最近よく聞く「ロレックスマラソン」。
いやいや、そんな奴おらんやろ? と思い読んでみました。
読んでみて理解できました。なるほど、そんな事情があったのか。
目次
コロナが到来して店頭からロレックスが消えた
・昔から一部の人気モデルは品薄だった。
・現在はそれが全モデルに広がり全世界に共通する。
全てはデイトナから始まった
・コスモグラフデイトナは生産量に対して購入希望の数の方が大幅に上回っているということが数十年続いてきた。
・デイトナは待つもの。時計店は考えた。いつ入荷するかわからないモデル、ウェイティングリストに名前を記載することは不誠実ではないか?何年先になるのかわからないから。
・そして時計店が始めたのが「入荷したら展示し、販売する」という方法。いつ現れるかわからない「コスモグラフデイトナ」が、前触れもなくある日突然、時計店のショーケースにあるのだ。誰からも文句の出ない公平な方法を時計店が編み出したのだ。
・在庫を隠しているのでは?特別な客だけに販売しているのでは?という邪推に対する反駁。
デイトナを求めて探し回る人々
・この方法は余波を生んだ。いきなり販売するという方法を採る時計店を「探す」人々が登場したのだ。
・つまり待っていても買えないデイトナを買うために、時計店を探し回るという奇妙な行動様式が誕生した。
・これが初期の頃のデイトナマラソン。いまではロレックスマラソンになった。
ロレックス正規店が新たにスタートした制度とは?
・2023年2月現在、状況は変化している。多くの正規時計店が、ロレックスが目的である場合に関しては「事前来店予約制」を採用している。
・予約をした日に店に希望のモデルの在庫があれば購入できる、というもの。しかしながらその予約は極めて取りづらいという声が多い。
・もうひとつの大きな話題。2022年12月から欧州で開始された「ロレックス認定中古プログラム」だ。このプレートを掲げた正規販売店でのみ、2年間の国際保証付きで販売する。当初は老舗時計店「プヘラ」でのみスタートしほかにも展開していく。日本ではまだ不明。
なぜロレックスのスポーツモデルは手に入らなくなったのか?
・2019年11月、ロレックスの全国67の正規店のうちおよそ20の店が連携して、スポーツ系の人気モデルを指定し、購入制限を設定した。
・その内容は購入時に顔写真付きの身分証明書の提示を必要としたうえで、同一素材同一モデルの購入は5年間不可、他の指定モデルは1年間購入不可というもの。
・購入制限の対象はステンレス素材の以下の人気モデル。コスモグラフデイトナ、サブマリーナ、サブマリーナデイト、シードゥエラー、ディープシー、GMTマスターⅡ、エクスプロ―ラ―、エクスプローラーⅡ。これらは人気モデルと理解された。
コロナが始まりロレックスの生産ラインはどうなったのか?
・スイス時計は伝統的に分業。部品の納入が止まれば生産ラインは一時閉鎖となる。コロナ影響で一時的に生産をすべて中止した。
・管理や営業部門はリモートで在宅ワークできるが時計師は自宅では生産できない。レイオフはせず従業員の雇用を確保した。高級ブランドは内部留保が多くコロナに耐えることができた
・コロナの生産停止影響によりデイトナだけでなくロレックスのスポーツモデルは完全な品薄状態になっている。デイトナマラソンはロレックスマラソンに姿を変えた。
なぜロレックス社は増産しないのか?
・一般的に知られていないが、ロレックスの株式は100%、創立者の名を冠したハンス・ウィルスドルフ財団が保有している。
・株式会社の体はとっているが非上場であり株主は財団だけである。一般的な株式会社のように株主の顔色をうかがう必要はない。
・責任を負っている相手は顧客と社会、そして従業員だ。
・つまりロレックスは生産を自分でコントロールできるブランドなのである。日本でも同様だが非上場のため有価証券報告書に財務状況や先行投資の報告義務がないのである。
・一方で需要は伸びた。人々は旅行を控え車を買い替えるのを先延ばし、多くの可処分所得が行き先を見失う中で、熱烈に新しい腕時計を求めたのだ。
なぜロレックスは正規店の方が安いのか?
・デイトナやサブマリーナーらの希少モデルでの現象。並行輸入といわれるからくり。
・一部のロレックスモデルは日本では手に入らないけれども海外で入手できるルートが存在したといわれる。それらの販売店から購入され正規の輸入ではないけれど持ち込まれたものがプレミア付きで販売された。
・ふつう並行輸入は為替差益の問題で海外で購入した方が安い場合に成立する。そしてそれらは正規店より安く販売される。しかしながらロレックスの場合は逆なのだ。
・ロレックスの場合はプレミアのついた価格の相場ができているので、もし海外で日本の定価と同じような価格で購入できれば、旅費を上乗せしても購入して転売すれば差益が出る。
・もうひとつの問題は国内購入即転売。日本の正規店で運よく人気モデルが買えたとして、その足で新品をプレミア販売する店に持ち込めば、買取で数万円、数十万円といった利ザヤが生まれる。
・これが一部の悪質な転売ヤーが行っていること。それが非難され購入制限がかかった。
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ロレックス、給料がちょっとアレなのでなかなか買えないですね~(苦笑)。
あと、今はスマホが時計代わりなので、腕時計は使う事ないですね。