政党出てこないかな。自民はグローバル企業や金持ち、大企業、アメリカの言いなりで日本を売り渡す。野党は中韓のスパイのごとし。ぼくらがほしい政党はいっこうに出てこない。不倫やらスポーツやら芸能人やら。アホには仕事させられへん。

まあグチをいっても始まらないのですが。65歳で定年を迎えた、一般企業で働いてた立派な人たちっているじゃないですか。そういう人たち立候補して、国民の意に沿うような政党を作ってくれないかな。イタリアを参考にして。現役世代は子育てで精いっぱいやし。

今回は読書メモが多すぎなので、ぜひ本を読んでみてください。以下に6個だけ読書メモを。



水ビジネスを売り渡す売国奴たち

水道水が飲める地域は、アジアでは日本とアラブ首長国連邦の2か国のみ。その他はドイツ、スウェーデン、フィンランド、ニュージーランドなど15か国(196か国中)。それがなければ生きられない命のインフラ「水道」は、巨大な金塊でもある。

水道民営化について。採算度外視の公営水道とちがい、運営権を手に入れた民営企業はまず料金改定を行う。南アフリカは4年で140%、オーストラリアは4年で200%、フランスは24年で265%、イギリスは25年で300%上昇した。料金が払えないと水道は止められ、採算のとれない貧困地区の工事は一切行われない。

2000年から2015年の間に、世界37か国235の都市が、一度民営化した水道事業を再び公営に戻している。理由は水道料金の高騰、サービスの劣化。彼ら民営企業は株主に利益還元することに必死だ。

アメリカは全米の水道事業の24%が民営化されている。アトランタ市は1998年に民営化し市民から苦情が多発。2003年に再び市営に戻した。企業に売った水道事業を買い戻すのに莫大な費用がかかる。その負担はすべて税金として市民にのしかかった。

アルゼンチンは水道トラブルから半数を国営に戻したが、再国営化の際に契約していた9社のうち6社から提訴された。裁判はすべてアルゼンチンが敗訴。米資本のアジュリ1社だけで、165億円をアルゼンチンは支払った。

いま水道の民営化はどこの国もやろうとしない。悲惨な結果が見えてるから。そんななか日本は世界の流れに逆行した。水道民営化を今さら始めようとしている。正気の沙汰と思えない。なぜ政治家や公務員やマスコミはこれをとめようとしないのか。

2018年7月5日「水道法改正案」は可決された。大半の国民はこの重大な法案に全く気付かなかった。オウム真理教の幹部7人の死刑執行を同日に合わせてきたので。

⇒なんで水道民営化を推進するのか理解できない。グローバル水企業の利益は、「公益」を上回るのか?それで日本の誰がトクをするのか?マスコミは不倫とかどうでもいいから、この問題の進捗を、きっちり分析して報道してほしい。そういうのを多くの国民が願ってる。

韓国人ですらLINEを使ってない

韓国ではリアルタイム監視により逮捕者が出た2014年から、LINEやカカオトークなどの無料コミュニケーションアプリから多くの人が脱出。約167万人がチャット内容が監視されない他国アプリに乗り換え、「サイバー亡命」が流行語になった。

一番人気の高い乗り換え先は、安全性に定評のあるドイツの「telegram」。チャットの内容はすべて暗号化され、転送は不可。サーバーに足跡も残らない。投稿内容は2秒後から1週間先までユーザー自身で消すことができる。

「telegram」はセキュリティの高さに絶対の自信をもっており「もしあなたがわが社のアプリをハッキングできたら、20万ドル相当のビットコインをプレゼントします」というキャンペーンをやっている。

⇒日本でも「telegram」みたいなの誰か作らんかな。

世界に誇る公設卸売市場を民営化せよ

2018年6月15日、日本人の大切な資産がまた1つ売りに出された。参議院でひっそり成立したのは「卸売市場法改正」。

大正7年の米騒動で、市場原理に任せてコメ価格の暴騰を招き失敗した政府が、「巨大資本による買い占めを許してはならない」として、約80年前につくったシステム。生鮮食品を卸業者が生産者から集荷して、それを仲卸業者が買い付けて小売業者に売るという我が国の「卸売市場」。

食の安全と安定供給をずっと支えてきた。生鮮食品は日持ちしないので、生産者はできるだけ早く売らねばならず、価格交渉で弱い立場になりやすい。だが卸売市場ではイオンのような大手小売業者から地方の小さな商店まで、全く平等に扱われる。つくったものを卸業者に委託すれば、競りにかけられるときも、輸送コストや出荷量で差をつけられる心配はなくなる。目利きの仲卸業者が、そのときの需給にあった適正価格をつけてくれる。卸売市場は「公益」だ。

世界の先進国は大手流通業者の寡占が進む。どこも大企業が半分以上の市場を独占している。そんななか日本の卸売市場は国産生鮮食品の8割以上が集まる場所にもかかわらず、大手スーパー上位5社が流通にしめる割合をわずか3割に抑え、食の多様性を維持してきた。カルフールはこの多様性についていけず日本から撤退した。

まずは卸売市場の民営化だ。築地から解体だ。

⇒詳細は本書にて。じつはカルフールけっこう好きでした。



国民保険を食いつぶす外国人たち

日本にいる外国人労働者の数は、過去5年で2倍に増え、2018年3月時点で、過去最大の128万人を記録。今では日本の労働者の2%を占めるようになった。うち高度人材が2割。単純労働分野で働く実習生と留学生が残りの8割。

いま医療目的を隠して来日し、国民保険に加入して高額治療を受けに来る外国人が急増している。政府は外国人が公的保険を使う条件をどんどん緩めている。2012年に民主党はそれまで1年だった国保の加入条件を大幅に緩めたった3か月滞在すれば、外人でも国保に加入できるよう法律を変えてしまった。

その結果留学生や会社経営者として入国すれば、国籍に関係なくすぐに保険証がもらえるために、来日したその日に高額治療を受けに病院に行くケースが増え、深刻な問題を引き起こしている。

とくに中国人患者が多いC型肝炎は、3カ月1クール455万円のところを、国保を使えば月額2万円だ。肺がん治療薬オプジーボなら、1クール1500万円が自己負担額月60万円。差額は私たち日本人の税金で支えてゆくことになる。

出生証明書があればもらえる42万円の出産一時金も、中国人を中心に申請が急増している。提出書類が本物かどうか、役所窓口では確認しようがない。

本当に留学生か見分けるのは難しいし、実体のないペーパーカンパニーでビザを取る斡旋業者が横行してるため、保険証を持参してくる自称会社経営者の場合も、偽物摘発は非常に困難だそうだ。

2018年6月に政府が発表した「移民50万人計画」で、今後は留学生でも経営者でもない外国人労働者がどっと入ってくる。

⇒外人へのお金の支給はもう1回厳格化すべし。これから外人ジャンジャン増えるんでしょ?

日本の医療費40兆円の真の原因は?

政府が毎年騒ぎ立てる「医療費40兆円」。原因は高齢化ではない。最大の理由はアメリカから法外な値で売りつけられている医療機器と新薬の請求書が、日本人の税金で支払われているからだ。

1980年代中曽根とレーガンの間で交わした「MOSS協議」。これにより日本はアメリカ製の医療機器と新薬を他国の3~4倍の値段で買わされている。買い上げ費用は国民皆保険制度でカバーする。⇒詳細は本書にて。

病院での窓口負担がどんどん増え続け、高齢者が犯人のようにいわれて肩身のせまい思いをしているが、本当は日米関係、政治の問題だという事実を国民は知らされていない。

日本は人口が世界のわずか1%強なのに、世界の4割の薬を輸入している薬漬け大国。日本の国民皆保険を維持したまま、日本に売りつける薬価を今より値上げし、ジェネリックが入れないようルールをいじり、巨額の特許料を長期間稼ぐことは、TPP交渉のなかでも最も力を持っていたアメリカ医産複合体の悲願だった。

あと一歩というところで忌々しいトランプがTPPから離脱。おまけにトランプは米国製薬会社に向かって「儲けすぎているから薬価を下げろ」と言い始める。

TPP推進企業が所有する米国大手マスコミ。一斉にトランプバッシングを始めたがなかなかトランプもしぶとい。医産複合体はターゲットして日本をロックオン。

2018年4月から国民健康保険の保険料はまた値上がりした。

ミツバチが消えた。原因の農薬を日本は使う

2007年北半球の4分の1のミツバチが消えた。欧州では2008年に全ミツバチの3割が、ドイツに至っては8割が消滅した。植物を受粉させるミツバチがいなくなることは、人間の食糧生産の終わりとイコールだ。研究機関の調査によると「ネオニコチノイド」が虫の神経を狂わせた。方向感覚がおかしくなって巣に戻れなくなった。

バイエル社などの圧力で当初はこの結果は隠蔽されたが、2013年12月EUはこれが含まれる農薬を禁止した。他国も続々と続く。2013年スイス、2015年ブラジル、カナダ。台湾は2017年に一部禁止。あの中国でさえ習近平が禁止した。

日本はどうか?政府の出した結論は「ミツバチ大量死の原因はストレスです」。政府のお墨付きを得たネオニコチノイド農薬は、猛スピードで日本での使用量が拡大してゆく。

⇒こいつらアホか?マスコミはこんな面白いネタなんで追求せんのやろ。あ、モンサント、バイエル、住友化学には逆らえんか~。

ハゲタカ文化 やつらは寄生する♪
ウォール街のやつらはいう おれたちの仲間にならないか
一緒に踊ろうぜ こんなチャンス 2回目はないぜ
ハゲタカは 敗者には手を貸さないんだ
仲間になれよ 金持ちになれるぜ♪

アランパーソンズプロジェクト、84年のバルチャー・カルチャー♪
アンモニアアベニューが名作で、次作のこのアルバムも期待しました。Days are numbersは田舎のDJがイチオシで、深夜のローカルAM洋楽番組の独自チャートで1位でした(笑)。

おまけにもう1曲。さっき晩酌時にエムオンTVでGRAYの新曲がかかってました。かの有名な「キャデラックランチ」ってあるじゃないですか。スプリングスティーンがザ・リバーで歌った曲。80年代にはニッティグリッティダートバンドもカバーした。テキサス州の砂漠にキャデラックがニョキっと生えてるアレです。え?テキサスで撮影したの?いやこんなハデちゃうし、どこやねん?どうもLAで撮影したようです。全然知らなかったですが新名所?それとも自分らで作った?

ちなみにGRAYの曲は全然知りません。40歳ぐらいの後輩と飲みにいって、「気つかわんと好きなん歌って」というと、彼らはミスチルかグレイを歌うことが多いです。ぼくですか?十八番は「悪魔を憐れむ歌」です。丸暗記してます(笑)

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『【日本が売られる/堤未果】書評と要約』へのコメント

  1. 名前:Speakeasy 投稿日:2018/11/13(火) 22:39:30 ID:5ec0a094e

    donさんのカラオケの十八番が「Sympathy For The Devil」だったとは・・・めちゃ長い曲なのに丸暗記ですか~凄いっすね!
    私もこの曲大好きですが、1行も覚えてません(笑)
    そういや、アルバム『Beggars Banquet』も1968年発売なので50周年記念盤が出るじゃないですか~ほんと買いきれん(涙)

  2. 名前:don 投稿日:2018/11/13(火) 23:16:39 ID:54e9052e3

    Speakeasyさん、こんばんは~
    もちろんカタカナで覚えました(笑)。
    当時は情報も少なかったですよね。

    今やちまたのロック好きが、いろんなブログで和訳したり、
    コアな情報を解説してくれてる。ロック少年にはいい時代だと思います。

    >『Beggars Banquet』も1968年発売なので50周年記念盤が出る
    そうなんですか?いい音で音圧上げてリミックスしてほしいです。

    フッフー♪