【ユニクロ潜入一年】書評と要約

ユニクロ好きですか?

ぼくはアプリ入れて、ユニクロで買うことが増えてしまった(笑)。自分でいうのもなんやけど、「おしゃれおっさん」になったとおもう。

文春で連載された潜入ルポです。話題になりましたよね。みんなユニクロ好きやから興味津々。

潜入ルポって筆に凄味がある。中に入って働いてみる。いろんなことが見えてくる。

潜入ルポの代表作として、本書で紹介されてたのは以下。
・鎌田慧の「自動車絶望工場」
・大熊一夫の「ルポ・精神病棟」
・鈴木智彦の「ヤクザと原発」

いずれも働き終わってからの執筆。本書は働きながら、文春に潜入ルポを発表した。発売後数日で、ユニクロに解雇されたみたいですが。



<部長会議ニュース>
休憩室の壁には「部長会議ニュース」が貼られている。

「集客力があるマーケティング、販促に全て見直して頂きたい。今週のチラシには基本的な間違いが多く内容もよくなかった。~中略~このチラシは最低のチラシである」

「このチラシには面白みが何もない。コア商品がのっていない。メンズ・ウィメンズ・キッズの集積がなく、このチラシが20%ぐらい売上をダウンさせてる」

柳井節は健在で、うれしくなってくる。

<レジ打ち>
感謝祭でレジに立つ。一息つけるのは顧客がおカネを出すのに時間がかかってるとき、レシートの紙が出る数秒。そこで直立不動のまま深い息を1つ吸って吐き、気持ちを落ち着かせる。

レジを打ってるときは、ただひたすら目の前の顧客と商品だけに集中する。列の長さにはあえて目を向けない。マラソンランナーが小刻みに目標を立てることで、気持ちの負担を少しでも減らし、乗り切るという心理状態に近い。平日のレジ作業より2~3倍働いているという負担感がある。

レジはほとんど戦場のような狂乱ぶり。「レジのところだけ、空気が薄いよね」「ほんと、酸素ボンベが必要なくらい」という冗談が交わされる。

いったんレジに入ると、次の休憩が来るまでの3~4時間、ひたすらレジ作業に忙殺される。1時間、2時間と時間がたつと、肩が強張り、頭の後ろがジンジンとしびれてくる。

<ユニクロの商品点数>
幕張新都心店の時と比べると、ビックロ新宿東口店での作業はずいぶんと楽になった。最大の理由は働き始めて1年以上がたち、商品がほとんど頭に入っていたからだ。ユニクロの1シーズンあたりの商品数は約500点。1年後もその8割以上は前年と同じか、ほぼ同じ商品を売っている。働く側としては、1~2年たつと、その分商品を覚える負担から解放されていく。

<労働時間の上限>
月間労働時間の上限、ユニクロでは240時間未満とされている。しかし10~12月と、GWがある5月はそれを超える。社内では禁止されているが、コンピュータで出退勤の時間を調整して、労働時間を会社が決める上限に収めるようにする。

「こなさなければいけない仕事量が、恒常的に本部が割り当てる人員と、人件費で賄える量を大幅に上回っているため、店長を始めとする正社員が、自主的にサービス残業を行い店舗を切り回していたのが実情」

⇒これ、10年前はどこの会社もそんな感じだったと思います。上司はダメっていうけど、コンプライアンスどおりにやってると数値目標に収まらない。いろんな局面で、自主判断で働いてる人がいた。営業のカルテルとか、製造業の改ざんなんかも、同じようなものだと思う。業務目標シートやめないと、数値目標守るためにみんな猛進する。

以下に読書メモを。



ユニクロの社内英語公用化はどうなったか?

柳井社長は2012年に社内英語公用化を掲げた。「グローバル化で現地で日本人店長が働くには英語が必須。TOEIC700点以上も半年から1年後には多くの社員が達成できるとおもう」

2017年7月の報道で店長クラスの社員はいう。「英語学習は完全になくなりました。あれは数年前の一時のブーム。自然消滅しました。今では店舗の社員が英語学習を求められることは全くなくなり、昇格の際もTOEICの点数基準はありません」

ユニクロは週末の売上で儲ける

朝礼の時間に、その日の売上目標、昨年の売上実績、見込み客数、見込客単価、お買い上げ点数、などを書いて全員で共有する。遅番でもipad朝礼で確認する。同時に当日の人件費なども張り出される。私はその数字をノートに書き込み、エクセルに打ち込んで一覧表をつくってみた。

すると売上と人件費には一定した相関関係があるのが見えてくる。平日の売上と来店客数は、週末や祝日の約半分。

ユニクロが店舗運営で最も大切にする数字「人時売高(売上を人件費で割ったもの)」が、平日に比べ、週末や祝日は2倍、3倍に跳ね上がる。

ユニクロの経営は平日だけではおそらく収支トントン。週末や祝日、感謝祭や年末年始で人件費を抑え、大きな売上をとることで利益を出している。

働く側としては、平日に比べて週末や感謝祭に働くのは2~3倍の負荷がかかる。平日とそれ以外の時給が同じというのは少しおかしい。

こうした人件費は本部の決定事項だから、店舗ではどうしようもない。苦労するのは店舗で人を集めなければならない店長や店長代行者。

ユニクロの脱中国はどうなったのか。海外の人件費

2005年ごろから「チャイナプラスワン」を掲げ始める。それまでの一極集中から東南アジア諸国に分散する。2012年をめどに中国の生産比率を7割まで低下させたい意向。

なぜ中国から東南アジアへ移管させないといけないのか。そうしないと儲からなくなるから。中国の人件費が高騰した。

2007年深圳の一般工員賃金が月額212ドル。2016年は380ドル。上海では2007年241ドルが、2016年580ドル。

東南アジア諸国は安価。2016年の数字で、ベトナムは192ドル、フィリピンで262ドル、カンボジアで162ドル。

製造原価と販売価格の差額がユニクロの利益の源泉。製造原価の大半を占めるのが人件費。国際アパレル企業は常に人件費の安い国へ移動しようとする。

しかし移動は困難。人件費は安いが、技術や生産設備がない。

柳井社長が脱中国を表明し約10年がたち、ようやく中国の工場が、東南アジアに進出する形で、ユニクロの要望に応えるようになった。中国で培ったノウハウを、人件費の安い東南アジアに移植するのだ。

ユニクロ柳井家の持ち株比率と収入

2016年8月末時点。柳井社長の持ち株比率は26.6%。息子の一海氏4.5%、康治氏7.9%、妻の照代氏4.4%。家族4人で43%の持ち株比率。ちなみにセブンの伊藤家で約10%。

柳井社長の役員報酬は2.4億円。年間配当金は1株当たり350円なので約1百億円の配当金を手にする。これを収入とするなら、従業員の平均賃金760万円との格差は軽く1千倍を超える。さらに柳井社長の総資産は2兆円。



今週初登場1位のラッパー、XXXTENTACION♪
ラッパーって、まあいわゆる犯罪者です(笑)。抗争してるギャング同士が、ラッパー抱えて相手をディスる。麻薬なんかの縄張り争いして、ビーフしてる奴がころしにくる(笑)。ライブ中に殴られて失神したXXXの動画はこちら

XXXはクラスメイトの顎を壊して学校は追放。強盗、暴力、武器所有で3度逮捕。浮気して妊娠した彼女の顔をボコボコにするし。なんでこんなのが売れるんだろう・・・

XXXTENTACION で、SAD♪ まあ声はカワイイし、マッチョなルックスグッドだからか。知る限りこれだけ声のいいラッパーはいないので、ドレイクのいい後継になるかも。ドレイクは育ちがいいけど、XXXTENTACIONはこれ以上犯罪しないことが条件。辛抱できるかな。

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