「住んでみたドイツ8勝2敗で日本の勝ち」まとめたよ。

著者はドイツ在住30年の川口マーン恵美。

ドイツも日本も「永遠の加害者」。たくさんお金を出しても、たいして感謝されていない。ドイツの動きを注視しておけば、アジアで日本がどう行動すればいいか、ヒントが見えてくるはずだと。

なるほど。外から見るとよくわかるようです。



尖閣諸島のwikiドイツ語版

ドイツ語版は、中国の主張どおりのことが載っている。このWIKIを読むと「アジアの侵略者日本」の図が浮かび上がる。これを放置するのは良くない。実際問題としてドイツ人が尖閣を耳にして検索するなら、まずこのページになる。外務省は早急に日本の見解を書き込んで欲しい。

敗戦国であるドイツと日本の違い

ドイツは日本と違ってEU内で存在感を示す政治大国だ。ドイツが持ってる優秀な軍隊がひとつの理由だ。ちなみにドイツはアメリカ、ロシアに次ぐ世界3位の武器輸出大国でもある。ドイツは日本と違い連合国から押し付けられた憲法を、削除や変更も含めて59回も改正した。軍事力の後ろ盾がなければ、世界での発言権を失うという肝心な部分を理解しているから。

EUからドイツへの労働者流入

人、物、金の自由な往来。ドイツ経済研究所の試算では、2020年ドイツの人口はEU内の貧しい国からの流入で約120万人増えるという。現在看護師の月収はドイツで2050ユーロ、ポーランドは580ユーロ。専門職の流入はまだよいが、ドイツが恐れているのは単純労働者の大量流入。雇用者は経費が下がってホクホクだが、失業者が増加し、社会保障費は増大する。

日本と違いドイツは、1950年代、60年代にすでに各国政府と労働者受け入れの協定を結んだ。数がいちばん多いトルコ系は301万人。ドイツで低賃金の仕事は外国人のものと相場が決まっている。たとえばゴミ収集にドイツ人はいない。工事現場の肉体労働者にもならないし、農村の季節労働者にもならない。ドイツ人が働かない職業は、労働条件は改善されない。日本が金の卵を夜間学校へ通わせ皆で育て、単純作業を知的な任務にし「カイゼン」に結びつけたのとは違う。

ドイツは18歳成人

ドイツの飲酒解禁は18歳。

ビールは16歳から飲んでもOK(アルコール度数が低いので)。



小学校5年で進路が決まるドイツ

日本より教育崩壊している。小学校4年までの一斉教育のあと、進路が3本に分かれる。大学に進学する子どもの行くギナジウム、職人になる子が行く基幹学校、その中間の子が行く実業学校。日本で言う高三までの一貫教育だ。大学進学のチャンスは2回しかない。大学受験はドイツにはない。ギナジウムの卒業試験アビトゥーアが大学試験をかねている。無事にアビトゥーアを取れれば卒業でき、大学に進学できるが、落ちると翌年もう一度だけチャレンジできる。2回落ちると大学進学の道は閉ざされる。

かつてのドイツは職人が努力をして親方(マイスター)にまで上り詰めたなら、その称号は立派なステータスとなり、社会でそれなりの尊敬を勝ち取ることができた。健全な棲み分けができた階級社会で、その階級の境界線を超えようとする人間は稀だった。ところが今日は事情が違う。職人になりたい子どもはあまりいない。親も自分が職人でも子どもは大学か、せめて専門学校に行かそうとする。匠の技術はいまではコンピュータ制御の機械にとって代わられつつある。

それなのに学校制度だけは昔のままで、10歳のときの学校の成績で人生が決まる。家庭からのサポートが受けられない子、外国人労働者の子などの、社会の弱者に属する層の子どもたちが、自動的に基幹学校に組み込まれる。その結果、10歳の子どもが劣等感にさいなまれ、基幹学校の学力の低下と秩序の崩壊は、日本人の想像を絶する。

2010年、ハンブルグで教育の機会均等を目指し、小学校を4年から6年に延長することを決議した。ハンブルグは自治市で、独自の議会を持っている。あまりに早い段階での子どもを選別することへの反省だ。ところがこの決定に対して市民の反対運動が起こった。旗振り役はエリートたちだ。彼らは自分の子どもたちが6年間も有象無象とともに過ごすことは時間の無駄で我慢ができなかった。その結果署名が集められ、市民投票が行なわれ、決議はひっくり返った。学制改革は行なわれなかったのだ。恵まれない子どもの親たちは、事態を把握する時間も経済力も持っていない。おそらく市民投票にも行かなかっただろう。恵まれない子どもたちは、再び切り捨てられたのだ。

学校の掃除を生徒がしないドイツ。宗教起因

ドイツの学校では、教師と生徒が一緒に昼食をとることはない。清掃も生徒がいない間に為される。生徒に清掃などさせると不快に思う親がいるのだ。清掃は仏教では重要なお勤めの一つだが、他の宗教にそういう考え方はない。自分の家は念入りに掃除するが、学校の清掃を自分たちでしようと思わない。

それを思うと、金持ちの子も貧乏の子も、勉強のできる子もできない子も一緒に机を並べ、教師と生徒が共に給食を食べ、教室の掃除をする日本の小学校の図は、進歩的で希望に満ち溢れたものか。

ドイツの休暇の仕組み

有給休暇は年間30日、これに病気休暇(かぜなど)がプラスされる。だいたい年間40日ほど休む。有休は遊ぶためのもので、土日を絡めると年間6週間休める。一般的には夏に3週間、クリスマスやイースターに10日ほど休んで、あとはチマチマ休む。

ドイツの企業では誰かがいなくても、業務が滞らないようシステム構築されている。年次の始めに各人の休暇の大まかなタイムテーブルを決めるのだ。旅のクオリティはピンからキリまであり、収入のあまり無い人を対象にした格安パッケージツアーもたくさんある。職があれば贅沢をいわなければ、誰もが20日ほど砂浜に寝転がって過ごせる。

僕たちは海辺に行った♪
父と妹、そして母
他の人達が散財しているのを眺めていた
あまりお金がなかったんだ

貸し別荘代を払うと
たいした額のお金は残ってなかった
だから僕たちは船を眺め
アイスキャンディーをなめていた
高級ホテル、レストラン
僕たちは前を通るだけ

毎朝早く起きて
浜辺で何時間も肌を焼き
きれいなブロンズ色になった

僕たちは少し悲しかった
それでも夏は美しかった

ステイシーケントで、Les Vacances Au Bord De La Mer♪ 少し切ないフランスのバカンスの風景です。バカンスの無いぼくらの方が、もっと切ないですが。

LES VACANCES AU BORD DE LA MER – STACEY KENT
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