「夫源病」などの著作がある、大阪樟蔭女子大教授の本。外来で多くの夫婦の話を聴いてるので、世の中の夫婦の危機の、いろんなパターンを熟知しています。
みなさんはパートナーとうまくいってますか?うまくいってる人はそれだけですごい幸せですよね。「職場は戦場、家は地雷原」で帰宅困難症になってる人なんかも多い現代。世の男性諸氏はいったいどこでくろげばいいのかという。
僕の経験からすると、子供の小さい30代ぐらいが一番大変だと思います。職場で上司に怒られ、家で夜中に奥さんに数時間怒られ。同僚とは熾烈なポジション争い。男7人の敵あり。いったいどこで息を抜けばいいのか。
家をくつろげる場所にするには、どうすればよいのかが書かれています。たぶん書かれてることは知ってる、すでにやってる、できない、などの感想が出てくると思いますが。まったく基礎知識のない人にはいい一冊かも。
本書の中でも簡潔にまとめられてますが、この分野の名著は「話を聞かない男、地図が読めない女」でしょう。男性脳と女性脳は違うので、それを知ったうえで対策を立てる必要がある。
男女の脳は何が違うのか。左脳と右脳をつなぐ脳梁という部分が女性のほうが男性より太い。これが原因で、感情的、話題があちこち飛ぶ、長話になるという会話パターンに女性はなります。論理体系を司る左脳と、感情感覚を司る右脳の両方を使って話をするからです。
また両方の脳を使う女性は同時並行的に複数の作業ができますが、片方の脳で処理する男性はシングルタスクに向くというか、一つの事に没頭すると、他の事が目に入らなくなる。
農耕が始まったのは1万年前、それまでは400万年も人類は狩猟採集の生活を送ってきました。男女の脳の違いは、男性は狩りに出て獲物を捕らえ、女性はコミュニティに留まって住まいを守りながら育児や木の実、果物の採集をする、という役割分担に適応して発達した特性だと推測されています。
以下にその他の読書メモを。
エイリアン妻と共生するための15の戦略
詳細は本書にて。
1.妻の話は聞いているという演技が大事
2.不要なものは捨てる。使ったものは片づける
3.ありがとう、ごめんなさい、愛してるを言ってみる
4.ホストになりきる
5.パパ、ママではなく名前で呼び合う
6.妻の積年の恨みを一度は吐き出させる
7.冷蔵庫に賞味期限切れ食材を見つけたら、妻には告げず闇から闇に葬る
8.アラが見えても何も言わない
9.家事は家事道。妻のやり方を守って行う。
10.自分が分担した家事は何があっても必ずやるべき仕事と心得る
11.プライドは捨てて、手柄は妻に譲る
12.嫁姑関係では、どんな時でも必ず妻の味方につく
13.家計は妻に任せる
14.妻が働きに出るのを応援する
15.育児は基本的に妻に任せて、家事と精神面のサポートに徹する
妻の怒り恨みは無期限有効・利子付のポイントカード制、夫はペナルティカード制
夫がうんざりするのは、妻が過ぎたことを何度となく蒸し返すこと。妻たちは自分が傷ついたり怒りを感じたりした「夫の失点」を仔細に覚えていて、夫婦げんかのたびに持ち出しては夫を非難する。残念ながら夫が何回謝っても、妻は一生同じことを言う。妻たちの心の中には、夫の失点を加算していくポイントカードがあるからだ。ポイントは無期限有効で、永久に消えることはない。たとえば2014年6月のショッキングな事件。神奈川県の79歳のおばあちゃんが、40年くらい前の夫の女性問題が原因で、夫を殺害してしまった。
一方で男性の場合はサッカーのペナルティカード。出場停止処分が明ければ選手はピッチに戻ってまたプレーができる。しばらくしてほとぼりが冷めれば妻の失点はなかったことになる。
うつ病と自殺率の男女比
うつ病の罹患率は女性が男性の1.6倍多いが、自殺率は男性が2.5倍と大きく上回る。この結果については、女性はメンタルの不調を感じると悪化するまで放置せずに自ら受診する人が多いが、男性は他人に弱みを見せまいと、限界まで我慢に我慢を重ねてしまう事が原因か。
女性はおしゃべり
米国メリーランド大学の研究によると、男性が1日に発する単語数は平均7000語なのに対し、女性は平均2万語。女性は男性の3倍近くおしゃべり。これには言語遺伝子と呼ばれる脳内のFoxp2というたんぱく質が関係していると考えられており、3~5歳の女児の脳を調べたところ、女児は男児に比べてFoxp2の値が約30%も高かった。
男性はいなくなる
オーストラリア国立大学のジェニファー・グレイブス教授の説によると、あと500万年も経つとY染色体はなくなり、男性はいなくなるという。人類が誕生した時、Y染色体とX染色体は同じくらいの大きさだったと考えられるが、現在ではX染色体には約1098の遺伝子があるのに対し、Y染色体の遺伝子は約78と、14分の1にまで減少してしまった。オスが持つY染色体は1本しかないために修復がきかず、壊れたらそのまま放置される。このため人類が誕生して以来、Y染色体はすり減り、小さくなってきた。
ほんとうのオシドリ夫婦
オシドリは一生つがいで添い遂げない。オスのオシドリがメスと一緒にいるのは繁殖期の前半だけで、メスの産卵とともに夫婦は解消してしまう。メスの育児をオスが手伝うことはせず、次の繁殖期には別のメスとつがいを組む。
鳥のように自由に生きるのは♪
2番目に素晴らしいこと♪
ビートルズでフリー・アズ・ア・バード♪
ちなみに一番素晴らしいことは歌われていません。各々で考えるべきか。