「どうして羽生さんだけが、そんなに強いんですか?」書評と要約

チェスの世界では13年前に、世界チャンピオンだったガルリ・カスパロフが、IBMのチェス専用コンピュータのディープブルーに敗れました。ただ将棋は持ち駒を使えるなど、はるかに複雑なルールをもつため、コンピュータ将棋がプロ棋士を脅かす日などずっとこないと思われていました。

現在のコンピュータ将棋の最高峰の実力は、アマの最高レベルを超えています。5百万人を遥かに超えるとされる将棋人口のうち最高レベルのコンピュータ将棋に勝てるのは、5百人(全体の0.01%未満)に満たないそうです。現役のプロ棋士は現在159人いますが、その一番下あたりにたどりつきつつあります。実際に10年10月に清水市代女流王将を、「あから2010」が破りました。

とくに序盤のねじり合いには弱いけど、終盤まで互角でいくと読み間違いが無いので、人間には厳しいようです。

羽生は、コンピュータは棋士にインパクトを与えるほどではないと言い切っています。超一流ならではの感想でしょう。

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現在はコンピュータに人間は勝てなくなりました。

羽生善治の成績

阪田三吉や大山康晴など伝説になった棋士は何人かいますが、羽生善治も40才にして、もはや伝説です。

通算獲得タイトルは、大山康晴(80期)に次ぐ歴代2位(78期)。史上初かつ現在に到るまで唯一の七冠を達成し六つの永世称号の保持者。十九世名人羽生善治。

将棋の世界では、7つのタイトルマッチが一番の大勝負ですが、羽生と同世代の成績は以下。
羽生の独占です。

羽生善治:登場回数101回、獲得数78
谷川浩司:登場回数57回、獲得数27
佐藤康光:登場回数35回、獲得数12
森内俊之:登場回数18回、獲得数8

谷川は羽生の8才年上で、全盛期はおわり近年はタイトル戦登場回数はめっきり減りました。中原も大山も40歳を越えてからは将棋指しはしんどい旨を語っています。今後の羽生はどうなるか。

30代の世代は、羽生世代に頭を抑えられていて、20代半ばは別格の渡辺明がいるが(登場回数10回、獲得数7)、なぜか竜王戦以外の活躍がありません。羽生が唯一永世称号を手に入れてない竜王タイトル、あと1回勝てれば通算7回の竜王なので、永世称号が手に入ります。7連覇中で20代半ばの渡辺に今後勝てるのか、大きな楽しみです。

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現時点でのwikiは以下。通算優勝回数152回、公式戦優勝回数144回、タイトル獲得99期、タイトル戦登場136回、同一タイトル戦25回連続登場、同一タイトル獲得通算24期、一般棋戦優勝回数45回は歴代単独1位の記録である。また、非タイトル戦優勝回数53回、非公式戦優勝回数8回、最優秀棋士賞22回、獲得賞金・対局料ランキング首位23回も歴代1位である。将棋界初の永生八冠。



羽生の語る将棋の本質

「他力本願的」将棋とは「自力でなんとかしようとしちゃダメ」なもの、「ベストは尽くしたけど、あとはよろしくお願いします、と手番を渡す」もの、そして「一人で完成させるのではなく、制約のある中でベストを尽くして他者に委ねる」ものだと述べた。

羽生と大山の違い

大山は人と戦っていたけれど、羽生は将棋そのものと戦っている。たとえば羽生は相手のミスを期待するのではなく、できるだけ長く均衡が保たれた局面が続いて、将棋の真理に近づければいいと思っている。

羽生の語る現代将棋

昔の将棋では、組み上がるまでは取りあえずお茶でも飲んでゆっくりしようかという雰囲気があったが、もう今はない。現代将棋では初手から、一手一手の意味づけ、手順、組み合わせ、そういった対策をきちんと考えていかなければならない。戦型と戦型がリンクし、地下鉄の相互乗り入れのようなさまざまな形を関連付けて考えるのが現代将棋。

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