タイトルに惹かれて読んでみました。
パワポ否定本かと思ったら違った。
・パワポ1枚は3分で説明すべき。
・文章は150字~200字で一段落として区切るべき。
パワポは1枚5分の説明だと遅い。先のページを読み始める人がでてくる。3分ですべき。ポイントファーストの構成にすべき。核心を最後に持ってくるともたない。
ダラダラ文章がびっしり続くと読む気がしない。フォント12で3行で150字、4行で200字ぐらい。改行ないと息がつまる。
読むスピードはアナウンサーで400文字1分、一般人なら2分です。
著者は37歳と若い。今週の日経ビジネス(5月25日号)で紹介されてた。阪大の経済出て、電機メーカー、自動車メーカーの調達購買を経験した後、調達購買コンサルとして独立。テレビのコメンテイターしたり著作をたくさん出してます。「牛丼1杯の儲けは9円」とか。
営業系のノウハウ本は星の数ほどあるけど、調達購買関連の本は少ないです。ニッチな分野で需要はあると思う。
コストダウンに絡ませた、調達出身コンサルの講義は何度か聴いたことがあります。講師はだいたい大手ファブ(素材系じゃなくて組立産業系)出身者です。
一口に調達関連と言っても、請負派遣、設備、加工外注、購入品、物流、原材料等、いろいろあります。
自分達の分野と違う講師をまねくと、あんまり参考にならない。なにより交渉力は、個別状況や発注量によってがらりと変わります。ある程度の気づきをもらって、やり方は自分らで考えるしかない。
目次です。
1章:プレゼンの上手い人は、何文字で資料を作り、何分喋るのか?
2章:文章が上手い人は、一つの文章にメッセージをいくつ入れるのか?
3章:営業が上手い人は、一ヶ月に何回顧客に会いに行くのか?
4章:講演が上手い人は、何パターンネタを持っているのか?
以下に読書メモを。
資料作成前に5つの項目を明確にする
5つの項目は、目的、対象者、メッセージ、ストーリー、媒体。
「何をしてほしいかわからへん」資料はイタい。
対象者には注意すべき。
決裁権のある社長と担当者では説明内容は変わってくる。相手の知識のありorなしも同様。
A4 1枚にストーリーチャートを作成する。現状、問題点、具体的施策、効果予測の順で。
媒体とは、ワード、エクセル、パワポ、印刷物、などの他に、飲み会で「弊社の製品をお願いします」と一筆添えて商品券を渡す等もふくまれる。
どのアプローチが最適か明確になったのち、エクセルやパワポで資料をつくることになったら、
・5つのボックス
・ストーリーチャート
・手書きのラフイメージ資料
を関係者と合意してから資料を作成しはじめる。資料を依頼したら、完成するまでどんなものが出てくるかわからない、「運を天に任せる」型社員より、あらかじめ完成物が予想できる社員のほうに仕事を頼みたい。
文章の漢字比率は28%以下に抑える
著者はベストセラー本を裁断し、OCRを使って文字データ化した。Visual Basicを使って漢字比率を計算するプログラムをつくった。ベストセラー本は、全文字数のうち漢字が25~28%を占めた。
漢字比率が30%を超えると堅苦しくなる。20%なら、かなり柔らかすぎる。
⇒これ、いつも思います。とくにひらがなだらけなのは、司馬遼太郎のエッセイや、村上春樹のエッセイなんかです。え、それもひらがなで書くの、と何度おもったことか。
リテンションマップ
どうすれば会社間の人間関係を維持できるか?
しかるべき役職者が、先方のしかるべき役職者に会って面談しているか。その事実が重要。会話の中身じゃない。会った事実が重要。有力な取引先が10社あるとする。年度初めに下記のリテンションマトリクスを10枚用意する。
面談をするたびに、マスに「正」の字を書いていく。年度末には、すべてのマスを埋める。先方の本部長と、自社の本部長が会ってなければ、トップ間の情報交換不足となる。泥くさいが、面談時間の多さと取引量の大きさには比例関係がある。トップ間の仲が良ければ、担当者は助けられることが多い。
マトリクスを埋めるための出張は、飲み会続きの遊びのようなものになるが、両社の関係維持には重要である。