人生後半の生き方、50歳以降の目標はどうするべきか?|「老人のウソ/武田邦彦」より

50歳以降をどう生きるか?人生後半の目標をどうするか?

いろんな本が出てますが、読んでがっかりすることが多いです。

当たり前のことが書かれたたり、納得できなかったり。

本書は新しい視点で書かれてるので、とても説得力があった。

もともと人とは考え方が違って、ハッとする意見を言う人なんで。

・人生100年時代になってくる。

・人生を前半と後半の50年ずつに分けて考える。

・最初の50年は生物としての人生。

・成長して結婚し、子どもを産み、育てる。

・50前後で子育てが終わり、生物としての人間が終わる。

・50歳以降は第2の人生が始まる。境目は50歳。

・寿命とは病気によってもたらされるものではない。

・社会の中で存在する理由がなくなると、死のスイッチが入る。

第2の人生の目的は、「献身」であるべきだ。献身以外、生きている意味がない。

・病とか老化について、今いわれてることは間違いが多い。

以下に読書メモを。



生物の「死のスイッチ」

サケのオスもメスも、産卵行為を終えると「死のスイッチ」が入る。数日間、産卵床を守ったのちに両方とも死んでしまう。ヤマメやイワナのばあいは複数回産卵できるが、産卵できなくなると、やはり親は死ぬ。

なぜ「死のスイッチ」が入るか?川には栄養がないからだ。サケの稚魚は死んだ親たちの腐敗した肉や、親の体を栄養源として育った植物プランクトン、それを餌とする動物プランクトンや昆虫を食べながら川を下る。つまりサケの親はまだ生きれるのに、自らの体を子どもの栄養源にするために死ぬ。

人間以外の哺乳類は、出産ができなくなるとサケのように死ぬ。ほとんどの生物がそう。

動物の命に「死のスイッチ」が入る理由

「食料一定の原理」が影響をもたらす。ある動物の親が生まれて10年で子供を産み、10年で子供を育てるとする。するとその動物の体は20年が基準になるよう設計される。

なぜならその動物の食料が一定だから。親が子育てを終わって生きていると、子どもが獲得できる食料が不足するから。子どもをつくるということで「寿命」が誕生した。

「寿命」の3つの原則

1.経験数一定の法則で死のスイッチが入る

ネズミとゾウは体のつくりは同じなのに、なぜこんなに寿命が違うのか?神様はすべての哺乳類について、一生のうちに一定の経験数を与えていると考えられている。一生のうちの食事の回数は8千回などというように経験数を一定にしている。すばしっこいネズミの寿命1年分の経験数は、のろまなゾウだと20年生きてやっと同じレベル。

もっとも人間のように頭脳が発達している動物は、経験数一定の法則より少し長生きする傾向がある。それは頭脳が発達しているがゆえに、危機をあらかじめ回避することができるからだと説明されている。

2.子どものために死のスイッチが入る

上記のサケの例など。

3.仲間に貢献しないと死のスイッチが入る

人間以外の哺乳類では、メスは閉経すると死のスイッチが入る。ではオスはどうか?大きな哺乳動物に一夫多妻が多いのは意味がある。口減らしだ。子どもを作る権利を失ったはぐれオスは、その時期に死ぬ。

オスは1匹でも精子の数は多いので、10匹生かしておく必要はない。1匹だけでいい。だからボス争いをさせ、1匹だけ残したあと、いなくなってもらう。オス1匹、メス10匹が残り、あとのオスは死ぬ。つまり群れ全体のことを考えて、9匹のオスに「死のスイッチ」が入って死ぬということ。

第2の人生で大事なカルシウム。守る方法は?

膝や腰が悪くなると動けなくなって、運動不足になり弱る。とても大事。膝や腰を支える骨は主にリン酸カルシウムでできている。骨は血液にずいぶん溶けるし、酸には弱い。

骨に含まれているカルシウムは大人で1日に200ミリグラム溶けて、尿から排出される。だからその分だけ食べ物を食べてカルシウムを摂取する。

小魚の小骨や小松菜などから摂取する必要がある。そして1日に3時間以上は立って「骨が大事だよ」ということを自分の体に訴えなければならない。下肢に負担をかけてはじめて、体はカルシウムを必要だと思う。

膝や腰が柔軟に動くためのコラーゲンやヒアルロン酸はどうするか?

サプリは効果がない。口から摂っても胃腸で分解されるので意味がない。体が作る。なので「ひざなどの関節が大切だ」と自分の体に言い聞かせることが何より重要。

方法はまず「柔軟体操、軽い体操、関節の運動」などで必要性を訴えること。

次に体がヒアルロン酸とコラーゲンをつくる原料が必要。その原料は何か?かんたんにいうとアミノ酸などだから、肉と糖。

肉と糖がないと、膝と腰を守るための長い鎖がつくれない。



年をとるとアホになるのか?脳細胞は減るのか?

結論はアホにならない。「脳細胞は20歳をピークに1日20万個減っていく」といわれているが母数が大きい。人間の脳細胞はだいたい1200億個。

20歳:1200億個
80歳:1156億個

80歳でわずか3.7%しか減らない。

脳の力は脳細胞だけでなくネットワークする神経の数と関係する。脳細胞の数より神経ネットワークが多いほど、頭の回転が速く、脳の力が発揮される。

また、経験による判断力とかのソフトは、年齢とともに進化するので賢くなる人もいる。

アホにならない詳細な方法は本書にゆずるが、かんたんにいうと、動物性の脂肪をたくさんとって、俺は脳を使うぞというシグナルをたくさん送ることが重要。こたつに入ってテレビを見るだけの生活だと、確実にアホになる。頭は使わないとダメになる。

年齢と血圧の目安は?

心臓に任せる自然体の血圧は「年齢+90」

たとえば60歳の人は150が妥当。医師は降圧剤を飲んで130にしなさいという。日本は低血圧社会。

血液には体を修復するコレステロールや免疫がある。低血圧になると血液が全身を巡らない。年齢+90じゃないと、がんや肺炎のリスクは増す。元気もなくなる。でもできるだけ血管が破裂しないことを選択する人生。そういう人は降圧剤を飲んで、安全に、でも疲れやすく、1日ぼーっとして生き続け、がんでこの世を去る。

これは人生観の問題。ピンピンコロリ人生を選ぶ人は、血圧は年齢+90のほうがいい。

ちなみに「減塩食はヘルシー、血圧を低く保つことができる」はウソ。1990年ごろから多くの研究が行われ、日本人は10人に2人は食塩をとると血圧が上がる人がいるけど、大半の日本人は食塩で血圧は変わらない、という結論が出ている。

免疫力を上げる方法

現代の都会的な生活をしてると免疫系が衰えてしまう。過度の心配やストレスも免疫系が落ちる。著者が行ってる免疫力を高める方法。

「熱い風呂に入る。日光浴。運動する」

日光浴は1日15分でいいと専門家はいう。運動は好きなだけやればいい。3時間以上立ってることも運動になる。足に負荷をかけることが非常に大切。

食事はバランス。やや日本食を意識して好きなものを食べる。食べ物の種類は多い方がいい。

人間は真実を真実と思わず、納得できることを真実だと思う

ダーウィンは「人間が真実を受け入れるには勇気が必要だ」と語っている。

人間が真実だと思うには以下が必要。

・納得できること
・自分の害にならないこと
・自分の自尊心を傷つけないこと
・信じても損にならないこと

これらがあるので、自分と競争してる人、異文化の人、年齢が大きく異なる人、異性、を理解するのはとても難しい。多くの人は自分が正しいと思ってるからそうなる。

他人は自分とは違うということを、何回も何回も頭に叩き込まないと、集団の中での仕事はうまくいかない。

それでも50歳までの「第1の人生」には「卒業、結婚、子ども、出世、お金」という目標がある。それなりにストレスはあるががんばれる。

ところが50歳以降の「第2の人生」は、そういう生物的目標はないから、自分自身で人生の目標と生活の仕方を考えていかねばならない。宗教も哲学も文学も、まだ第2の人生の生き方については考えていない。

献身的に生きたい♪

貧しい人に 女性に♪

前線に立つ兵士に 子どもたちに♪

この歌を捧げたい♪

シンリジイで、デディケイション(献身)♪
フィルの死後、メンバーが完成させて91年のベスト版に入れた未発表曲。ちなみにフィルは86年36歳でこの世を去る。オーバードーズ。

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『人生後半の生き方、50歳以降の目標はどうするべきか?|「老人のウソ/武田邦彦」より』へのコメント

  1. 名前:raccoon 投稿日:2018/10/21(日) 21:10:39 ID:af60fa0b3

    こんばんは。
    50歳過ぎると、「定年後」とか そういった類の本に目が行きますね。 何冊か買いましたけど。 私もそんなものか、と思いましたよ。
    献身。 今まで、お世話になってばかりだったので、少しずつ返していかないとね。 

  2. 名前:don 投稿日:2018/10/22(月) 12:30:40 ID:fd36f395e

    raccoonさん、こんにちは~
    >何冊か買いましたけど。 私もそんなものか、と思いましたよ。
    やっぱそうですよね。ためになる情報って、少ないです。

    献身できたらいいですが、ラクなほうばかり流れちゃうんで(笑)。