【宇宙が始まる前には何があったのか/ローレンス・クラウス】書評と要約

宇宙の年齢は137億2千万歳だそうです。2006年ごろに、衛星を使ってビッグバンから経過した時間を精密に測定できるようになり、詳しくわかるようになったと。

僕には専門知識がないので、かなり難解な一冊でした。むかし新書大賞を取った村山斉の「宇宙は何でできているか」も難しかったし、この前読んだ竹内薫の「まだ誰も解けてない科学の未解決問題」も難解でした。

そんなレベルなので、ディラックの方程式や、アインシュタインの論文の中身を説明されても、読み飛ばすしか方法がありません。結論はなんとなく理解できるのですが、そこに至る証明の部分を理解できない。さらに著者はもってまわった話が長いタイプで何やら哲学者みたいです。

読んだ本をわかりやすく要約する事を目指したブログなのに、自分が理解できてないものを提示するのもどうかと思いましたが、アメリカでベストセラーになった、「種の起源」に匹敵する衝撃の一冊ということなので、印象に残った点を紹介しておきます。




宇宙の始まりの無とは


現時点の科学では、われわれの宇宙は無から生じたという説が説得力がある。

2種類の無がある。
・あらかじめ存在している空っぽの空間から何かが生じる場合。
・空間が存在しないところから空っぽの空間が生じる場合。

本書では後者の、空間も時間も存在しない状態から時間と空間が生じることも、可能だと説明する。(すいません、理屈はうまく要約できないので、知りたい方は本書で)

⇒2種類の無という考え方は、これまでモヤモヤしてたものを、すごくすっきりさせてくれました。

暗黒物質(ダークマター)と暗黒エネルギー(ダークエネルギー)の違い

銀河の物質の大部分を占めている目に見えない物質を暗黒物質(ダークマター)と呼び、空っぽの空間のエネルギーを暗黒エネルギー(ダークエネルギー)と呼ぶ。

暗黒エネルギー(ダークエネルギー)が宇宙の膨張を加速させており、銀河団には質量の30%、空っぽの空間に含まれるエネルギー(暗黒エネルギー)が70%と想定される。

銀河団の質量の大部分は、光を出さない暗黒の質量(ダークマター)として銀河と銀河の間に分布している。それは目に見える物質に含まれる質量の40倍にものぼる。(目に見える質量とは、星と、星を取り巻く高温のガスなどを含む。星だけの質量で換算すると300倍にもなる)

⇒空っぽも含んだ宇宙空間には、目に見えるもののエネルギーはわずか1%(≒銀河団の質量の割合30%÷40倍)しかない。99%は目に見えないものであり、それがないと計算が成り立たないと言うことです。

ひも理論の問題点

過去四半世紀のほとんどを通じて素粒子論を牛耳ってきた「ひも理論」。その問題点はこの理論を四次元で定義しようとすると数学的に矛盾が生じ、もっとたくさんの次元が必要になる事だ。しかしわれわれのこの宇宙には、四次元以上の空間次元などありそうにない。

(4次元超立方体)

ひも理論によれば、物理量を計算したときに無限大が出てくるという困った事態を避けることができる。ただしそれは26次元の世界である場合であった。その後の研究により1980年代の半ばには、理論が無矛盾であるために必要な次元数を、十次元まで減らすことができた。

ひも理論の長所は、ひとつの十次元「マルチバース(多宇宙)」の中に、さまざまな四次元宇宙を埋め込むことができて(四次元だけでなく、五次元、六次元、さらにもっと高い次元の宇宙を埋め込むことができる)、どの宇宙も異なる物理法則を持ち、真空のエネルギーも異なる値であるようなものを考えることができる事。

ノーベル物理学賞を受賞したフランク・ウィルチェックは、ひも理論家たちは、物理学の新しいやり方を発明したのかもしれないと述べた。まずはじめに白い壁に向かってダーツを投げる。それからダーツが当たった点を中心として的を描くという。

⇒オーソドックスな実験重視の物理学者からしたら、なんでもありの後だしジャンケン的な理論なんでしょうね。

以下に目次を。




第1章 いかに始まったのか?
始まりの一秒。百億度のプラズマ状態。陽子と中性子が結びついては、さらなる衝突のためにふたたびバラバラになる。ビッグバンモデルでさかのぼる原初の宇宙の状態とは。

第2章 いかに終わるのか?
「開いた宇宙」「閉じた宇宙」「平坦な宇宙」のいずれかで、終末のシナリオは3つある。この予想の鍵を握るのが、目に見えない大量の暗黒物質(ダークマター)だ。その正体を捉えることはできるのか。

第3章 時間の始まりからやってきた光
生まれて間もない高温の宇宙で発せられた光の残照、それが宇宙マイクロ波背景放射である。宇宙誕生の瞬間を見ることは不可能だ。しかし誕生から30万年後の姿は見ることができる。

第4章 ディラックの方程式
ミクロなスケールの世界を記述する量子力学。そこでは何もないところから仮想粒子が生成消滅する。特殊相対性理論と量子力学を結び合わせたディラックは、宇宙の始まりにも関係する重大な発見をする。

第5章 99パーセントの宇宙は見えない
エネルギーを含んだ空っぽの空間の中に、「暗黒物質(ダークマター)」の海があり、わずか1%の目に見える物質がその海の中に浮かんでいる。それが現在の物理学が到達した宇宙像なのである。

第6章 光速を超えて膨張する
われわれに観測可能な宇宙も、膨張の速度が加速し、やがて光速を超える。アインシュタインが課した制限速度も、空間そのものにはあてはまらない。

第7章 2兆年後には銀河系以外は見えなくなる
宇宙がこのまま膨張し続けると、2兆年後にはすべての天体が遠ざかり姿を消す。ビッグバンの手がかりも消えるだろう。われわれは宇宙を観測できる貴重な時代を生きている。

第8章 その偶然は人間が存在するから?
インフレーションモデルやひも理論によると、宇宙はひとつではなく無数に存在するという。とするとわれわれの宇宙は、人間が存在するのに適した宇宙に過ぎないのではないか。

第9章 量子のゆらぎ
現在の量子力学は、何もない場所に量子のゆらぎが生じ、あらゆる構造を生むことを説明する。つまり何もない場所が何らかのエネルギーを持つことができるということだ。

第10章 物質と反物質の非対称
量子力学と相対性理論によれば、物質に対応する反物質は必ず存在し、それらは打ち消しあう。しかしビッグバンの最初の状態では、わずかな非対称があった。それがわれわれを生んだのだ。

第11章 無限の未来には
何もない場所から、何かが常に生まれている。しかし、おそらく遠い未来には、無がふたたび宇宙を支配することになりそうだ。

平行宇宙(多元宇宙)の最深部♪
最初に何があったのかは♪
誰にもわからない♪

レッチリで、パラレル・ユニバース♪

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