久しぶりに株の本読みました。安定志向な人向けの堅実投資本です。
3章までは著者の自己紹介とか、お金の貯め方とか。
Amazonのレビューはひどいことが書かれてますが、「これからどうやって株で儲けようか」という人には参考になる本です。頭の整理になる。
著者の手法は「日本を含む世界の高配当株もしくは増配株に投資して、配当金を再投資にあてる手法」。堅めな投資です。
Amazonやテスラなんかの米国の成長株(配当無し)に投資したほうが、ここ数年の実績でいうとパフォーマンスは断然よかった。でもその手法は株式市場の状況や企業の業績に左右されるので安定志向の人には向かないです。
今さらですが株式投資の利益には2つあります。
①「値上がり益(キャピタルゲイン)」買った株が買値より上昇した時にタイミングよく売る。
②「配当金(インカムゲイン)」企業が毎年稼ぐ収益の一部を株主還元。
著者のゴールは②で、「60才時点で年間配当金240万円以上」です。6千万円の資産を4%で運用する。
以下に4章、5章の読書メモを。
目次
初心者におすすめ「SPDR S&P500 ETF」
S&P500は米国を代表する株価指数。米国を代表する企業500社の株価を各社の時価総額に応じて平均しながら算出したもの。500社の上位12銘柄で組み入れ比率は約30%。アップル、マイクロソフト、Amazon、フェイスブック、テスラ、アルファベットA株、アルファベットC株、バークシャーハサウェイ、ジョンソンエンドジョンソン、JPモルガンチェースカンパニー、ビザ、プロクターアンドギャンブル。
ニューヨークダウ。正式名称はダウジョーンズ工業株30種平均も有名。構成銘柄は30社の優良企業。ただし30社の株価を足して30で割っただけなので、一部の株価水準が高い銘柄の影響を受けやすくなってる。なのでS&P500を推す。
日経平均はユニクロとかソフトバンク。ユニクロやソフトバンクが、アップル、マイクロソフト、Google、テスラの成長と比較して上であると判断する人は買えばよい。
米国株をおすすめする理由
1.米国企業の方がガバナンスがしっかり
2.米国の株価は歴史的に右肩上がりで推移している
3.日本株は米国株に連動する。売買高の7割は外国人投資家
4.アメリカは人口増加国でありまだ成長を続けるだろう
5.日本企業のように意味のない内部留保をしない
6.長期投資なら為替リスクは大きくない。基本はボックスで動く
著者の保有する株式
高配当株の場合は配当利回り。 増配株の場合は増配率。 成長株の場合は増収増益率などを基準に成長性を判断する。 有望株には共通点がある。
①その企業が持続的に儲かる事業をしているのか?営業利益率を見る。同じ業界なら市場シェアか営業利益率がナンバーワンの企業に投資する。
②開発力、成長見通し、参入障壁の高さ、ブランド力。
●半導体受託製造世界ナンバーワンの台湾積体電路製造(TSMC)はすべての項目をコンプリートしている有望銘柄。営業利益率は35%。自己資本比率は71%。
●技術力がすごい。メドトロニック。心臓ペースメーカーの先駆者。世界シェア1位。
●ブランド力が強い。P&G、マクドナルド。
●スイッチングコストが高い。マイクロソフト。
●インフラ。通信、電力、鉄道、ガス会社全般。
米国株の配当性向
米国企業は稼いだ利益を新規事業や設備投資に回しつつ、残りはほぼ全額を株主に還元することが多い。意味もなくお金を貯め込んでおくことはしない。
米国企業の場合
平均的には1株あたり利益の40~50%を配当に回す。残った50~60%の利益は自社株買いに回すことが多い。こちらは配当金として還元はされないが、株価を上昇させてくれる原動力になる。
日本企業の場合
日本の配当性向は30~40%。自社株買いは10~20%。残りの30~50%が内部留保のパターンが多い。
安定志向の人の堅実な日本株投資
米国株の方が堅実だけど、どうしても日本株がいい人、一部は日本株を保有したい人もいるだろう。ひたすら安定志向の人が投資対象とするのは、高配当かつ日本株の中で時価総額上位100銘柄以内に入るような大型株。
選ぶポイントは配当利回り、ファンダメンタルズ(直近5年の業績&財務、PER、ROE)、5年チャート。そもそも論でその企業が持続的に儲かる事業をしているのかどうか。
配当利回りは税引き前で3.5%以上を選ぶ。配当利回りが高い株であっても株価下落により配当利回りが高くなっている株は見送る。健全な高配当株は業績が安定している。
安定して配当を続けるためには財務が良好なことも重要。自己資本比率はできれば60%以上欲しい(除く金融)。最低でも40%以上は欲しい。
PERに関しては、東証一部上場銘柄なら10~30倍の間に収まっている。セクターにもよるがPERが15倍より低ければ買ってもいいかなという目安にはなる。日本株は15倍、米国株は20倍が標準。
著者が保有する日本株トップ10
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