【歯科医は今日も、やりたい放題】まとめ。保険診療の問題点。

あまり虫歯にならないほうですが、それでも数か所は詰め物をしています。で、3年に一度ほど左上の犬歯の詰め物がとれます。ここ10年で3回ほどぽろっととれた。今年もとれましたが、いつも思うのは、穴が大きい。ほっておけないのですぐに歯医者に行きます。

日本の歯科医療は遅れてるそうです。以前日本を訪れたフランス人とスウェーデン人の歯科医師が「信じられないほどの過剰削除だ」と驚いたそうです。日本のたいていの歯医者は歯の一部が茶色く変色してると、変色部分が見えなくなるまで歯をガリガリ削り、そこに詰め物をします。変色した部分を削り、さらに詰め物が取れにくい形に健全歯質まで大きく削る。

この治療法は発案者の名から「ブラックの法則」という名で知られているそうです。歯科の教科書の最重要項目であり、この名を知らない歯医者は一人もいない。

1990年にWHOの傘下にあたる国際歯科連盟が「ブラックの法則の完全撤回」という通達を出しました。歯を必要以上に削ってはいけないという趣旨です。イギリスの歯科医師会は「この改革についてこれない歯科医は無能である」という報告書を発表し、20年以上も前から歯を極力削らないのが世界の歯科医師の常識になっている。

なぜ日本はいまだに歯をガリガリ削るのか?これには理由があります。あまり削らなくていい接着性の高い材質の詰め物は保険適用ではなく、保険診療がほとんどの日本では、ブラックの法則がまだまだ必要であると。

虫歯の原因は何か?あまり虫歯菌は関係ないそうです。口の中には雑菌がたくさんいる。歯磨きも虫歯を予防しない。虫歯の原因は「複雑適応系」であり、現時点ではっきりしてるのは、歯に対するストレスの集中であると。

噛み合わせの不具合や噛みしめなどによって特定の歯に大きな力がかかると、その歯が虫歯になりやすくなる。逆に言えばそういうストレスがなければ、虫歯になりにくい。その他は遺伝的な体質です。歯の質がもともと弱い人や、唾液の性質など。原因がわかってないものを歯磨きのせいにするのは、歯科医の言い訳であると。

なぜ治療した歯がまた悪くなるのだろう?医者と名がつく業界で治したところがまた悪くなれば、それは失敗であり非難されるべきである。虫歯の原因を見つめ直すところから、歯科治療を変えていく必要がある。

以下にその他の読書メモを。



噛み合わせの不具合が心身の不調を招く

ものを噛むとき左(or右)の歯でばかり噛んでいる人は、左側の咀嚼筋が発達して、外見からは左の頬がふくらんでくる。左の筋肉が強くなるので、左の頬骨を引っ張るようになり、骨にも影響が出てくる。引っ張られた骨は骨密度が高まり、必然的に短くなってくる。すると下顎の位置がずれて、左側に頭が傾くことになる。

傾いたままでは重い脳を支えられないので、ほかの部分でバランスをとろうとする。そこで背骨(頸椎、胸椎など)が横方向に曲がったり、片方の肩が下がってしまう。バランスをとろうとして、全身のアンバランスにつながり、左右のアンバランスが心身の不調の原因になる。各不調の症例は本書にて。

犬の咀嚼システムを崩壊させると

1996年の「厚生科学研究」に発表された論文より。犬の片側の歯だけを削り、人工的に咀嚼システムを崩壊させた。するとその犬は、まもなくまっすぐ座れなくなった。前後して体重減少、涙を流す、涎を垂らす、脱毛、震え、足を引きずるといった症状も現れた。咀嚼システムが崩壊したために、歯を通じて感覚の入力がまったく変わり、脳が適応できなくなった。

顎・口腔系から入力された感覚は、おもに三叉神経を通じて脳に情報をもたらす。噛み合わせの具合一つで全身症状がでることは不思議ではない。

噛みしめと骨隆起

必要以上の噛みしめ(食いしばり)は百害あって一利もない。就寝中の歯ぎしりも同様の現象。噛みしめの強い人は、歯が壊れやすかったり、歯周病が進行しやすい。顎関節痛を訴えたりめまいの原因にもなる。

噛みしめが強いタイプかどうか、外から見分けるポイントがある。上蓋の口蓋の中央から後方にポコンと骨が出ていれば、かなり噛みしめをしていると考えてよい。この骨の出っ張りを骨隆起と呼ぶ。先天的にある人はなく、噛みしめの副産物。歯を強く噛みしめることによって、その力が上顎の中央に集中的にかかってきて、その力に耐えるため骨添加が起こり、骨が厚くなるという自然な生理現象なのである。

噛みしめの原因は、ストレスからくることもあるが、多くは噛み合わせの不具合からくる。

⇒歯の矯正は、噛み合わせを悪くします。詳細は本書にて。

噛みしめを緩和する方法

わりばしを使う。
①仰向けに寝て口を軽く開ける。
②わり箸を上下のくちびるの間に乗せる。噛むのではなく軽く開いた口に載せるようにする。
③腕の力を抜いて体の脇に置く。そのまま10~30分リラックスする。

ただこれだけのことを、毎日1回以上行う。わりばしをくちびるに載せることで、咀嚼筋をリラックスさせ、上下の歯が接触しない状態を作る。これを何度も繰り返すことで、脳にこのような状態が普通であることを覚えさせるのだ。やがて無意識のうちに安静空隙が保てるようになり、噛みしめが緩和される。

噛み合わせの不具合で不眠に悩まされていた女性は、わりばし法をしたその日から眠れるようになり、頭痛もウソのように消えた。左半身のしびれに悩まされ脳外科や整形外科に通っていた女性は、二日でその症状がなくなった。

女性のほうが効きやすい。男性は筋骨格系が強いので、効きづらい傾向がある。噛みしめの強い人や肩こり頭痛に悩まされている人は、お金もかからないので試してみる価値がある。

マウスピースをすすめる歯科医もいるが、外してるときとのギャップができ、脳の混乱を招く。器具に依存してる限り、根本的な治療にならない。



年齢と歯の健康

日本人の平均でいえば、上下の大臼歯が抜けはじめるのは51歳ごろから。そして60歳までに奥歯が4~5本抜ける。73歳をすぎると、奥歯の多くがなくなる。

コンビニより多い歯医者

1980年代までは儲かったが、今や歯科業界は構造不況業種。全国で歯科診療所の数は6万8000か所(厚労省H22年統計)。コンビニは約5万店舗(日本フランチャイズ協会H24年統計)。

保険制度の問題点

現在の保険制度の最大の欠点は出来高払い。検査をたくさんするか、患者にモノを渡すかすれば、それが意味のあるものであろうとなかろうと、医者の懐に金が入るというシステム。

だから医者は過剰診療をしたがる。しなくてもいい検査をし、そこまで必要のない治療をすることによって医者は保険基金から金を得られるし、それをしないと赤字になりかねない。保険制度はメリットもあるが、その制度が医師の生活保障のための保険とでもいうべきものになっている。ほどほどに治療をして、常連さんを増やしたほうが金になるのだ。

保険制度の内容

医師から保険支払機構への請求は1点10円の点数制になっている。保険が適用される治療には点数が定められており、いくつもの治療を行えば点数を加算していけばいい。

2014年現在、3歳以上70歳未満ならば、その治療費の3割を患者が病院や診療所の窓口で負担する。残りの7割は医師が保険支払機構へ請求する。

医師の不正請求のやり方

今の手口では、虫食い部分を詰め物で小さく詰めただけなのに、それを被せ物にしたと請求する。詰め物より被せものとして請求したら、詰め物の3~4倍で請求できる。この手口はまずバレない。

なぜなら保険支払機構の審査員が患者を呼んで、レセプトと口の中を比較しない限り、絶対にわからないからだ。審査員はいちいち患者を呼んで調べない。また万一ばれても「たまたま間違えた」と言えば終わりである。常習犯ならともかく、そうでなければ注意をしたうえで無罪放免となる。その他手口は本書にて。

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