主人公の夜凪景(よなぎ けい)は女子高生。父は失踪。母も病気で亡くす。母との約束で幼い妹弟を育てる。父をゆるせず養育費には手を付けない。学校に通いながらアルバイトで家族を養う。
家には両親の残した膨大な映画のコレクションがあり、これに没入することで彼女は精神を保つ。この習慣が彼女に「メソッド演技法」をもたらす。
家族の生活費のために、大手プロダクション3万人の新人発掘オーディションを受ける。最終審査で別格の演技をするが落ちる。彼女の演技は彼女を壊してしまう。むかし彼女と同じタイプの天才女優だったプロダクションの社長が見抜く。彼女の幸せのために彼女を落とした。
オーディションに同席した天才映画監督が彼女を求める。監督の夢、彼女の夢、日本映画界の未来のため。ダイヤの原石のような彼女の成長ドラマが始まる。
なぜアクタージュを読んでみたのか?
久しぶりにスーパー銭湯行ったんですよ。コロナでしばらく行けてなかった。スーパー銭湯ってマンガ置いてるじゃないですか。ジャンプが複数冊あったので読んでみました。
人生で長く少年マンガ読んでました。毎週の楽しみ。長く週刊少年マンガ読んでた人はわかると思うけど、20作品ほど掲載されてて面白いのは2~3作品ですよね。約30年間の平均です。青年誌とちがって大人には物足らない。
いまのジャンプ読んでみて、ワンピ以外に大人が読むものって「アクタージュ」しかないような気がします。アクタージュだけ光ってました。2018年連載開始。
マンガ一気読み。どこがお得か。比較した
家に帰ってから「アクタージュ」読みたくてしかたなくなった。
調べると12巻まで出ています。300万部も売れてるらしい。まったく知らなかった。
むかし家の近所に10万冊の貸し漫画屋がありました。ローカルチェーン。1冊1週間30円。毎週8冊、月に32冊借りても1000円ぐらいだった。レンタルDVDと併設だったので、潰れちゃいましたが。
久しぶりにマンガを一気読みしようとすると、どうやってアクセスしたらいいかわからない。コスト比較してみました。概算です。ツタヤは店舗で価格が違うみたい。
・コミック:484円x12冊=5,808円
・キンドル:460円x12冊=5,520円 ・ツタヤディスカス:150円x12冊+送料1200円=3,000円 ・ツタヤ店舗:3日100円、7日150円ぐらい。3日で返せば1,200円 ・電子レンタル:レンタで110円x12冊=1,320円 ・中古本購入:通常は380円前後。在庫次第。380円x12冊=4,560円 ・マンガ喫茶:6時間パックで950円ぐらい。 |
キンドルで大人買いするか迷いました。充電までした。
結局安くて初体験なマンガ喫茶にしました。人生初のマンガ喫茶。「快活CLUB」って店です。ソフトドリンク飲み放題。ソフトクリームも食べ放題。めっちゃ快適空間やん。
土曜の午後行ったんですが、ほぼ満席。勉強してる人も数人いました。だいたいはマンガ読んでる人が多い。マンガというコンテンツにぶら下がってる商売ですね。
アクタージュ。どれぐらい傑作なのか
いちばんマンガ読んだのは2000年~2010年。コミックを毎週8冊読んでた。
年間400冊。10年で4000冊読んだ。平均すると10巻ぐらいのものが多い。タイトル数では400タイトルぐらい。
アクタージュ、この400タイトルと比較して、12巻までの展開だったら五指に入る作品です。12巻程度だと面白さが凝縮されてる。間延びがない。
残る4作品は、ワンピ、BECK、ピアノの森、サラリーマン金太郎です。いま読むと古く感じるものもあります。BECKは現実が追いついたし(BABYMETAL)、サラリーマン金太郎は時代に合わなくなった。あ、バクマンも入れるべきか。やっぱ五指じゃ足らんか。
2010年以降はこの書評サイトを始めたので、マンガ読まなくなってしまった。ここ10年。なんか面白いマンガありますかね。
演劇ジャンルのマンガについて
少女漫画に多そうですが、そこはぜんぜん読んでない。
最初に読んだ演劇テーマのマンガは、80年代モーニングに連載されてた、かわぐちかいじのアクターです。俳優の話がマンガとして成立することが新鮮でした。そんなものはそれまで読んだことがなかった。
かわぐちかいじなのでめっちゃ面白いし。
あと記憶に残る作品は、平山あや&古田新太でドラマ化された「はるか17」。演劇というより芸能界での成功物語かな。
ドラマ化される作品が多い大御所、倉科遼も芸能テーマのものが複数ある。女優とかDreamsとか(女優はクリックするとタダで読めるよ)。
そういう作品と比較して、アクタージュは胸クソ展開が少ないです。
胸クソ展開。頂点は浦沢直樹の「HAPPY」だと思う。最後はウィンブルドンで優勝するんやけど、それまでがひたすら我慢の連続。読者に「ドM」であることを強いる。あまりにもアンハッピーな展開だけどタイトルは「HAPPY」。主人公の名前は「幸」やし。
ちなみに「HAPPY」。両親と死別し、幼い弟妹の世話をする女子高生という薄幸設定がアクタージュと同じです。
だいたい芸能マンガって、照明が上から落ちてきたり、ピン子にいじめられたり、スキャンダルにハメられたり。フラストレーションが多い。
そういうのがアクタージュ12巻まではあんまりないです。芸能マンガとして異色です。バトル重視なジャンプだからかな。
アクタージュ直近の展開。連載では夜凪景が大河ドラマに出演することが決まりました。主人公の若いころを演じる役回り。
大河ドラマって、主演クラスの役者が10人以上でてくるバケモノ作品。今後の展開が楽しみです。ピン子みたいなのが出てくるんかなぁ。
p.s. 連載打ち切り、とても残念です。これからというところだったのに。
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興味深いお話ですねぇ。
親を亡くす、または失踪。こういった事は現実世界でもよくある事だけど、物語でも聞けば悲しい気持ちになりますよね。
実は私もコロナウィルスでしばらく街の本屋さんに(というかどこにも)行けてないんですよ・・・(涙)。だから今はもっぱらアマゾンで買って読んでいます。