【花粉症は1週間で治る】要約と書評~特効薬はビタミンD3 

この本当り!
花粉症だけでなく、何を食べてどんな生活すれば健康になるか、必要な情報がぎっしりつまってます。ぜひ読んでください。

著者のクリニックでは、治療を始めて1週間で花粉症の症状がなくなるそうです。その方法が本書に書かれています。

一般的な花粉症の治療は、症状を抑える対症療法が主流。花粉症の季節は、医療機関には1日300人の患者が来る。その患者1人1人に、丁寧な食事治療をするのは物理的に不可能。なので薬を出して終わり。これでは根本治療にならない。患者も「どうせ治らない」とあきらめてる。薬で花粉症を完治することはできない。

著者がすすめるのは「オーソモレキュラー療法」。体を構成している「分子」が異常を起こすために、花粉症などの病気がおこるととらえ、分子にたっぷり栄養を与えて、本来の機能を取り戻させることで自然治癒させる。

いまの自分の体は、これまでに食べてきたものからできている。花粉症の症状が出るということは、そういう体になるものを食べてきたということ。ならば食べ物を変えれば体も変わる。
しかも花粉だけでなく、ほかのアレルゲンや病原菌にも強い体になる。



花粉症に対するオーソモレキュラーの基本はたった7つ。
・たんぱく質をとる(ただし乳製品は控える)
・質の良い脂質をとる
・糖質は控える
・ビタミンDを摂取する
・腸内環境を整える
・女性は鉄、男性は亜鉛をとる
・摂取量のポイントは、体にとって理想的な量であること

いますぐ、すべてでなくていい。たとえば、会社帰りにドラッグストアによって、ビタミンDのサプリを吟味して買い、飲むことなら気軽に始められる。肉を意識して食べて、主食や甘いものを控えれば、さらに症状は改善する。体質が改善すれば、抗アレルギー剤や、ステロイドの点鼻薬や点眼薬ともお別れです。

以下に読書メモを。今回は情報量が多いし、「この場合はこうすべき」と場合分けが多いので、本書を読むことを強くおすすめします。

オーソモレキュラーの要「たんぱく質」はすごい

体は細胞の集合体。細胞はたんぱく質が主な構成成分。脳やその他の臓器の機能を高めるには、組織や臓器を構成してる、たんぱく質の入れ替えを速くすることがポイント。

そのためたんぱく質を食事からしっかり摂取してどんどん補給して、ビタミンやミネラルの働きによって吸収されたたんぱく質の、代謝回転をよくすることが大事。

たんぱく質は生体防御には非常に重要な存在。白血球もたんぱく質が必要だし、細胞のエネルギーになる酵素を運搬するヘモグロビンも、たんぱく質からできている。

なお運動不足の人や、腸の弱い人はたんぱく質が不足しやすい。たんぱく質の必要量は運動量に対してU字曲線を描く。中程度の運動(1日200~400キロカロリ)の人が、もっともたんぱく質のロスが少ない。

食べたたんぱく質を腸でどれだけ吸収できるか。腸の状態がよく、300gのステーキを昼に食べても夕飯で腹が減って美味しく食べれる人は、腸の状態がよい。そうでない人は、肉を小分けにするとか、魚でたんぱく質を取るとか、サプリメントで補うとか、工夫が必要。

たんぱく質摂取で注意すること

同じものを連日食べない。連日食べるとIgc型の免疫グロブリンが作られる。隠れアレルギーといわれる遅延型アレルギーを形成することがある。

たんぱく質を多く含む食材は肉や魚、豆類、乳製品、卵。乳製品は要注意。ヨーグルトが花粉症に効くのはあくまで「乳酸菌」の働き。乳たんぱくは免疫の要である腸内環境を悪化させる恐れがある。だからアレルギー体質の人には好ましくない。

乳酸菌の効果を求めるなら、漬物やサプリで補うことをすすめる。花粉症の人は、牛乳、チーズ、ヨーグルトをカットするだけで、ずいぶんと症状は改善される。

動物性と植物性では動物性たんぱく質をすすめる。動物性たんぱく質のほうが人間のたんぱく質に形が近いので、体内で扱いやすい。人の体に必要なアミノ酸は動物性たんぱく質のほうが多いので、効率がいい。

たんぱく質の必要量は「体重1キロで1g」。体重60キロの人は60g必要。牛肉100gにはたんぱく質が20g含まれる。たんぱく質を60gとるには300gの牛肉を食べる必要がある。しかもオーソモレキュラーでは足りない(1.5gほど必要か)。

たんぱく質は2g摂取が上限とされているが、科学的根拠はない。たんぱく質を食べ過ぎて健康を損なったという報告は見当たらない。むしろたんぱく質の量が不足してるから、さまざまな細胞の機能が低下して花粉症に弱い体質になる。花粉症の人は遠慮なくたんぱく質を食べるべき。

腸内環境を整える方法

腸内環境の良し悪しは、腸内細菌のバランス。約100兆個の細菌が住み着いてる。重さで約1.5キロ。便の半分は腸内細菌の死骸。善玉、悪玉、日和見の3つに大別される。

理想は善玉菌2・悪玉菌1・日和見菌7の割合。腸内環境が乱れて悪玉菌が増えると、免疫力が下がって花粉症を発生しやすくなる。また肌あれしたり、疲れやすく、風邪をひいたり、がんを発症したりする。

環境をよくするポイントは日和見菌。日和見菌は勢力の強いほうに味方をする。したがって善玉菌を増やすことが効率よく重要。善玉菌を増やすには、エサとなる食物繊維をとる。野菜やキノコ、海藻など食物繊維の豊富なものを食べる。ただし穀類や芋類など糖質の多いものは避ける。

くりかえすが、ヨーグルトには乳たんぱくによる害がある。ヨーグルトがいいのではなく、含まれている乳酸菌やビフィズス菌(プロバイオティクス)がいい。プロバイオティクスをとるならサプリをすすめる。

乳酸菌を供給して、善玉菌を増やすことができるのが漬物。葉物野菜の発酵食品である漬物は、腸内環境を整え免疫を高める効果が期待できる。

花粉症を撃退する最強の武器はビタミンD

特効薬はビタミンD。1週間で花粉症を撃退する最強の武器。様々な研究でわかってきたことは、全身の細胞に働きかけるホルモンのような働きがあること。免疫に関して重要な役割を担う。まるで特効薬のようにアレルギー症状を鎮める作用がある。日本でこれほど多くの人が花粉症に悩むのは、ビタミンD不足にあると著者は考える。

ビタミンDは食材からの供給とともに実は、皮膚に紫外線があたることで体内合成される。ビタミンDの血中濃度は季節で変動する。紫外線の強い8月は高く2月は下がる。

美白ブームで紫外線を極端に避けるためビタミンD不足になっている。欧米では以前からビタミンDが不足しやすいことが認識されており、とくに北欧では日光浴をしたり、サプリメントで補っている。

なぜ風邪は冬に多いのか?

これまで寒さや乾燥によって免疫が低下し、そうした環境がウイルスを増殖するのが原因と考えられていた。

最近の研究でわかったこと。ビタミンDは細胞核に直接作用する。細胞核には遺伝子がある。
遺伝子にはどんなたんぱく質からどんな細胞をつくり、どんな組織を作るかという情報が格納されている。ビタミンDが細胞核に作用するということは、ビタミンDが遺伝子情報のなかの特定のたんぱく質をつくりなさいと指令を出しているということ。

ビタミンDが指令を出してつくらせているのは抗菌ペプチド。抗菌ペプチドは細菌やウイルスを攻撃して殺す作用がある。冬になって日照時間が短くなると体内のビタミンDの濃度が減り、抗菌ペプチドの量が減り、免疫力が弱まり、風邪をひきやすくなる。

アメリカの実験。アメリカ人女性208人のうち、半数に毎日800IU(国際単位)のビタミンDを経口投与。残り半数にプラシーボを与えたところ、プラシーボを飲んだ人には変化がなかったが、ビタミンDを投与した人たちはインフルエンザを含めた風邪の諸症状が3分の1になった。興味深いことに、季節性の変動もなくなった。

約2年にわたる実験の後半では、ビタミンD摂取量を1日2000IUまであげた。そうすると風邪やインフルエンザにかかる人は完全にいなくなった。

またアトピー性皮膚炎の症状が冬場に悪化するのもビタミンDが関与する。これまで「冬になって皮膚が乾燥すると悪化してかゆくなるので保湿が大事」といわれてきた。じつはまったく違った理由だった。単にビタミンDの不足。



ビタミンDはサプリで賢く補う

獲得ルートは2つある。食べ物からの摂取。日光を浴びて紫外線によって皮膚で作る方法。メインとなっているのは後者のほう。不足を起こさないようしっかりと太陽を浴びる。

紫外線による皮膚がんのリスクは、オーストラリアやニュージーランドにに比べると、日本の皮膚がんの罹患率は100分の1。白人に比べると日本人は紫外線から受けるダメージは少ない。

もう1つの獲得ルートである食べ物。こちらはもともと補助的な方法で、ふつうの食事では必要量をまかなえない。含まれている食べ物は、サケやイクラ、スジコ、ウナギ、サンマ、イワシ、シシャモなど。太陽の日差しをたっぷり浴びた干しシイタケ、キクラゲなど。

どんなにがんばっても食事から必要量をすべてまかなうのは厳しい。まして美白のため紫外線にあたりたくないとなると、ビタミンDを確保するのは難しい。そこで重要になるのはサプリによる補給。欧米諸国ではサプリによる補給が推奨されている。

日本の摂取基準値は低い。厚労省によるビタミンDの1日の摂取量の目安が年齢性別を問わず5.5μg。国際単位で220IU。現在のところ安全で、効果をきちんと得られるのは1日2000IUといわれる。

⇒ちょっとググりました。まず日光浴でどれだけ得られるのか?

『国立環境研究所と東京家政大学の研究チームは、このほど健康な生活を送るのに必要不可欠な成人の1日のビタミンD摂取量の指標とされる、5.5 μgすべてを体内で生成するとした場合に必要な日光浴の時間を、日本の3地点である札幌、つくば、那覇について、季節や時刻を考慮した数値計算を用いて求めました。

その結果、両手・顔を晴天日の太陽光に露出したと仮定した場合、紫外線の弱い冬の12月の正午では、那覇で8分、つくばでは22分の日光浴で必要量のビタミンDを生成することができるものの、緯度の高い札幌では、つくばの3倍以上の76分日光浴をしないと、必要量のビタミンDを生成しないことが判りました。

紫外線を浴びすぎるとシミやしわ、皮膚がんの原因となることから、最近極度に紫外線を忌諱する風潮も一部で見受けられますが、冬季の北日本などでは食物からのビタミンD摂取に加え、積極的な日光浴が推奨されることが今回の研究で明らかとなりました』

冬場で1日20分ぐらいで、必要量2000IUの10分の1しか得られない。仮に時間に比例するとして、200分も外にいる人は少ないと思う。

食べ物100gあたりの含油量は以下のサイトに出てます。
http://www.eiyoukeisan.com/calorie/nut_list/vitamin_d.html
1日2000IUといえば、55μg。いわしの丸干し100gかあ。魚類そんなに毎日食べれんもんねえ。。

ビタミンDのサプリは天然に近いものを選ぶ

サプリでビタミンDを補うときは天然に近いものを選ぶ。免疫の調節など、さまざまなビタミンD3の機能は、活性をもたない25(OH)ビタミンD3として全身の組織に運ばれ、その部位の細胞によって取り込まれ活性型へ変換される。

病院の骨粗しょう症の治療薬のビタミンD3剤は活性型。しかしオーソモレキュラーでサプリを使う時の基本は、活性型になる1つ前の段階を補う。プレカーサ―または前駆物質という。より天然に近い状態。ビタミンDでいえば、肝臓で代謝され血中に貯蔵される25(OH)ビタミンD3の状態。

したがってサプリメントで購入する場合は、成分表示を見て25(OH)ビタミンD3であることを確認する。もし記載のない場合は、含有量の単位がIUであればプレカーサ―と考えていい。

まずは1日2000IUを目安に摂取する。早い人なら1日で効果を感じる。もともと体内濃度が低い人は効果があらわれるのに数日かかる。手ごたえが薄いようならもう少し摂取量を増やしてもいい。その程度なら過剰症の心配はまずない。もし頭痛などの変調を感じる場合は減らす。

なお国産は含有量が低いので、外国産を手に入れる人もいる。海外のものは含有量が高いが、原材料に羊の毛をつかってることがよくある。羊毛からは安く作れるのがメリット。基本的には天然の形態で変わりはない。

しかしオーソモレキュラーでは、本来人は何の食べ物からその栄養素をとったかを重要視する。タラの肝臓の油には、ビタミンD以外にも体にいい脂がたくさん入っている。したがってビタミンDなら、タラの肝油などを原料に作られたものを手に入れることをすすめる。

いちおうビタミンD3で、IU表示で国産。

肉の脂身は血液をドロドロにするのか?

肉の脂身やラードは固まりやすい。血液をドロドロにしたりコレステロールを上げ、体に悪いといわれてきた。まったくの濡れ衣。

食事でとった脂はそのまま血液に入ったりしない。脂肪は体内に入ると消化管で分解され、たんぱく質に包まれて血管の中に入る。

糖質は悪玉菌のエサになる

糖質を中心とした食事や間食をしていると、腸内で悪玉菌が優位となり、腸内環境が悪化する。花粉症の改善には腸内環境を整えることが大切なので避ける。糖質制限食で腸内環境が整い、花粉症をはじめとする、多くのアレルギー疾患が改善するのはこのため。

糖質制限食で便通が悪くなり、お腹が張ることがある。それは糖質制限によって増えたたんぱく質を、十分に消化吸収できてないというサイン。決して糖質制限が腸内環境を悪化させたという事ではない。

男性は亜鉛、女性は鉄をとる

亜鉛は免疫を直接高める作用と、粘膜の働きを高めてウイルスの侵入を抑制する作用がある。また白血球を増殖する作用もある。体内の炎症も抑える。抗酸化物質の材料でもある。男性が亜鉛不足になるのは、精子の生成に必要なため。カキ、赤身の肉、レバーを積極的に食べる。

鉄も粘膜を丈夫にする。また活性酸素を消去する。鉄不足になると、さまざまな免疫システムがダウンして花粉症などのアレルギー疾患をおこし、インフルエンザにもかかりやすくなる。
女性は月経で鉄不足になる。そのため冷え性、ひどいときは貧血になる。鉄不足から全身の細胞が酸欠状態になり、めまいや頭痛、疲労や倦怠感、食欲不振になる。動物由来のヘム鉄のほうが、ほうれん草などの非ヘム鉄より吸収率がはるかに高い。鉄分補給は、肉や魚介など動物性食材のほうが効率がいい。

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