「食べたものが、あなたです」との一冊。
いろんな食べ物があるけど、一番効率よくたくさんの栄養がとれるのは卵。卵はコレステロールの観点から悪者にされてきたけど、あれはウソ。健康にいいからドンドン食べましょうとの事です。
ここ数年コレステロール230以上が要観察というのは、なんかおかしい。あの基準は間違いちゃうか?という流れになってましたが、とうとう前回の健康診断ぐらいから、総コレステロールの数値が表示されなくなりました。悪玉コレステロールの数値が、健康かどうかの判断基準になっています。
これまでけっこう保健婦さんとやりあいました(要観察の人が面談対象者)。ぼくも本をたくさん読んでるので、カロリーの事とか、コレステロールの事とか、保健婦さんと同じぐらい知識があったりする。
去年だったかおととしだったか、「コレステロールは3分の2以上は体内でつくられるので、食事制限しても関係ないんじゃないですか?」「卵はたくさん食べても問題ないのでは?」
という難しい質問を保健婦さんにしました。
保健婦さんの答えは、「食べたコレステロール量に比例して、体内コレステロール値は上がる。だから卵は1日1個まで」という答えが返ってきました。
卵は大好きで、1日1個となると、居酒屋でおでん食べるとき、卵をがまんしないといけない。それはつらいし・・・という思いもあった。
この本読んでわかりましたが、保健婦さん間違ってます。卵は何個食べてもいいし、どうも体内でつくられるコレステロールが、摂取量に比例するというのも怪しい。比例に関してはよくわからないので、どなたか知ってる方がいらっしゃれば教えて欲しいです。
これまで1日1時間歩いても、自発的にカロリー制限して体重減らしても、いっこうに減らなかった総コレステロール。10年ぐらい250近辺に張り付いたままでしたが、なんだ、この本によると250が一番理想的で健康という事のようです(250前後の人が一番長寿で、ガンにもなりにくい)。
そういえば僕も、おかげさまで風邪もほとんどひかず、ずっと健康です。ある意味本書を読んで、溜飲が下がりました。
以下に読書メモを。
目次
卵はすべての栄養を含むスーパーフード
繊維質とビタミンC以外のほとんど全ての栄養素をバランスよく含む。完全栄養食品。現代人はほぼ100%タンパク質不足になっていて、タンパク質のメイン食材として、卵は最適。
体内の構成要素
水分を除くと、タンパク質43%、脂質45%、糖質1%。糖質の摂取を控えてタンパクリッチにすべき。
動物性と植物性とバランスよくとるべき。たとえば冷奴にはかつお節とか。1日2個の卵で、必要なたんぱく質の26%が摂取できる。動物性タンパク質では卵が一番身体に良い。
物忘れ予防には卵を
卵に豊富に含まれるレシチン。レシチンは神経伝達物質の原料となり脳機能を活性化する。レシチンが不足すると記憶障害が起こる。またレシチンは善玉コレステロールの成分であり、脂肪肝を予防する。
コレステロールの上限引き上げ
2014年4月から健康診断のコレステロール正常値が大幅に引き上げられた。コレステロールが悪者にされた間違った根拠は、1913年のロシアでの実験。うさぎに大量のコレステロールを投与したら動脈硬化が起こった。うさぎは草食動物なので、この実験にふさわしくない。人間はうさぎと違う消化機能をもっている。
食べ物で摂取するコレステロールは血中の総コレステロールの3分の1しかない。3分の2は体内の物質から肝臓で再合成される。
仮にコレステロールが高くても、動脈硬化を起こすのはLDLが酸化した場合で、それはビタミンA,C,EやCOQ10などの摂取で防御できる。
卵を食べるとコレステロール値が上がる、はウソ
今でも病院の栄養指導では卵は1日1個と言われている。100年前のロシアのうさぎ実験が、今でも卵を悪者にしている。
卵を食べても酸化コレステロールは極端に上がらないし、動脈硬化につながらない。最近では、動脈硬化の合併症リスクが一番ある糖尿病患者に対して、1日2個の卵を食べさせた結果、善玉コレステロールが改善したという臨床報告がある。動脈硬化指数が下がるため、逆に卵が合併症や動脈硬化の予防につながる。
コレステロールを下げる薬は控えるべき
薬を飲むと、体内のコレステロール合成が加減されると同時に、COQ10もつくられなくなる。COQ10は心筋のエネルギー源なので、その結果心筋梗塞を起こす引き金になる。
またコレステロールは脳細胞の2~30%をつくっているので、コレステロールを下げると脳の回転も悪くなり、気力も減退する。コレステロールを下げる薬を飲んでる人の自殺率は高い。
薬の服用を選択する前に、本当に動脈硬化があるのか、正しい検査をするべき。頸動脈エコーや心エコー、甲状腺の検査など。
エコー検査でなんともなければ、抗酸化ビタミンA,E,CやEPAを含む青魚を食べる、等の個別対応でよい。
コレステロール値が低い人は寿命が短い
男女とも総コレステロールの値が240~260/dlが、もっとも死亡率が低い。ガンによる死亡率は、総コレステロール値が160未満でもっとも多く、240以上がもっとも少ない。
またコレステロールがもっとも多い場所は脳で、体内の4分の1が脳に集中している。コレステロール値が高い人は頭の回転が良いと言われている。
コラーゲンは自分の体内でつくるべき
サプリでとってもコラーゲンとして体内に吸収されない。コラーゲンリッチになるためには、コラーゲンの成分である動物性タンパク質をとるべき。動物性タンパク質は、卵や肉、魚などに含まれる。むき卵のようなお肌には、文字通り、卵を食べることが一番効率的。
睡眠障害にも卵が良い
タンパク質が足りず、糖質過多の人に睡眠障害が多い。ストレスがあって眠れない、という場合は、特にタンパク質やビタミンB群の消耗が激しい。タンパク質とビタミンBが豊富な豚肉や牛肉と卵の組み合わせが、安眠には最適。
生卵は日本のメリット
完全栄養食品の卵の栄養をロスなくとれるのが生卵。熱を加えると壊れる栄養素がある。生卵を食べるのは、日本とロッキーだけと言われる。
日本で売ってる卵は、外国と違い極めて衛生状態がいいので生で食べれる。
海外では、卵の殻や白身にサルモネラ菌が繁殖し、食中毒を起こす可能性がある。海外のホテルでゆで卵のゆで時間を聞かれるのは、自己責任で食べてくれという意味。
日本人は1日3個の卵を食べる必要がある
体重が50kgの人は1日に必要なタンパク質は50g。もし昼と夜で肉と魚を100gずつとったとしても、タンパク質は20gしかとれない。著者が20年間見てきたデータからは、日本人のほとんどが1日20~30gのタンパク質が足りないということ。
その不足分のタンパク質をとるのは卵が最適。卵1個で7gのタンパク質がとれる。3個なら21gのタンパク質がとれるので不足分を補うことができる。
日本人は欧米人のように、300gとかの肉を食べない。不足分は卵で補うのがコストの面から考えても一番良い。
マヨネーズはカロリーを気にせず食べてOK
マヨネーズも不当に悪者にされている。カロリーハーフやコレステロールオフのマヨネーズのほうがかえって体に悪い。原材料以外に、添加物が増えるから。
カロリーを半減させると、ねばりを出すために水あめや粘着剤がプラスされる。カロリーを減らしても、添加物や血糖値を上げるマヨネーズをとるほうが、身体に悪い。
そもそもマヨネーズが悪者になっているのは、カロリー信仰、コレステロール悪説から。マヨネーズは卵を使っているので、むしろ調味料としては優先的に使うべき。
著者は自家製レシピに近い、キューピーマヨネーズを常備していると。