「関東芸人はなぜM-1で勝てないのか」まとめ。ナイツとサンドウィッチマンのネタは似てる

ナイツ塙が自分で書いてました。

ナイツとサンドウィッチマンのネタは似てる。ボケとツッコミのセンテンスが非常に短い。利点はボケを増やせること。

<サンドウィッチマン>

ボケ「目のとこに、こう、材木入れますんで」

ツッコミ「モザイクね!」

<ナイツ>

ボケ「1年間ロカビリー生活をするはめになってしまったんですよ」

ツッコミ「リハビリだろ!」

<サンドウィッチマン>

「それでは、厨房のほうを振り返ります」

「注文繰り返せよ!」

<ナイツ>

「その時にですね、不運なことにジーコに会ってしまったんですよ」

「事故にあったんでしょ!」

ナイツになくてサンドウィッチマンにあるものがある。それは強さ。伊達さんが「うるせえな!」とかいうと、ものすごくお客さんのツボにはまる。ナイツにはないパワーがある。あれだけボケ数が豊富で、それを際立たせる強さがあれば、コント漫才でも関東言葉でもM-1で勝負できる。

ナイツも十分面白いです。テンポいいですよね。桑田佳祐新曲のアンバサダー漫才。

「悲しきプロボウラー」リリース記念!KUWATA CUP 2020公式アンバサダー ナイツのガター連発!?ボウリング漫才



本書はナイツの塙が、なぜ関東芸人はM-1で勝てないのか分析した本です。

一言でいうと、大阪はお笑い王国。漫才界のブラジル。「日常会話=漫才」。ツッコミは関西におけるマナーであるとのこと。

いろんなことについて論じてます。

目次を貼っときますので、興味がある方はご一読を。

ナイツ塙

ナイツ塙

ナイツ塙

ナイツ塙

その他の読書メモを。



南海キャンディーズ山ちゃんのツッコミは優しい

南海キャンディーズが準優勝した年、予選の段階から、めちゃくちゃおもしろいコンビがいると噂になっていた。オカッパメガネのあやしい男と、それに負けず劣らずあやしいでっかい女が出てきて、その上あのネタ。

漫才はスローテンポ。もっとも特徴的なのは山ちゃんのツッコミ。山ちゃんは、しずちゃんのボケをしばらく泳がせる。

しずちゃんが「山ちゃん、お医者さんやって、私、火を怖がるサイやるから」という状況でも、すぐにはツッコまず「メス」「メス」と指示し続け医者役を全うしようとする。

そして、ようやく「だめだ、俺、こんな状況生まれて初めてだ」と回収する。ボケを溜めておいて、最後、総取りしてしまう。

しずちゃんにあれだけむちゃくちゃさせといて、それを一言で回収する言葉も見事。

「ナイスざわざわ」
「やばい、涙で明日が見えない」
「あれ、左から妖気を感じる」

これらの言葉からもわかるように、山ちゃんは決してしずちゃんを攻撃しない。終始しずちゃんをなだめているだけ。もっといえばあやしている。ツッコミというのは相手を貶めることではない。どんな方法でもいいから、笑いに転化させればいい。それは優しい言葉でもいいし、動きでもいい、スリムクラブのように「間」でもいい。

山ちゃんの登場によって、これまでのツッコミの概念が変わってしまった。南海キャンディーズ登場以前の漫才は「ボケが華」だった。ボケが点を取りに行く。ツッコミはあくまでアシスト役。

ところが南海キャンディーズは、ツッコミの山ちゃんがフォワード。彼は紛うことなき天才ストライカー。漫才自体がツッコミで笑いが起きるように計算されていたし、第一ラウンドで見せた一本目のネタは、山ちゃんのツッコミは一度も外してなかった。

山ちゃんは一人でも笑いを生み出すことができますが、しずちゃんは山ちゃんがいないと笑いを起こすことができない。漫才師というより名優。名演出家の山ちゃんは、名優であるしずちゃんを漫才でこれでもかというほど輝かせていた。

だから2004年のM-1後、コンビの頭脳である山ちゃんでなく、相方のしずちゃんが大ブレイクした。そして2007年映画「フラガール」で日本アカデミー賞新人俳優賞を獲得する。

M-1で吉本芸人の王者が多いのはなぜか?

「吉本びいき」とネットでいわれるが、それは見当違い。

現在吉本の芸人は約6000人いる。東京のタレント事務所が抱えている芸人の数は、多くてもだいたいが数十人程度。在京事務所が束になっても、MLBと日本プロ野球ぐらいの差がある。

M-1は過去14大会で、02年のまずだおかだ(松竹芸能)、04年のアンタッチャブル(人力舎)、07年のサンドウィッチマン(フラットファイブ)と3組の非吉本コンビが優勝している。漫才の本場は関西であり、そのことを考えると妥当な結果。

そもそもM-1は吉本がお金を出し、吉本が立ち上げたイベント。いわば吉本の所属芸人のために設けた発表会。

漫才協会は「新人大賞」というコンクールを開いている。ナイツも大賞をもらった。もともと所属芸人のための大会だった。一時期非所属芸人に門戸を開いた。でも外から来た芸人の優勝者が続くと、再び内輪だけの大会に戻した。漫才協会の若手を売り出すための大会なのに意味がないから。

そこへいくと吉本は懐が深い。オードリーのように優勝しないまでも決勝に進出して全国区になり、そのおかげで売れた芸人も何人かいる。

M-1グランプリ。栄えある第1回優勝者は中川家でした。彼らのコントは凄いとしか言いようがない。もしお時間あるならぜひ見て下さい。うなるしかない。

中川家のものまねコント 「携帯電話屋」
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『「関東芸人はなぜM-1で勝てないのか」まとめ。ナイツとサンドウィッチマンのネタは似てる』へのコメント

  1. 名前:Speakeasy 投稿日:2020/02/19(水) 17:53:27 ID:bdedc67e0

    中川家のコント最高でした!大笑いしました!

    昨年暮れにM-1グランプリで優勝したミルクボーイの「コーンフレーク」も大好きです!
    彼らも吉本ですね~

  2. 名前:don 投稿日:2020/02/19(水) 20:48:53 ID:bdad23320

    Speakeasyさん、こんばんは~
    ミルクボーイの「コーンフレーク」見てなかったので、見てみました。
    ワイドナショーに出てたので存在は知ってたのですが。

    https://youtu.be/VjBQtr4lH0k

    こういうシンデレラボーイの誕生はうれしいですね。

    以下の記事ではナイツ塙の評価が高いみたいです。
    https://news.livedoor.com/article/detail/17840426/

  3. 名前:匿名 投稿日:2020/11/11(水) 20:24:35 ID:6b0e43f1d

    吉本は教科書通りですね。みんな同じですよ。

  4. 名前:don 投稿日:2020/11/12(木) 20:05:58 ID:8bb3a904e

    教科書通りですか。型があるんでしょうかね。