精神障害。
メンタルやられて生きにくさを感じてる人の多くは、「愛着」に問題がある。愛着とは親との関係で、愛着の問題とは、いわゆる3歳まで愛されて育ってない人。
低学歴ヤンキーとかじゃなくて、立派な地位や経済的に豊かな人でも、親子関係に問題のある人はゴロゴロいる。仕事が忙しくてかまってやれなくてとか。
そういう育ち方をすると、「認知のゆがみ」が生じて生きにくくなる。
後述するがクスリは根本的に解決しないので、「傾聴」のしっかりできるカウンセラーを探して、その人とのやりとりの中で、過去のトラウマを解決するしかない。
本書は「認知のゆがみ」について対処法が出ていたので、メモを残しておきます。生きにくさを感じてる人、身の回りに困ってる人がいる人、興味があって勉強中の人などは、一読を薦めます。
子どもを傷つける親の諸類型
下記を見ると、パチンコ、アル中、DVとかじゃなくても、ふつうな人でも「子どもを傷つける親」になってしまう。
・感情的で、すぐに暴言・暴力をふるう(死んでやるなどと子どもを脅迫) ・なんでも自分の思い通りにしようとする(進学、就職、結婚などに介入) ・子どもを他者と比較する(兄弟や親せきなど、成績や容姿など比較) ・自分の価値観を子どもに強要する(成績トップじゃないやつはクズだ) ・夫婦仲が悪く、そこに子どもを巻き込む(家庭内が緊張、子どもに愚痴) ・表情や機嫌で子どもを操作する(子どもを不安にさせ服従を強要する) ・子どもに食事を与えるだけ(親が自分の用事にかまけて忙しい) ・子どもに依存する(自分の友人のように扱い、性的なことまで相談する) ・子どもを搾取する(子どもに家事を押しつける。子どものお金を無心) ・性的虐待 |
毒親から生じる負の感情
毒親という表現は適切ではない。なぜなら社会的、経済的要因があるから。シングルマザーとか。表現としては「育ちの傷」のほうがふさわしい。
育ちの傷とは、不健全な成育環境によって子供が負ったトラウマのこと。「自分の気持ちを大切にされなかった」という思いを持って育った子は、例外なく「生きづらさ」を抱えて生きることになる。
人間関係がうまくいかず、転職をくりかえしたり、結婚生活や子育ても悩み多きものになる。うつ病やパニック障害などの精神疾患をわずらったり、酒、薬物、ギャンブル、過食や自傷行為などに救いを求める人もいる。なぜなのか。根底には「親に自分の存在価値を認めてもらえなかった」という悲しい原体験があるから。
クスリ(向精神薬)との正しいつき合い方
10種類以上を「1日分」として処方される人がいる。たくさん飲めば回復するというエビデンスはこの世にない。
多剤大量処方問題に詳しい精神科医は、名医の処方は種類が多くても超少量であると述べつつも「処方の原則は、単剤・最小有効量でなければならない」としている。
2014年厚労省は「抗精神病薬3剤併用ののエビデンスは全くない」ということで、向精神薬を多剤処方した場合の診療報酬を減算する決定を下す。その後2018年にも処方制限が強化されている。
こういうトレンドの中で著者は「向精神薬との正しいつき合い方」3原則を提言する。
・向精神薬は安易に飲み始めない ・飲む必要がある場合は、単剤かつ必要最低限にする ・できるだけ短期間の服用にとどめる |
以下は減薬、断薬したい人向けの資料。
認知のゆがみを修正するフレーズ
以下は歪み(ゆがみ)のある認知の一覧です。それを「どう言いかえたらいいのか」。こう考えなおせば「認知の修正」になります。
虐待しちゃったかな 悪気はなかったんだ♪
オレは片親だし 善悪の区別がつかないんだよ♪
昨晩はどこに行ったのさ 朝まで帰ってこなかったじゃないか♪
オレはお前ためにやったんだぜ お前のオヤジがやったよりよかっただろ♪
オヤジはお前に何も与えられないけど オレはお前にオレのゼリーをやる♪
クソみたいな歌詞(言い換えるとブルージー)ですが、曲というかサウンドはめっちゃ美しいです。クラプトンでマザーレスチャイルド♪ 461オーシャンブルーのマザーレスチルドレンとは全くの別曲です。フロムザクレイドルから。ちなみにクラプトンはマザーレスチャイルドです。悲しい生い立ちは、下記の関連記事からどうぞ。
(関連記事)
【精神科医が教える聴く技術/高橋和巳/19年12月初版】
https://book-jockey.com/archives/12987
【精神病棟40年・時東一郎】書評と要約
https://book-jockey.com/archives/7606
ラブという薬/いとうせいこう
https://book-jockey.com/archives/325
クラプトンの生い立ち
https://book-jockey.com/archives/9114
これは今に始まった事ではないと思います。
我が子を愛せない(あるいは愛し方を間違ってしまう)親は(たぶん)昔からいたと思います。ただ、メディアで取り上げるようになっただけで・・・。
暴力や暴言、アル中の親も問題ですが、教育ママ(教育パパ)も考え物ですね(苦笑)。
昭和の時代ならともかく、今は子供を怒鳴っただけで周りから白い目で見られる時代ですから・・・。このご時世必要なのはこういった本だと思います。