「帝国憲法の真実」要約まとめ

don
don
ぼくたち日本人は70年間、「明治憲法(帝国憲法)は悪の権化だったけど、占領軍のおかげで過去の遺物にできた」と習ってきました。そして何となくみんなそう信じてる。それは本当なんでしょうか?
Glenn
Glenn
そもそも日本国憲法は、日本を敗戦国のままにしておく仕掛けです。まともな軍事力を持たせないようにして、民族ごと奴隷にしようとしました。そして靖国を標的にして、日本人が誰かのために命を捨てるなど二度と許さないようつくられた憲法です。
Linda
Linda
一方、帝国憲法は、世界の誰に対しても文明国として胸を張って生きていこうと、明治帝を筆頭とする先人たちが、考えに考え抜いて定められた憲法です。真剣に生きなければ、いつ滅ぼされるかわからない。その緊張感の中で、政治家や軍人を先頭に、日清・日露戦争を勝ち抜きました。それは国民の自由を守るためです。

はたしてどちらが日本国の憲法としてふさわしいのか?

本書は憲法のあり方、政治と軍事の関係、宗教との向き合い、と三つのテーマで新旧憲法を比較しています。読めば帝国憲法が悪魔のような欠陥憲法だったかどうかよくわかります。

なぜ日本国憲法は読みにくいのか

日本国憲法の前文は、極端に不自然な日本語だ。なぜか?原文は英語だったからだ。そして前文は英語の原文をそのまま直訳している。一国の最高法規の前文がまったく美しくない。

なぜ日本国憲法前文はおぞましくも醜悪の限りを極めた、英語直訳調の悪文なのか?日本政府がわざとそうしたからだ。憲法の条文を口語にしようという人たちもいたが、憲法審議担当の金森大臣が意向をきいた前大臣の松本法学博士いわく、「いっそ直訳調にしてしまえ」と。

その意図は、「この憲法は日本人の手によるものでなく、アメリカ人が押し付けてきたので、日本政府は嫌々受け入れているのだ」という暗号だからだ。



マッカーサーの下僚がわずか1週間で作ったパッチワーク

昭和21年2月1日、毎日新聞のスクープで帝国憲法の改正案である、「松本案」の内容を知ったマッカーサーは、対抗するように独自の憲法草案を作成する。

マッカーサーノートと呼ばれる走り書きを基に、下僚たちが約一週間で作成したのが、今の日本国憲法の原案だ。草案は民生局が中心になって作成したが、全員が憲法については素人。素人が日比谷図書館に通い、世界中の憲法から自分たちが気に入った条文を引き抜いて、掛け合わしたパッチワークが日本国憲法の草案だ。

首相や松本大臣は抵抗したが、マッカーサーは遠回しな言い方で、「この案を拒否したら天皇の命がどうなってもしらないぞ」と脅迫し、抵抗のすべを持たない日本政府はついに受け入れる。

軍法会議を開かせない日本国憲法

戦闘は義務を果たす軍人にだけ許された特権である。武器を持っている軍人には厳しい義務が課せられる。たとえば敵前逃亡の禁止。軍人が敵前逃亡をしたらどうなるか。仲間が全滅する。民間人や国そのものにも危険が及ぶ。だから敵前逃亡は万国共通で死刑になっている。

日本国憲法76条:特別裁判所は、これを設置することができない。行政機関は、終審として裁判を行うことができない。

特別裁判所とは軍法会議を想定している。自衛隊には軍法会議がない。日本国憲法は軍法会議を開かせないようにしている。

占領軍は靖国を潰そうとした

アメリカ人は日本軍の強さを徹底的に研究した。戦場に赴く日本兵の合言葉は、「靖国で会おう」だった。

お国のために戦って死んだら靖国に祀ってくれる。これをアメリカ人は、「やつらは戦死したら神になると信じてるから、特攻隊のような自殺攻撃を平気で仕掛けてくる」と、日本人を宗教原理主義過激派か何かと間違えた。

だから占領軍は靖国神社を潰そうとした。本当に破壊しようとした。見るに見かねたカトリック勢力が介入してマッカーサーを思いとどまらせた後も、占領軍は靖国神社の悪魔化をやめなかった。

ポツダム宣言受諾の一条件は、国体の護持だったが破られた

ポツダム宣言受諾の一条件は、国体の護持であった。これは狭く考えれば、帝国憲法の一条から四条を変えないこと。広く解釈すれば、皇室を中心とした日本の国家体制を変えないことになる。

国体とは何か?英語にするとConstitution.ふつうは憲法と訳し、憲法とはすなわち国家体制そのものである。国家体制はその国の歴史や文化や伝統に則っている。そうした国柄こそが国体であり、その中であえて文字にして確認したものが憲法典だ。

占領軍は我が国の歴史・文化・伝統を破壊するために、国際法を破って日本国憲法制定を強要した。



帝国憲法が参考にしたものは何か

帝国憲法はドイツの官僚制軍国主義をまねしたと言われるが的外れ。そもそも世界中の近代憲法の大本がイギリス憲法で、「不文のイギリス憲法を成典化した」と言われるのが、1791年フランス憲法。

そのフランス憲法を参考にして現在まで残っている最古の憲法が1831年ベルギー憲法。プロセイン(のちのドイツ)の憲法はその系譜上にある。わが国は憲法審議の前にすべての国を調査し、英仏白独のすべての憲法を参考にして、日本の国家体制に合うような条文にしたのが帝国憲法。

憲法は本当は何のためにあるのか?

憲法は戦争に勝つためにある。イギリス憲法の神髄。なぜイギリスにおいて首相による文民優位が求められたか?それが戦争に勝つのにもっとも効率的だったから。

クラウゼヴィッツは「戦争は政府と軍隊と国民の三位一体で行わなければならない」と提唱した。これは現代でも世界中の国が実践している。とくにアメリカはベトナム戦争で国民の離反で敗戦を喫したので、三位一体論を重視している。

総理大臣が議会で演説して戦争目的を示し、国民の支持を求める。集めた税金を軍隊に配分して自由に戦わせる。そして戦争目的が達成した判断するや和平に至る。

世界中のサッカーチームは、GMと監督とファンの三位一体で勝つチームを作っている。オーナーが部下の仕事に口を出さない「立憲君主制」のほうがうまくいている。

なぜ山本五十六は権力を持てたか

昭和初期以来、大蔵省は最強官庁だった。陸海軍は競って大蔵省主計局で官官接待に勤しんでいた。東条英機や山本五十六がなぜ権力を持てたか?主計局での官官接待が誰よりも上手だった。戦時体制が続けば、陸海軍は石油と飛行機の割り当てで宿敵のように争う。その裁定は誰がするのか?予算編成権を握る大蔵省だ。

戦後大蔵省には敵がいなくなる。唯一の天敵は内閣法制局だったが、その法制局に勝った安倍晋三ですら、「予定通りの増税」を飲まされたほど。ちなみにイギリスでは政治家が大蔵省を握っている。

don
don
もう一度、帝国憲法をベースに日本国憲法を作り直したほうが、良さそうな気がします。憲法を我々日本人の手に取り戻したとき、ぜひ前文を美文の口語調にして欲しい。
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