「日経平均10万円時代が来る」まとめてみた

日経平均推移

運用資産1兆円ファンドのCEOが書いた本。以下に読書メモを。

・日本株市場は長期的には上昇する。ゴールを定め徐々に変わってきた

・10年後2034年には日経平均株価は10万円になっている

・起点は2014年2月経産省の伊藤レポート。この中で「ROEの目標水準8%」を宣言したこと

・世界の投資家は「資本コストは平均して7%程度」を目安としている。ROEはそれを上回る8%あれば多くの投資家が納得できる

・現在東京証券取引所は「PBR1倍割れ」の上場企業には、改善策を開示して実行するよう要請している。ROEは8%を超えるとPBRも高いという相関関係がある

・伊藤レポートだけではなく、金融庁と東証からも会社のガバナンスコードが示されて、日本の上場企業は2014年以降は具体的な行動の改善に取り組むようになった。たとえば「3分の1以上の社外取締役の選任」は上場企業では2014年6.4%⇒2022年92.1%と大きく改善

・ROE逆ツリーでKPIも明確化
ROE逆ツリー

・日本では主要企業の4割が依然としてROE8%未満、PBR1倍割れ。しかしじわじわ効果が現れてきている。
日本では主要企業の4割が依然としてROE8%未満、PBR1倍割れ

・日本はデフレからインフレへ転換しつつあり日本の株式市場は激変する。吉野家の牛丼並盛は日本で468円。アメリカでは1500円。円安影響もあるが10年後には日本でも最低1000円にはなっている

・人が全く足りていない。戦後空前の人手不足。ちなみに氷河期は異常に過剰だった人手不足推移

・これまでは女性とシニアの労働参加率の上昇、外国人労働者の増加で補ってきた。しかし女性とシニアはこれ以上の上昇は望めそうもない。外国人は円安で日本で稼げなくなったので来なくなる
人手不足

・労働力不足はインフレの大きな要因になる。そのほかにカーボンニュートラル、生成AI は莫大な電力需要が必要、天然資源価格上昇などもインフレ要因

・インフレだと日経平均は上がる。吉野家の牛丼は10年後に1000円になり、株式市場は名目経済の動向を強く反映するので、日経平均は3倍程度の10万円になるのは奇妙な話ではない

・インフレ時代は大企業が優位になる。デフレ時代とは変わって資産や人手を抱える経営がプラスの価値になる

・まとめると「日経平均株価10万円」は、①インフレの進展 ②大企業の変化 ③次なる希望の新興企業の台頭、の3つが揃うと達成する

PBR1倍割れとは

もし株価が1000円で、1株あたりの純資産が2000円の会社があるとすると「解散すると1株あたり2000円の価値がある企業なのに株価は1000円」という状態。PBRとは「株価÷1株あたりの純資産」なのでこの会社のPBRは「1000÷2000=0.5倍」。

そのような株価が安すぎる会社は、上場をやめて会社を解散し株主たちで資産を分け合ったほうがいいということになってしまう。

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