紙パック日本酒1000円前後ランキング、熱燗におすすめは?

熱燗、飲んでますか? 今日は紙パック熱燗酒ランキングです。

条件は一升1000円前後。細かくいえば1250円ぐらいまで。まず結論。

順位 銘柄 日本酒度 酸度 コメント
1位 菊正宗上撰生酛辛口 +5.0 記載無 菊正宗本醸造より辛くない
2位 黒松白鹿純米 +2.0 1.4 アマゾン純米酒人気No1で高評価
3位 菊正宗上撰本醸造 +5.0 1.5 グルメな池波正太郎の愛した酒
4位 白鹿上撰 +1.0 1.3 日本酒ブロガー推薦

以下に日本酒度酸度を説明しておきます。

日本酒度は日本酒に含まれる糖度を数値化したもの。一般に「+1.0~5.0」で中辛、「+5.0以上」で辛口。プラスになるほど辛口になるといわれている。日本酒の味わい(口あたり)は酸度によっても変わってくる。乳酸、クエン酸、リンゴ酸などの含有量を示したもの。0.5~3.0程度の数値は、高いほど芳醇で濃厚(辛口)、低いほど淡麗(甘口)



やっぱ寒い時は熱燗ですよね。冬以外は晩酌でワイン飲むことが多いです。しかし冬場は焼酎かウイスキの湯割り、もしくは熱燗になります。体が冷えてるのに、野菜室で冷やしたワイン飲む気になれん。

「夏子の酒」読んで長らく純米厨でした。セブンブランドの紙パック純米酒が、1000円でお気に入り。セブンのは冷(室温)ではクセのない飲みやすい酒なんですが、熱燗にすると、エグみ(苦みや渋み)や雑味を感じます。紙パック1000円前後で、熱燗に美味い酒はないのか?

調べてみると、やっぱ1000円の純米酒は無理がある。感覚的には本醸造は2000円前後、純米酒は2500円前後が適正価格か。

日本酒をすっきりした味わい(雑味のない味)にするには、結局コメを削るか(精米歩合を上げる)、適量をアル添するしかない。「アル添」とは「醸造アルコール」を添加することです。米を削ると原価は高くなる。一升1000円で売るにはアル添がベター。

醸造アルコールとは何か?
『ペットボトルで販売されてる安価な焼酎(焼酎甲類、連続式蒸留焼酎)と同じ様なもの。トウキビなどを原料とした蒸留酒で、連続蒸留することで100%に近い純度の高いアルコールとなる。清酒に添加するときは、通常アルコール分30%に調整するが、原料由来の味や香りはほぼ皆無で極めてクリアなもの』

日本酒は兵庫と京都で、日本の半分つくってます。兵庫が30%、京都が20%弱。六甲の硬水「宮水」、伏見の「伏水」と、播州の山田錦(山田錦は80%が兵庫県産)がマッチした。

新在家から甲子園まで、有名蔵が所狭しと立ち並ぶ。

灘の酒蔵マップ。こうしてみると大手が勢ぞろい。

量販店に行くと、大手酒造メーカーの紙パック純米酒が数種類置かれてます。沢の鶴とか松竹梅とか白鶴とか。ひととおり飲んでみました。このクラスはあんまり味に違いがない。どれ飲んでも同じように感じる。

なんていうか、ばりばりの清酒(普通酒)は飲んでない。「大関 のものも」とか「月桂冠 月」とか「白鶴 まる」あたり。美味いのかもしれないけど、ちょっと敬遠してます。ちなみに日本酒生産量の3分の2は普通酒。3分の1が本醸造以上。

日本には1260の酒造業者があって、4~5万種類の酒を造ってる。6年ほど日本酒バーに月一回通ったので300種類、人生通算でたぶん400種類は日本酒飲んでると思うのですが、それでも日本酒の1%ほどしか飲んでない。

その程度の人間が日本酒語ってすいません(笑)。

ぼくの知らない1000円前後の、晩酌に最適な紙パック日本酒が、日本のどこかに存在するのかもしれません。



酒豪の先人の意見

日本酒ベストバイを探究する中で、参考にしたのは酒豪の先人の意見。

黒松白鹿純米は、アマゾンのレビューがべた褒めで、アマゾン売上は純米でトップ。じっさい熱燗にした時、えぐみも少ない。少ないだけであることはあるが。たとえば2015年熱燗コンテスト最高金賞「八重垣純米」とかとは比較できない。八重垣は熱燗にしても苦みみたいなものが全くないのだけど、価格が税抜2000円する。

菊正宗上撰本醸造は、池波正太郎。彼ほどの食通が、飲み続け愛した酒が菊正宗。剣客商売も好きやし、池波先生がそれほど推すならと飲んでみる。他の酒と一線を画す。辛すぎて「ゲっ」とおもうのですが、辛いと飽きはこないし、どんな料理も受けとめてくれる。

同価格で本醸造じゃない菊正宗は、量が2Lと10%ほど多い。こちらのほうが辛さが薄くなって、本醸造より飲みやすい。

菊正宗飲んでる時は、なぜ池波正太郎はこの酒が好きだったのか、いつも考えてしまう。日本には銘酒いっぱいあるじゃないですか。なぜ菊正宗なんだと。「蕎麦屋で酒を飲まない奴は、蕎麦屋に行く資格はない」という池波語録もある。鬼平も蕎麦前で飲んでた。蕎麦には菊正宗があうのか。池波氏はそこに行き着いたのか。



1000円前後でもっといい酒はないのか?「ソネットの日本酒ブログ」にコメント欄で質問して教えてもらったのが、白鹿の上撰。純米酒より上撰のアル添普通酒のほうがいいと。その人の経験からは、1000円前後なら白鹿上撰がおすすめだと。日本酒度をみてわかるように、菊正宗と比べるとかなり甘いですが。

1000円前後のおすすめは、この4つくらい。コスト面や入手のしやすさから必然的に灘か伏見の大手蔵になってしまう。大手蔵の本醸造か上撰が、熱燗にはマッチするのかなと思う。

みなさまおすすめの酒がありましたら、ぜひご教示頂ければ幸いです。

あ、一升瓶に2000円/出せるなら、最高の酒があります。

①「本醸造特選真澄」と②「土佐鶴本醸辛口」です。

①は日本酒入門書で、これだけは飲んでおきたい日本酒基本銘柄4つに選ばれてた。4つの中ではいちばん安価な本醸造。正月に息子らと飲みました。最高の酒でした。冷でも香りたち、熱燗にしてもまったく苦みもなく、美味い。「これ美味いな」と息子2人も絶賛してた。ぼくの中ではコスパベストな酒。

量販店で税抜き2000円切る。ちょっとアマゾンは高い。

②は共同通信の名物コラム「日本酒津々浦々」より。酒蛙氏が現時点で3000本近い日本酒を紹介してるのですが、その記念すべき第一回記事には以下のように記されている。

『長年飲んでいると、濃い酒は家で飲んでいると飽きることが分かってきた。さらに各地の銘酒は注文が面倒だ。必然的に、近所の酒屋で買えて、飲み飽きしない酒を選ぶようになった。こうして行き着いたのが「土佐鶴 本醸辛口」。ラベルにうたっている通り辛口だ。しかも、うまみと酸味のバランスが良く、癖が無い、芯(しん)のあるしっかりした酒。常温で良し、ぬる燗(かん)で良し。毎日飲んでも飽きない。資源ごみに出すのを大儀がっていたら、部屋に土佐鶴の空き瓶がごっそりたまってしまった』

日本酒界の大御所が行き着いた家飲み酒は、土佐鶴本醸造だったという。作家・有川浩のいうには、新酒品評会の受賞歴も30回以上でぶっちぎりトップらしい。やっぱり土佐鶴なのかなぁ。近所の量販店で2200円弱。

(追記1)
基本的に熱燗のこと書いたのですが、夏場でも検索で来られる人多いので。紙パック冷酒なら、「菊正宗 しぼりたてギンパック」が美味いです。紙パック酒で安価(900mlで酒屋で600円ぐらい)なのに、大吟醸風の味がします。900mlパックを買って、冷蔵庫で冷やして飲んでます。あ、菊正宗の「すだち冷酒」はマズイので買わないように。

(追記2)
最新(2020年)の日本酒企画本読んでみました。
飲むべき日本酒

複数人が大手メーカーの清酒を飲んでみて、結果、僕と同じ菊正宗上撰がイチオシでした。剣菱もいいよね。コクがあってすっと入る。スタバのコーヒーでいうと菊正宗がパイクプレイスで、ハウスブレンドは剣菱。剣菱は鳥のレバ刺しに合うよ。最近は裏メニューかな。

日本酒ランキング

やっぱり おれは 菊正宗♪

西田佐和子で、初めての街で♪ キクマサCMのオリジナル。西田佐和子は関口宏の奥さん。

初めての街で 西田佐知子(CMバージョン)

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