・マスコミが毎日あることないこと書きすぎ。
・ファンがぎゃーぎゃー言い過ぎ。
・タニマチが夜の街に選手を連れまわすから。
・OBが現場に口を出しすぎ。
・スカウトがええ選手を獲ってこない。
・2軍で若い選手をちゃんと育てられない。
ここらへんが、阪神が優勝できない定説と言われています。
本書を読んで思ったこと。人気球団すぎる=選手のメンタルコントロールが難しい、育成システム、が優勝できない主因かなあと。人気球団ということなら読売巨人もそうなので、一番の優勝できない原因は「育成システム」だと思います。
現代のメジャーリーグ。投手のピークは20代半ば、野手のピークは20代後半と言われています。身体能力の限界でのプレーとなっている。
日本プロ野球でも、FAで獲得するとパフォーマンス年齢のピークを過ぎているので、ピーク年齢の選手を活躍させるには、育成を成功させるしかありません。
阪神もようやく二軍の新球場を阪神大物駅につくります。ここは甲子園と同一サイズ、同方位だそうです。ようやく狭い鳴尾浜から脱却。これで外野守備も上手くなると思います。
鳴尾浜の室内練習場は打撃ゲージが2レーンしかなかったのが、新室内練習場は6レーンと大幅に増えます。これで阪神の選手も速球に強くなると思う。
新二軍施設は25年2月オープン。26年から阪神は今以上に強くなっていく。
他球団との育成システムと比較を下記にメモしておきます。ソフトバンクが強い理由、よくわかります。
ソフトバンクの育成システムと環境
・育成に特化したシステムや施設の充実を行い2023年からは「4軍制」になった。
・福岡県筑後市から甲子園球場2個分7万平方メートルの土地を無償貸与されている。
・2球場と寮、室内練習場を整備。初期投資60億円。
・筑後の2球場はいずれも本拠地ペイペイドームと同スケール。1つは人工芝、もう1つは土&天然芝。
・3軍制がスタートした2011年から2022年までの12年で、育成出身の千賀、甲斐、石川、周東の4人がタイトルホルダーとなった。侍ジャパンのメンバーでもある。
・育成選手の支度金は300万円。10人獲得して1人あたったら大成功。ただし残りの9人のセカンドキャリアへの責任もある。ソフトバンクは育成入団の選手には、引退後にソフトバンクグループ内での就職斡旋もできることを伝えて入団交渉を行っている。
少数精鋭のヤクルトと日ハム
ヤクルトの育成
・村上の打力を活かすために1年目からファームで4番に据える。打って守っての9イニング、週6試合でのルーチンや疲労度、試合中の攻守の切り替えにおけるリズムを体感していく。
・この選手は「未来の主砲」と見込んだら英才教育を行う。山田哲人は高卒1年目にファームで全114試合出場を果たした後、中日とのCS第二戦で先発出場を果たしている。
・2022年の支配下選手、育成選手を合わせた総人数は74人。3軍制(2022年時点)のソフトバンクの104選手と比べれば1チーム分少ない。
・東京の都心部が本拠地のヤクルトも、ソフトバンクのように育成を強化しようとしても、 球場や施設を新たに整備するだけの土地を確保したり選手寮を拡大したりすることは、そのスペースの制約や土地取得費用などを考えても、巨額の投資になってしまう。
・2027年の移転を目指し、具体的な協議に入ったというヤクルトの2軍施設の候補地は茨城県守谷市だ。1軍のフランチャイズが東京であることを考えれば、決して至便なロケーションではない。阪神と同様、こうしたハード面の制約からも、選手の人数を容易には増やせない。
日本ハムの育成
・2021年まで70人。12球団でもっとも選手が少ないチームだった。
・ドラフト戦略は「その年の一番良い選手を1位指名する」。
・逸材を獲得、育成することとチームの成績は面白いくらいリンクしている。
・「ポスティングシステム」でメジャー移籍が容認されている。育成した選手をメジャーに売却し投資した資金を回収している。
・メジャーでも資金力の弱いスモールマーケットの球団がとる手段。
・二軍の本拠地は千葉県鎌ケ谷にある。一軍との距離が大きく離れていることはメンバー入れ替えにはよくない。
・冬の北海道は寒くて十分な練習環境と言えない。育成を拡充するために3軍制をとろうとすると初期投資、コストの問題が絡んでくる。
・ハムやヤクルトの少数精鋭の育成は「そうせざるを得ない環境」であることも現実。
阪神の育成
・2025年には西宮鳴尾浜から尼崎小田南公園へ練習場を移転する。メイン球場は3000人収容が可能。その北側に練習グラウンド、西側に室内練習場と選手寮が整備される(イメージ図なので配置は変わる)。
・メイン球場の東側にはサブ球場もあるがこれは一般市民にも利用できるようにする。そうすると試合可能な球場は事実上1つで、ソフトバンクや巨人のように施設も人数も拡充しての3軍制にはハード面での制約がつく。育成選手の数を抑えぎみにした少数精鋭で、どう伸ばしていくかが課題になる。
阪神の実戦機会は多い
・2022年では阪神が一番多い。2023年からソフトバンクが4軍制に移行。実戦機会を減らさない方策も立てており、2023年はソフトバンクの数字が47.9に跳ね上がる。
・育成選手を増やすにはそのための環境の充実が必要。阪神は「ソフトバンク・巨人」型ではなく、少数精鋭特定選手に英才教育を行う「ヤクルト・日ハム」型の育成方式が現状ではベターな形。
12球団ドラフト1位の活躍指数
出場試合数などをポイントで評価すると、2008年以降では阪神は10位となる。
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