投資銀行は、AIやら統計学を使って何をしてるのか?
このイメージがよくわかってなかったんですよ。金融関係の本を読んでると以下のようなことが4~5年前から書かれてます。
『大銀行も新規採用を控えている。採用しても仕事に慣れるころには、多くの仕事場がなくなるからである。 銀行員は現在全国で25万人ほどであるが、おそらく今後は5000人前後となる。近い将来、AIの活用で、トレーダーですら要らなくなるといわれている。問題はリスクをどこまで計算に入れるかなどの判別である。これは人間でないと難しい。その判断を行う人間は、5000人もいれば十分である。日本全国の銀行すべてで5000人である。余った人間はサービス産業など、新たな市場へと転換しなければならない』 by長谷川慶太郎
『ハイフリクエンシートレーディング。ロボットトレーディングのこと。ハイフリは今や100万分の1秒で取引を繰り返す。ロボットトレーディングはマーケットを侵食している。為替市場は1日に600兆円が取引される世界だが、そのうち60%がハイフリ。ハイフリは取引回数という数によって、相場につきものの時間のリスクを殺す。ハイフリを使える立場のトレーダーはごく一部で、ヘッジファンドのインド人が多い。彼らはコロケーションといって、取引所の中の特別の場所にコンピュータを置いて、外部の目に触れることはない。HFTを動かす側からすると、上昇でも下落でも方向性はどちらでもいい。とにかく価格が変動することが儲けにつながる。HFTの連中は、自分で相場を動かしにかかってる。ゆくゆくは市場が破壊される』 by副島隆彦
日経ビジネスを購読してるんですが、今の連載小説「EXIT」が異様に面白いです。過去5年の連載小説はまったく読まなかったのですが、これだけは読んでます。2月24日号を読んでると、大手投資銀行でAIをどう使ってるか具体事例が描写されてました。
・AIのプロを雇う(ヘッドホンを首から下げたIT系の若者)。
・大手投資銀行(ゴールドマンとか)は、人工衛星の回線を20個ほど押さえてる。
・宇宙から特定の場所をモニターする専用回線。
・青年がキーボードを叩くと、リアルタイム映像が見れる。
・そのために莫大なコストを払っている。
・例えば流通業の旗艦店舗をモニターする。
・駐車場につながる道路を映すと。
・ファインダーの中で焦点が合った部分にかかる緑色の枠が次々と動く。
・モールに入る客の車の台数をチェックする。
・モールの利用客数を毎日数える。
・モールの利用客数がわかれば、モールのおおよその売上高が把握できる。
・会社側が四半期決算を発表する前に、大まかな数字が把握できる。
・大まかではなく、かなり正確に調べられる。
・ヘッドホンの青年がマウスを動かす。
・モニターの画面が2分割される。
・左側は車両がチェックされ、右側は表計算ソフト。
・衛星を使って車両を数えるのは他社も導入してる。
・その先を行くには車種を特定するAI。
・例えばプリウス。想定世帯年収400万円以下。
・400万円以下世帯の代表的な購買動向のサンプルを掛け合わせる。
・統計学を駆使すれば、かなり正確な売上が予測できる。
・会社発表に先んじて株式を売買すればインサイダー規制にも抵触しない。
昔から情報を先に得たものが世の中を牛耳る、ということなんでしょうけど。やってることが覗きというのは…。
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