ヨーロッパ人の性格や歴史的背景を把握すれば、いろんなことがわかってくる。
著者は91年から欧州で暮らす夫婦で、現在はベオグラードで出版社を経営してるそうです。自分で訪問して人々と交流した32カ国について、エスニックジョークや最新の時事ネタなどを絡めながら紹介しています。
32カ国をまずは著者の1行で。参考に人口も付記します。結構500~1000万人程度の国が多いです。兵庫県(560万人)~神奈川県(900万人)くらいの人口です。
イギリス:強情で文句の多い皮肉屋。シニカルな冗談が好き 6220万人
アイルランド:恨み深くて、個性的でスピリチュアル 447万人
フランス:一生涯、男と女の関係が続く恋愛天国 6296万人
オランダ:背が高く、寛容でケチ、極端な自由主義者 1662万人
ベルギー:私は誰?オランダ人それともフランス人? 1092万人
ルクセンブルク:小さくても、一人当たりGDPは世界一 51万人
ドイツ:真面目、勤勉、質実剛健、寝たくない男性の世界ナンバーワン 8160万人
オーストリア:ハプスブルクの血を引いて色恋に生きる人々 839万人
スイス:忍耐強く勇敢で誇り高いが、閉鎖的で警戒心が強い 779万人
ギリシャ:財政危機に揺れる、過去の栄光に生きる民 1118万人
イタリア:明るくハチャメチャ、でも純粋でナイーブ 6034万人
スペイン:陽気でおせっかい、まるで関西人のよう 4602万人
ポルトガル:おおらかで動じない、悠長な国民性 1064万人
デンマーク:みんな平等で、権力が大嫌いのお人好し 554万人
ノルウェー:世界一幸福な、質素で飾らぬ自然児 491万人
スウェーデン:場が読めるA型人間は「北欧の日本人」 933万人
フィンランド:シャイでネクラ、無口で温厚な東北人 538万人
アイスランド:泰然自若、どこか波長のおかしい異星人的人々 32万人
ロシア:肝っ玉が太く、野暮が嫌いな任侠の人 1億4290万人
ポーランド:バカの代名詞のように扱われる、大の日本びいき 3809万人
チェコ:寡黙で繊細、生真面目で神経質、愛らしさが魅力 1051万人
スロヴェキア:自称大モラヴィア王国の末裔、影が薄いのが最大の特徴 543万人
ハンガリー:天才肌だが懐疑的、利にさとく機知に富む 1001万人
セルビア:新しモノ好きでプライドの高い楽天家 740万人
スロヴェニア:きれい好き、リップサービスが得意なゲルマン系スラヴ人 202万人
クロアチア:親切で抜け目がない、多文化融合の国 442万人
ボスニアヘルツェゴヴィナ:田舎者の代名詞、実際は忍耐強い知性派 390万人
マケドニア:国名を変えろと四面楚歌、それでも誇り高い人々 206万人
モンテネグロ:長身のがっちり体型、のんびりしたお人好し 62万人
ブルガリア:寡黙で思慮深く、ホスピタリティ豊か 751万人
ルーマニア:自称ローマ人の末裔は迷信深く、ジョークが大好き 2143万人
トルコ:義理人情に篤く、商売上手な国際人 7134万人
以下にその他の読書メモを。
イギリスの階級社会とは
18世紀後半の産業革命から生まれた。かつての支配階級である王侯・貴族は上流階級と呼ばれ、これに新興のブルジョワが中流階級として加わった。当初階級は上流、中流、下流の三つに分かれていたが、中流が上中下の三つに再分割されたことで、通常社会学者は5つの階級に分類している。
イギリスでは階級と職業には密接な関係性がある。イギリス戸籍本署が実施する国勢調査には「階級の分類」というものがあり、以下のように階級ごとに職業が分類されている。なおここには、中流&下流の階級が記されている。
階級Ⅰ | 弁護士、判事、医師、大学教授、研究者、建築家 |
階級Ⅱ | 国会議員、事業経営者、会社重役、農場主、新聞記者、教師、警部 |
階級ⅢA | 不動産業者、製図工、写真家、銀行事務員、秘書、警官 |
階級ⅢB | 電気技師、バス運転手、料理人、大工、家具職人、配管工 |
階級Ⅳ | 農場労働者、救急隊員、郵便配達人、ウエイター、漁師 |
階級Ⅴ | ビル清掃人、土木作業員、窓清掃人、日雇い労働者 |
よい職業に就くには高い学歴が必要で、日本ではたとえ親が労働者階級であっても大学進学への道は開かれている。イギリスでも公立学校から大学に進学することは可能だが、有名大学に進学するには、私立のパブリックスクールに通うのが一般的だ。
だが私学に通わせるには多額の授業料や寄付金がかかる。裕福で階級的によい家柄の子どもの進学率が必然的に高くなる。統計によれば大学進学の約7割が「中流の中層」(階級Ⅱか)以上の出身者で占められ、労働者階級は1割にも満たない。
イギリスでは教育において階級の固定化現象が見られ、高等教育を受ける階級と義務教育止まりの階級の間にはあまり動きがなく、代々大学卒の家系とそうでない家系にはっきり分かれている。
ルクセンブルクに売ってる絵葉書に書いてあること
EU15カ国の長所
「アイルランド人のようにいつもしらふで、イギリス人のように料理が上手で、フランス人のように謙虚で、イタリア人のように秩序正しく、ドイツ人のようにユーモアを解し、オランダ人のように気前よく、ベルギー人のように役に立ち、デンマーク人のように思慮深く、スウェーデン人のように融通が利き、フィンランド人のようにおしゃべりで、スペイン人のように地味で、ポルトガル人のようにメカに強く、オーストリア人のように忍耐強く、ルクセンブルク人のように有名で、ギリシャ人のように組織化されている」
次のジョークは、ある日の新聞に「以下の本、高額買取します」と広告掲載されたもの。
「イギリスグルメ紀行」「ドイツジョーク全集」「フランス人の貞操」「イタリア英雄戦記」「スペイン人の静かなる祈り」「スイスの国際貢献」「オランダの謝罪例文集」「独自文化の国ベルギー」「アイスランドの森に生きる人」「ポーランド人の英知」「ソビエト連邦の芸術作品」「ユダヤ人の職業倫理」「アメリカ紳士列伝」「ルクセンブルクのワールドカップ名選手」「日本を意識しない韓国人」
ヨーロッパでファイナルカウントダウン 最後の秒読みが始まる♪