【知の逆転】要約まとめ

現代の叡智6人に、吉成真由美がインタビューした一冊。吉成氏はMIT⇒ハーバード大学院卒の元NHKディレクターでサイエンスライター。6名は以下のメンバ。

ジャレットダイアモンド
「銃・病原菌・鉄」でピューリツァ賞受賞。ハーバード卒。カリフォルニア大学教授、12ヶ国語に通じる。

ノームチョムスキー
プラトン、フロイト、聖書と並んで、最も引用回数の多い著者。NYタイムズ曰く、生きている人の中で最も重要な知識人。MITの言語学教授。

オリバーサックス
レナードの朝、音楽嗜好症などの著者。脳神経科医。オックスフォード卒。現在はコロンビア大学教授。

マーヴィンミンスキー
人工知能(AI)の父。AIの開拓者で、2001年宇宙の旅のアドバイザー。現在はMITの教授

トムレイトン
MITの応用数学教授。98年にアカマイ社を共同設立。アカマイ社のサーバーは世界で9万台設置され、インターネットの総情報量の15~30%、ワイヤレス情報量の60%がアカマイ社を通して流れる。

ジェームズワトソン
DNA二重らせん構造の発見によってノーベル賞を受賞。

それぞれの叡智が何を語ったか、心に残った部分を。



ジャレットダイアモンド

・地理的な条件が文明発展のカギを握っていた。西欧の成功はたまたま良い気候に恵まれ、家畜化できる野生動物や農業化できる野生植物が近くにあったということ。能力が他の地域より優れていたわけではない。アフリカが貧しいのは、熱帯気候で、衛生上の問題、黄熱病などの病気、土地が不毛であること、などの地理的な要素による。

・アメリカは崩壊寸前のローマ帝国のよう。アメリカ人の消費の半分が浪費。国家間格差がある限り紛争は続く。

・若い人に薦める三冊:
ヘンリーデヴィッドソロー「ウォールデン 森の生活」、
トゥキディデス「戦史」、
アルベルトシュバイツァー「ヨハンセバスチャンバッハ」

・無宗教者でも、宗教を持っている人と同じように、喪失感を癒すことができる。心理学者がすすめる方法、友人や親戚と交流し、喪失とそれにともなう怒りをそっくり受け入れて、新たな人間関係をつくり、新たな興味をつちかうことで、少しづつ癒していく。

ノームチョムスキー

・市場原理だけでは必ず破綻する。民間ビジネスは強い政府によって保護されることを望んでいる。もともとの基盤テクノロジーは、公共部門(国民の税金)で開発されたもの。市場原理に従ってる金融部門は、くり返し破綻し、そのたびに政府が救済する。

・アメリカが19世紀に発展を遂げたのは、より優れた英国製品の流入を制御すべく、世界一高い保護関税をかけていたから。先進国はみなこのように発展した。

・政府による規制は不可避。市場取引はその際他の人にとってどれだけコストがかかるか(損害があるか)、ということは計算に入らない。ゴールドマンサックスは儲けたが、金融システムは崩壊した。環境問題も外部コストで取引価格に考慮されない。

・侵略者はいつだって気高い志に燃えている。

・早期教育は海兵隊員や労働者になるための訓練としてはよい。自分から知りたいと励ますのが教育だ。

・大学の私立化は大学を特権階級のものにしてしまう。

・推薦図書:自分で発見するのが一番



オリバーサックス

・薬が患者の世界を、生気のない灰色のものにしてしまう。

・音楽にあわせてダンスできるのは人間だけだ。

・ダーウィンは音楽が先で言語は後だと考えていた。ハーバートスペンサーはその逆だと提唱している。ダーウィンは音楽について一章丸ごと論じている。エマ夫人はショパンの弟子だった。

・若い人に薦める10冊:
ダーウィン「ビーグル号航海記」、
HGウェルズ「短編集」、
メアリEウィークス「元素発見の歴史」、
ジョージガモフ「不思議の国のトムキンス」、
チャールズディケンズ「二都物語」、
ルイスキャロル「不思議の国のアリス」、
スティーブンJグールド「パンダの親指」、
シェークスピア 「テンペスト」他、
ジョージダイソン「チューリングのカテドラル」、
コナンドイル「シャーロックホームズ」

マーヴィンミンスキー

・集団の中に一般的な叡智があるとは信じられない。科学の叡智は、いつも個人知能によってもたらされた。

・なぜ福島でロボットを送りこめなかったのか。人工知能分野の失われた30年。チェスには勝てても、ドアも開けられないコンピュータ。ロボット工学のエンタテーメント化が原因。人間がするようなことをロボットができても「そんなことは簡単だ。子どもでもできる」、と言われて評価されないと研究者が思っているのでは。

・カールユングの人気は全くおかしい。科学分野からとうに消え去っている。フロイトの学生だったユングは面白い理論を構築する。その過程で異なるいろんな文化が実は同じようなアイディアを持っていたことに気づく。たとえば、それぞれの文化の伝説や神話がやたら似ていると。ユングは全ての人々の心は、何かテレパシーのような神秘的な方法で、コミュニケートしているんじゃないかと考えた。これにフロイトが怒って二人は口も利かないようになった。

・自分は小説をほとんど読まない。たいていの小説はまず人々の問題があり、それをどうやって解決するか、うまく解決できてハッピーエンドになるか、うまくいかなくて罰を受けたり死んだりするか、100冊小説を読んだら、みな同じなんだ。

トムレイトン

・将来すべては携帯型機器へ移行する。携帯型へ移行すると、情報流通量の限界とサイバー犯罪が大問題になる。

・ウェブ上でいろいろなことを携帯機器を使ってやろうとすると、音声の場合の100倍もの流通量になる。4Gが実現したところで、4Gはおそらく現在の2倍ぐらいの流通量の提供にしかならない。

・戦争になったら、インターネットは最大のターゲットになる。

・教育のオンライン化は避けられない。

ジェームズワトソン

・脳、老化、メタボリズム、この3つが将来最も重要な生物科学分野の研究課題。なぜガンのことを挙げなかったか。ガンはもう対処できる寸前まで来ていると思う。ガンを理解するということは細胞を理解するということ。いまやっと細胞を理解する段階に来た。

・新約聖書の多くの部分は、パウロによって作られた、完全なおとぎ話だということを我々は既に知っている。

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