東京都立大の准教授が自らマッチングアプリで婚活をして、その問題についてまとめた一冊。
准教授は経営学が専門。経営学博士です。
40代半ばで家族に結婚をせっつかれ、真剣に婚活をしています。年収は約10百万円。彼の婚活は悲しいものとなりました。しかし本(作品)ができた。
目次
未婚化、晩婚化の原因
・1975年の平均初婚年齢。男性27.0歳、女性24.7歳⇒2006年は男性30.0歳、女性28.2歳。
・晩婚化に歩調を合わせて出生率は低下。
・晩婚化の主因は非正規雇用化と給与削減。結婚できる経済的状態にある人が少なくなった。
・見合い結婚の減少。高度成長期の見合い結婚率は大都市で40%、町村で64%を占めていた。1970~80年代には30%に減少し、2000年代には10%を切る水準まで低下した。
・出会いの機会減少。雇用の不安定化により職場恋愛が成立しなくなった。
・女性の求める年収1000万円を超える収入を得ている男性は5%弱の250万人しかいない。
なぜ男余りなのに女性が余っていると言われるのか?
・2015年の出生動向基本調査によれば、結婚適齢期といわれる20~34歳の未婚男女の人口差は約99万人の男性余り。1つの要因は35歳以上の男性と初婚女性とのマッチング。
・なぜ女性余りといわれるのか?未婚女性の約72%が400万円以上の年収を男性に希望している。それに対して20~34歳未婚男性の平均年収は400万円未満が81%を占めている。
・2019年の出生動向基本調査から結婚に前向きな未婚女性は約308万人。彼女たちが希望通りに年収400万円以上の男性を求めた場合、約163万人の女性余りとなる。
・婚活市場では結婚願望のある女性が、19%の男性を奪い合う構造となっている。
星野源で十分、星野源はふつう問題
・論争の発火点は、TV番組において鈴木リュウが「婚活女性がいま求めているのは、かつての高い理想ではなく普通の男性。身長165㎝以上で体重は60~80㎏。都内では500万円以上稼ぐことができる仕事。地方であれば銀行など大手企業や公務員を職業としている男性」と紹介したこと。
・しかし都内の25~35歳の独身男性のうち、年収500万円以上の男性は上位22%。まったく普通の男性ではない。
・結婚相談所連盟のカウンセラー曰く「年収500万円以上をクリアできるだけで男性はハイスペックといっておかしくない。さらに星野源のような、清潔感のあるそこそこの見た目、年齢差3歳以内、そこそこのコミュ力という条件が重ねられていくと、その条件を満たせる男性はもはや超ハイスペックである。婚活女性には現実と大きく乖離している’’普通の男性像’’を、見直していく必要性がある」。
・一方で女性側に立つと、年収400万円を稼ぐ婚活女性が、結婚後に専業主婦として同等の生活水準を求めるなら、最低でも相手には年収800万円が必要であり、年収500万円は相当に妥協した希望だ。
・女性は結婚により生まれ変わり自分の人生を取り戻したい。善意に基づくアドバイスでも女性の「生まれ変わりの希望」を諦めさせるのは難しい。
婚活サービス業が成婚数を増やす2つの方法
1.陳列棚の再設計
現在の問題点。結婚する価値のある男性と、価値のない男性があまりに乱雑に陳列されてしまっている。
女性も入会金と月会費を支払う本気度の高い結婚相談サービスは、入会時に年収、職業、容姿で男性会員をランク分けして、ランクごとに検索できるシステムすべきだ。
HiHi男性を経営資源としてすぐに仕入れられる体制を構築すべき。LowLow男性には残酷だが不利な条件で退会を促す。
2.マッチングの申込は女性のみの権利にする
婚活総合サービスは男女ともマッチング申込を行う仕組みになっている。容姿に優れた若い女性は、多くの男性会員から1日数十件のマッチング申込が届く。婚活女性にとっては関心もない男性からのマッチング申込があること自体がストレス。面会の場で自己開示を徹底的に避けるという対応を生み出す。
多くの男性からマッチング申込が届くという状況そのものが、婚活男性を商品として選ぶという婚活女性の戦略につながっている。
感想
身近にマッチングアプリ使ってる男性が2人いたので、どんな感じか聞いてみました。
①40代半ばバツイチ
・女性の写真はほぼ詐欺
・申し込みしようとしたら課金しないとダメ
・あんまり使えない。いい人に出会ったことない
⇒否定的な意見でした。ルックスも悪くなく、コミュ力もある人ですが。
②20代半ば独身
・彼女と2か月前に別れたばかり。真剣に彼女を探しはじめた
・工学部院卒。開発職。年収は600~700万円。若年では高所得
・職場のチームに女性ゼロ。
・コロナ下で職場の人と飲み会はない。食堂ランチも私語禁止。会社関係で男女の出会いゼロ
・利用しているマッチングアプリは住所と顔写真のみ明示されている
・クリックすると、年収、学歴、職業などが確認できる。社名や学校名を書く必要はない
・男性は月会費3000円、追加費用はない。女性は無料。友だちから紹介されたアプリ
・週に1回は会っている。20代前半~25歳ぐらい。保母さん、看護師など女性職場が多い
・会うためのコツ、誘うのは電話がいい
・会うのはランチか夜めしが多い。女性からランチ指定のときもある
・夜酒飲みながらのほうが打ち解けやすいので相手がよくわかる
・5人ほど会ったが、いいなと思った1人は断られた。4人はこちらからフェイドアウト
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donさん、こんばんは!
今年もよろしくお願いします。
ご紹介の本、読んでみたいです。
実は7-8年前に僕もマツチングアプリで婚活してました。
半分くらいは興味本意でしたが、面白い経験ができたような気がします。
記事にしてみようかな(笑)