著者は「栄養と料理」の元編集長。
外食もお酒もやめたくない人の「せめてこれだけ」食事術。魅力的なタイトルなので読んでみました。
目次
野菜をたくさん食べれば健康になれるという勘違い
野菜をたくさん食べるべき本当の理由
はたして野菜は本当に健康にいいのか?
野菜ばっかりの食生活では「健康で長寿」は望めない。アフリカや東南アジアには、ほぼ毎日野菜と穀物だけを食べて暮らしている人が大勢いる。かれらは健康でもなければ長寿でもない。
健康長寿にはタンパク質(とりわけ動物性タンパク質)や適度な量の脂肪などが不可欠。かれらにとってはタンパク質や脂肪こそがヘルシーな食材であり、野菜はヘルシーでも何でもない。
先進国の現代人は、動物性脂肪やアルコールや糖類を過剰に食べている。バランス上「野菜をたくさん食べましょう」というだけの話である。
野菜1日350gに科学的根拠はない
厚労省は1日350g以上の野菜を食べましょう、といっている。これには実は根拠がない。1日350g食べれば健康になるというデータは、日本にも世界にも1つもない。
野菜350gの栄養素をとり入れればいいわけではない
現在日本人の野菜摂取量は1日に平均290g。なので「もう少し多く野菜を食べましょう」ということで350gの目標が設定されている。
アメリカの調査では、野菜と果物を合わせて400g以上食べた女性のほうが、それ未満の女性よりも健康だった、という研究はある。アメリカは栄養上、野菜と果物を分けては考えないが、日本では分けてある。
日本では果物の摂取量がかなり少ないため、「野菜で350g以上」を摂取しないとアメリカの研究結果を生かすことができない。その点からもこういう目標が設定されている。
生野菜vs加熱野菜。健康にいいのはどっち?
「ビタミンC」と「食物繊維」は野菜以外からはとりづらい
野菜や果物にはビタミン類、ミネラル類、食物繊維が豊富に含まれる。しかし意外かもしれないが、ビタミン類やミネラル類の多くは、野菜だけではなく、肉や魚や穀類にもけっこう含まれている。
では野菜から摂取しなければならない栄養分とは何か?それはビタミンCと食物繊維だ。
このうちビタミンCは、多くの日本人では不足していない。20歳~49歳では摂取量が必要量を少し下回っているが、そのため健康を害するほどではない。とすると現代日本人が、栄養的に野菜に期待する成分は食物繊維だと考えてよい。
たくさん食べられるのは加熱野菜
1日野菜350g。重量を稼ごうとすると重い野菜が必要になる。以下の図の通り、カボチャやブロッコリー、ダイコンなど。
「重い」ほうに分類される野菜は、ふつうは加熱して食べることが多いものばかりだ。
手間はかかるが加熱野菜はメリットだらけ
野菜をたくさん食べようとするなら生より加熱するほうがいい。という法則に結びつく。ただし生野菜に比べ加熱野菜料理はひと手間かかる。つまり加熱料理は「食べにくい」要素が加わっている。それを「わざわざ食べる」という点で「自分は健康に気を付けて食事をしている」という意識が働く。
厚労省は「1日350g以上の野菜摂取」を目標としてあげるが、それに加えて「そのうち120g以上を緑黄色野菜で」という目標も掲げている。
緑黄色野菜というのは、緑色(ホウレンソウ、ブロッコリ等々)や黄色(カボチャ、ニンジンなど)の野菜のことだが、こちらの目標はさらにクリアが難しい。
野菜の目標摂取を厳しく定めてあることの多い学校給食や病院給食では、カボチャやブロッコリやニンジンが頻繁に登場する。
野菜を加熱すると栄養的なデメリットは?
野菜の調理過程で栄養素が少なくならないのか?という心配がある。水溶性のビタミン類などだ。
しかし前述のように、日本人は多くのビタミン類やミネラル類を野菜以外から摂取しているし、ビタミンCは不足する心配があまりない栄養素だ。
一方で不足しがちな栄養成分である食物繊維は、調理では壊れたり流出しない成分だ。
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そうなんです。野菜を食べればいいってもんじゃないんです。
ビタミンは勿論、タンパク質、炭水化物など、なんでもバランスよく摂る事が大事なんです。