日本の音楽市場は今後どうなるのか?
まずコンテンツ関連の日本市場概略です。映像市場は4兆3千億円、ゲームは1兆7千億円、図書・新聞・画像3兆7千億円。
音楽・音声市場はどうか。総額で1兆3千億円。内訳は以下。
音楽ソフト:4千億円
カラオケ:4千億円
コンサート入場料:3千億円
ラジオ関連サービス:1千億円
携帯電話・ネット配信:1千億円
このうちいわゆる音楽ビジネスは2016年でどうなっているのか。
音楽ビジネス市場2016年=6086億円。内訳は以下。
原盤ビジネス2986億円、ライブ市場3100億円。
原盤ビジネスの内訳は以下。音楽ソフト市場2457億円、音楽配信市場529億円。
2015年までは過去に一度グラフにしたので再掲。
世界の音楽市場について。
米国、日本、ドイツ、イギリス、フランスの5カ国で全市場の75%を占めている。
日本の音楽市場は24億4700万ドルとのこと。
これが原盤ビジネスなのか音楽ソフト市場(サブスクがプラスされる)なのかは不明。
1ついえるのは米国の約半分の市場だという事。
日本の音楽売上は今後どうなるのか? 個人的な推測です。
①米国との人口比率まで売上が減少する。
日本は米国の3分の1の人口。米国の3分の1の規模、16億ドルまで日本市場は縮小する。
なんとかCD比率を維持して売上を維持してるが、ストリーミングの濁流に飲みこまれる。
②英語と日本語の言語人口比率まで売上が縮小する。
英語は16億人が話せる言語。日本の10倍以上の人口がいる。
英語圏の売上の10分の1程度になる。
米50億ドル、英14億ドル、カナダ&豪7億ドル、その他3億ドルと仮定する。
合計が約75億ドル。x10分の1すると約8億ドル。
③ものごとは中庸な結論となることが多い。
なので①と②の中間的な数字となる。12億ドルぐらいになる。
これは現状の約半分の売上。日本のレコードレーベルは今後10年で半分になるのでは?
みなさんはどう思われますか?
以下にその他の読書メモを。
CDの製作コスト内訳
現在アルバム1枚3000円としたシュミレーション。
(CD制作関連費)20%=600円
①著作権印税(作詞家、作曲家) :6%(180円)
②アーティスト(歌唱)印税 :3%(90円)
③マスターテープ制作費(10曲) :5%(150円)
④CD製造費(ジャケット制作費含む):6%(180円)
(販促関連費)40%=1200円
①通常の広告費:15%(450円)
②レコード店 :25%(750円)
(レコード会社)40%=1200円
①レコード会社:40%(1200円)
アルバム10万枚の販売を目指して3万枚売れた場合の試算。
支出(初期投資)としては、「CD原盤制作費」が1600万円。「宣伝販促費」に2000万円。合計で3600万円かかったとする。
収入は「売上=3000円x3万枚」x粗利40%=3600万円。3万枚で収支がトントンになる。
もし定価が2000円に下がっても初期投資費用は変わらないので、5万枚が収支トントンのペイラインになる。
ちなみにリクープ率(収支トントン以上)は1~2割程度。リクープした音楽CDが爆発的に売れることで、売れない音楽家の損失を補てんする。
⇒出版と同じ構造ですね。売れた人の利益でまだ売れてない人をまかなう。確実に売れるとわかってたら、レーベルに所属しないほうが総取りできる。チャンスザラッパーは賢かった。
1年にデビューするアーティスト数
音大を出てもプロになれるのは5%ぐらい。日本のメジャーレーベルからは、だいたい毎年400組前後のアーティストがデビュー。2005年以降では2005年が最低で307組、2008年が最高の512組。2016年は447組がデビューした。しかし売れ続ける人は、リクープ率から考えてもわずか。
メジャーレーベルから新人デビューするには、投資に合ったリターンが見込めることが条件。たとえばインディーズで、コンスタントに5000枚以上売れているという実績。
メジャーデビューしなくても、音楽を演奏したければライブハウスに出演したり、CD出したければインディーズで制作して、CDショップに並べることもできる。規模の差はあるが、メジャもインディーズもやってることに変わりはない。
ライブ・ネイションとは何か?
デジタル化の潮流のなかで大物ミュージシャンは、「レコード会社」から「イベント会社」へ移籍している。
マドンナは2009年に所属レコード会社と契約解消。イベント興行会社最大手のライブネイションと契約。10年の長期契約で1億2千万ドル。1年に12億円程度。アルバム3枚のリリース、ライブツアーのマネジメント、グッズ販売、ブランドライセンス供与。マドンナはCDの利益より世界ツアーの利益が大きいと踏んでの契約。U2やレディ・ガガも同様の契約をしている。
ライブネイションの売上比率は、チケットセールスが3分の2。ライブそのものは儲からない。多数の有名コンサート会場を所有しているが、維持費、固定費、音楽家への支払いで消える。観客数が増えると警備員やスタッフの数も増え、経費も増加する。そこでグッズや飲料の販売、スポンサーフィーなどで収益を得ている。
LNE(ライブ・ネイション・エンタテイメント)は2010年に誕生。プロモーター大手のライブネイション社と、チケット販売大手チケットマスター社との合併会社。独禁法違反のおそれで、米司法省から1年間「待った」がかかった。
司法省の提示した条件は、大学スポーツイベント向けチケット販売部門の売却、コンサート会場運営者が他社へ委託した場合の報復禁止条項など。
かくして音楽家のマネジメントからコンサート会場の手配、チケットの販売まで。
一括して扱う巨大企業が誕生した。
家賃の期日は明日♪
僕の名前じゃ カネを稼げなかった
僕なりに成功しようと頑張ってきた
だけど新しい仕事を探した方がいいのかもしれない
僕は自分にこう問いかける♪
ミュージシャンになるってことは何なのか
ミュージシャンとして生きていくことは簡単なことじゃない
僕は敢えて険しい道を選んだ♪
なぜかと思い悩む必要はない
昔は僕もチャンスをものにしようと希望を持っていた
だけど高望みし過ぎたのかもしれない
そして僕は微笑み続ける♪
痛みを忘れるために微笑んでいる
シルバー1976年の名曲で、ミュージシャン♪ いいアルバムでしたが、この1枚で解散してしまった。LP持ってます。76年はホテルカリフォルニアが出た年です。ファイアフォールの1stも出た。良作ザクザク。プロ野球選手みたいに、生き残るのは大変だ。
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サンフランシスコの日本音楽業界の動向…….
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AliAliVe2020 Around the World -Re:AliVe-
AliA
Phoenix Ash
Jan 04
Doors: 7 PM Show: 8 PM
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