【ラクして速いが一番すごい】書評と要約

『個人の作業スピードをどれだけ上げても、生産性は上がりません。自分の作業時間よりも、上司、関係部署、取引先といった他者とのやりとりの中で生産性は決まります』

まさにそのとおりですよね。決済がなかなか下りなかったり、他部署や取引先に時間どろぼうがいたら、仕事が止まってしまう。

『ラクとは力の入れ所と抜き所を押さえ、ムダな仕事を減らすこと。速くとは1秒でも早く仕事を終わらせること』

なるほど。

著者は有名どころの外資系コンサルを複数社渡り歩き、コンサルした会社は24年間で600社以上とのこと。グローバル展開、M&A、人事制度改革、人材開発が専門。

本書は結果につながらないムダな努力を5パターンに分類し、その対処法を提示してます。

(1)一生懸命がんばるけども、やり直しが多い ⇒ 一発で決める

(2)すべてに全力投球で、疲れ果てる ⇒ スパっと割り切る

(3)責任感を持ちすぎて、仕事を抱えすぎる ⇒ 抱え込まない

(4)根回しに努力と時間をかけすぎ、疲弊する ⇒ 組織の壁を利用する

(5)上司の指示通りにやるが、結果が伴わない ⇒ 自分でできるようになる

そして対処法がそれぞれ章立てになって、事例というか解決法が10個以上のってる。たとえば1章はこんなかんじ。

以下に読書メモを3つ。



報連相ではなく’’ソラ・アメ・カサ’’で確認する

報連相して上司の指示通り動く。なのに契約を失注する、結果が出ない。
部下「ライバル会社が、安い見積もりを得意先に出しました」
上司「よし、うちも値引きしよう。再見積もりして」
顧客「今までぼったくってたのか」
得意先から信頼を失い、注文がこなくなる。

こんなときは報連相ではなく、ソラ・アメ・カサを使う。
事実を伝えるとき(ソラ)、どうなりそうか?(アメ)、どんな打ち手や行動をすればいいか(カサ)の3つをセットにして伝える。すると認識のズレを上司に正しく判断してもらえる。

<ケース1>
ソラ:お客様が来ない

アメ(課題や原因追及型):お客様にこの店のことが知られてない

カサ:広告を打つ

⇒場当たり的な打ち手。検証もしにくい

<ケース2>
ソラ:お客様が来ない

アメ(未来想定型):来月には潰れそうだ

カサ:現状分析して銀行に融資の相談をしよう

⇒洞察した未来に対して、打ち手が具体的になる。

日本人は改善思考が強いので、アメを考えるとつい課題や原因を探ってしまうことが多い。課題や原因の洞察が正しくても、その結果どうなるかという未来予測が異なると、打ち手も異なる。原因探しを回避して未来を洞察するのは簡単。「どうなりそうか?」という問いに答えること。この問いに答えると、自然と頭が切り替わる。

人事コンサルタントのインタビュー技法

仕事の勝利の方程式を知るにはどうすればいいか?その仕事をうまくやってる人にコツを聞けばいい。うまくやってる人に教えてもらえばいい。

「この仕事をうまくやるにはどうすればいいのですか?コツを教えてください」
30点の質問方法。勝利の方程式は本人が無意識でやっていて気づいてないケースが多い。なので次のように聞くべし。

「普通の人と一番違うポイントは何でしょうか?」

外資系人事コンサルが、リーダー候補者の思考や行動特性を探るときのインタビュー技法の1つ。意識や行動の違いはアンケートでは見つけにくい。



どんなにイヤな仕事でも、まず「わかりました」と言う

「これやってくれないか、急ぎで」
余裕があればいいが、忙しいときに限って仕事の依頼が重なる。できないときに断らなくていい。相手は自分の仕事を期待通りに誰かがやってくれれば満足する。「どうすれば依頼主の仕事が進むか」を伝えればいい。

①断る場合でもまず「わかりました」という。
人は存在を認めてくれないことを一番嫌う。いきなりNOをいうのをやめる。ひと呼吸おいて「わかりました」と最初にいう。「わかりました。締め切りはいつですか?」と受ける前提で納期を聞く。YES/BUT法。

②いつならできるかを言う。
「今の仕事の次に着手すれば、午後4時には仕上がりますが、間に合いますか?」

③予定を確認したうえで、いつまでに返事するかをいう。
確認事項がある場合、相手はいつまでに返事が来るか不安。「〇時までに返事します」といえば相手は安心する。

④他の人を紹介する。
上司の場合は無理だが、他部署からの依頼であれば、納期までにできればいいので、あなたの代わりの人を紹介することも有効。この場合相手が「たらいまわしにされた」というネガティブな印象を持つ。「私からも彼にメールしときます」などつなぎのひと手間があると、相手の心証がよくなる。

⑤優先度を確認する。
上司からの仕事が一番やっかい。ほかの人を紹介できない。優先度と分担を逆提案する。「この仕事を優先します。Aの資料を明日の15時にレビューしていただく約束でしたが、最終納期は明後日です。定時までに仕上げますので、明日の朝一でフィードバックしていただけないでしょうか?」こういう提示をすれば上司もそれでいいか、逆に他の人に依頼すべきかの判断ができる。

すべての仕事を抱え込むのは、最終的に依頼主に迷惑をかける。あえてNOを言うほうが親切な時もある。

雨が降ったら♪
みんな頭を隠して走っていく♪
ぼくは雨なんて気にしない♪
雨をどう感じるか 気持ち次第でしょ♪

ビートルズでレイン♪

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『【ラクして速いが一番すごい】書評と要約』へのコメント

  1. 名前:みかん 投稿日:2018/06/23(土) 07:21:55 ID:81b70b7fd

    donさん、おはようございます(^-^)

    時間泥棒、いますね~(笑)。
    同じようにお願いしても、事務の遅い
    ところはいつも決まって遅い・・・

    ようやくお仕事が3ヶ月経ち、
    ある程度予測しながら、
    自分なりに出来るようになってきました。

    村上春樹の「ラオスに何が~」の
    文庫本が出てたので、買って読んでます☆

  2. 名前:don 投稿日:2018/06/23(土) 10:08:05 ID:b58dca0b7

    みかんさん、おはようございます~
    3カ月ですか。すこし落ち着いた頃でしょうか。
    東京のOLさんは、通勤だけで疲れ切ってしまいそうです。
    たまに出張行くと、疲れます^^;

    ラオスに書かれてた、ヴィレッジバンガードのロレイン・ゴードン。
    6月9日に95歳で亡くなりました。音楽系のニュースサイトに書かれてました。
    ああ、あの村上春樹が書いてた人や、と少し前に記事を読み返してました。
    http://donhenley.blog.so-net.ne.jp/2016-03-12