【お酒を飲んで、がんになる人、ならない人】要約まとめ

1週間でビールロング缶14本以上飲んでる人、減らした方がいいです(女性は半分の7本)。がんになりやすい(のど、食道、大腸、乳がんなど。肝臓はウイルス性が主因)。

日本のアルコール依存治療の最前線、国立久里浜医療センター臨床研究部長の著作。サントリーと共同研究も行っている。サントリーは悪い結果でもいいと、経営陣が言ってるそうです。

酒飲み、たばこ吸ってる人は読むべきです。すぐにでも読んで、リスクを知ったうえで対策たててください。すごくいい本です。

「ためしてガッテン」で著者が話したのでご存知の方も多いと思いますが、結論部分、どんな人が酒飲んでがんになるか?医学なのでちょっとむずかしいかも。



『一般男性の場合、赤くなるALDH2(ヘテロ欠損型)と、遅い代謝のADH1Bを、両方持ってる人の食道がんリスクは、いずれもない人に比べて30.12倍のリスクになる。

そして1日日本酒換算で1.5合未満の飲酒者を1としたときに、1日3合以上飲んでる人は13.74倍のリスクになるということ。

さらには赤くなるALDH2(ヘテロ欠損型)と遅い代謝のADH1Bを持ってる人が、1日3合以上飲んでいると、リスクは掛け算されるので、414倍にもなってしまう』

①酒飲んで赤くなる人(ALDH2)
アセトアルデヒドを代謝する酵素活性の欠損。日本人の半数弱、42%がこれに当てはまる(飲めない&弱い)。最初はビール1杯で赤くなってた人が、慣れで赤くならなくなる。ヘテロの人でたくさん飲む人はけっこういて、1日3合以上飲む人も10%いる。

お酒を飲んで、がんになる人、ならない人

②遅い代謝の人(ADH1B)
アルコールを代謝するアルコール脱水素酵素1B。これのアミノ酸の1か所がアルギニンだと、遅い代謝の人になる。遅い代謝の人は、たくさん飲めば酒が残って翌日酒臭くなる。遅い代謝のADH1Bを持った人は、日本人ではわずか5~7%。しかしアルコール依存症の人は、30%前後がこの遺伝子を持っている。

赤くなる人と遅い代謝の組み合わせの人は、アセトアルデヒドもアルコールも、長時間高濃度でたまります。こういう人たちが飲酒&喫煙をすると、危険因子を持ってない人より食道がんのリスクが高くなる。この遺伝子の組み合わせは、人口の3%くらい。

上記の遺伝子検査を行っている機関は以下。(株)NSD、合同会社武庫川ライフサイエンス研究所、北海道システムサイエンス(株)、イービーエス(株)、頬の粘膜を綿棒でこするなどして採取。薬局で受け付けてるところもある。

これら2つの遺伝子の要因を、マトリクスにまとめた表が以下です。国立久里浜センターでは、アルコール依存の人にこの表を渡して説明するそうです。

お酒を飲んで、がんになる人、ならない人

以下にその他の読書メモを。



食道がんは、のどのシミをチェックしよう

赤血球の大きさと同じように、がんのリスクを見分ける単純な方法。写真の右側のように黒ずんだシミがついてる人は、内視鏡でみると咽頭の奥にもシミがついているし、食道にもシミがついている。

お酒を飲んで、がんになる人、ならない人

専門的にはメラノーシスという。食道や頭頸部のがんがあると周辺にメラノーシスがかなりの確率であり、著者は咽頭にも口の中にもあることに気づいた。このシミの最大の原因はアセトアルデヒド。

アルコール依存患者の内視鏡所見で、軟口蓋、咽頭、食道のいずれかにメラノーシスのある人は、がんのない人は16%。一方食道がんの人には45%、頭頸部がんの人には57%も見られた。のどが黒いかを見るだけでがんのリスクがわかる。(とりあえず手鏡で明るいところでみたら、ピンクでした。よかった)

なぜ欧米人にはアルコール依存症が多いのか?

遅い代謝のADH1Bを持った人は日本人では5~7%。白人や黒人全体でみると、90%以上の人が遅い代謝のADH1Bを持っている。ADH1Bを持った人はアルコール依存になりやすい。久里浜の40代患者の35%は持っている。

アジア以外の先進国はアルコール依存症がすごく大勢いる。米国は5~10%いる。日本人男性で現在依存症は1%。過去そうだった人を含めても2%。女性は男性の10分の1。

速いアルコール代謝の人は東~東南アジア人の特徴。日本人は、お酒に対して大多数の人が遺伝的に守られている。アルコールに寛容な社会ができあがり、その中で白人・黒人型の酵素を持った人たちが、アルコール依存症に選ばれてしまった、という考え方ができる。日本の飲酒文化の犠牲者。

アジアの人たちは夜遅くまでみんなで飲む。グデングデンに酔って帰る。でも翌朝職場で酒臭い人はあまりいない。これを欧米の人がやると100人中90人が酒臭い人になる。仕事にならない。なので昼間飲んでパーティをやっても夜は早めに終わる。それからアルコールに対する社会的な態度も全然違う。酒のCMは多くの国で禁止、路上で酔っぱらってると警官が来る。

二日酔いの個人差

遅い代謝のADH1Bを持った人が、日本酒換算で5合ぐらい飲むと、翌日の昼でも飲酒運転になる。夕方でも危ない。2日目の朝だったら大丈夫。

飲酒運転の基準値0.3mg/mLを超える人の割合は、遅い代謝の人は、12時間で50%、22時間で40%ほど。速い代謝の人は、12時間で20%、18時間で10%以下になる。

ビール腹はほんとにあった

日本では、ビール腹はつまみのせいだという説が広がっているが、これは日本人はビール腹になりにくい、速い代謝のADH1Bを持った人が93~95%いるから。

著者は2013年に、遅い代謝の人がビール腹になりやすいことを発見し報告(1301人調査)。その後2014年に26万人の欧米人のメタ解析が行われ(BMJ)、以下の結果となった。「毎日ビール350ml×2本以上飲むと、速い代謝の人が遅い代謝の人より、BMIが1小さくて、腹囲が1.2センチくらい小さい」

すごく酒を飲む人は免疫力が低下し、肺炎になりやすい

「赤くなるx速い代謝の人」が酒をたくさん飲むと、白血球が減ったり貧血が起こったりする。貧血は酒をやめると良くなり、赤血球が巨大化してるのも元に戻る。白血球も回復する。アセトアルデヒドで貧血が起こる、白血球が減少する。数年前まで誰も予想してなかった。

バナナ1本が酒飲みの命を救う

久里浜にはバナナで生きてたどり着き、再入院する患者もいる。医者が処方する一番大粒のカリウムの錠剤1錠分が、バナナ1本でとれる。アルコールの利尿作用で尿と一緒にカリウムは出る。カリウムは筋肉を動かすミネラル。だるくなったらバナナ1日1本たべること。

「大酒家突然死症候群」とは?

著者によるとアル中の人は、人知れず自宅で亡くなって家族が発見する場合が多いそうです。死体検案では異常が見られないことが多く、「大酒家突然死症候群」で亡くなる。食べないで飲む、血圧が下がり、低体温となり、脱水、意識がなくなる。

大酒家突然死症候群を防ぐ方法。
・飲み始めても3食食べよう。
・牛乳、バナナ、ゼリーなど離脱症状でも食べられるものを検討しておく。
・食べられなくなったらすぐ医療機関を受診しよう。家族と前もって相談しとく。

強調してたのが、とにかく1本のバナナが命を救うということ。

「カリウムが下がると、お酒を飲んでテレビを見てたらいいやとなる。何もしたくなくなる。起きられなくなり衰弱、そして突然死。だるくなったらバナナ1日1本食べてください。食事がとれなくてもバナナだけは食べてください。そうすればだるさがとれて、もう一度仕切り直しが自分でできるかもしれない」

みんなわたしを♪
リハビリに連れて行こうとするけど♪
わたしは行かない♪
あそこでは何も得られない♪
ショットグラスからも 何も得られないけど♪

エイミーワインハウスで、リハブ(リハビリ)♪
もしエイミーが1本のバナナを食べていたならば・・

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