北斗の拳じゃないけど、中国が終わってます。
まず中国バブル。中国人は14億人しかいないのに、32億人分の不動産が建っていて、これ以上不動産バブルを維持できるはずがない。上海や北京の不動産価格は中国の平均年収の25倍になっており、日本のバブル時の1.5倍規模までバブルが膨れ上がっている(東京は18倍)。
バブルが膨れ上がる一方で、米中貿易戦争から所得は減少傾向にあるため、人々はローンを払えない。このままいけば、これら住宅ローンの3分の2が破綻すると想定されています。
中国人民大学の経済学者いわく、中国国内の政府、企業、個人の負債総額は「約600兆元」(約9700兆円)を上回っている。
中国も朝鮮と一緒です。約束は守らんし、自分有利なルールを他国に押しつけてくる。為替、情報統制、資本など規制がかかってる。中国市場は美味しくても、そこの儲けは自国に持って帰れない。日本と比べるとあまりにも非対称。
自由貿易というのは相互主義です。だったらこちらも中国を締め出すしかない。しかも安全保障上の問題がデカいです。
中国って国家情報法があって「いかなる組織および個人も、国家の情報活動に協力する」と定められています。ほかの国からしたら、中国人や中国企業はいつでもスパイやスパイ組織になるということ。
ファーウェイ問題はたんなる始まりです。アメリカは同盟国に「アメリカを選ぶか、中国を選ぶか」と迫ってる。今後はすべての分野に拡大していきます。いまは撤退猶予期間です。
トランプは一時的に中国に対する制裁措置を緩めたり延期したりすることはあります。選挙対策や駆け引きで。
しかし中国に厳しいのはアメリカ議会。国防権限法もFIRRMAもECRAも、アメリカ議会によって成立した法で、すでに施行されてます。
今後いろんなことが起こる。
たとえば「万国郵便条約」ご存知ですか?中国は先進国に郵送料を負担させています。アマゾンなど大手通販業者は中国製のネクタイが350円、スマホケースが200円と安いです。しかも送料込み。逆はアメリカからだと2000円の送料。国際郵便の発展途上国支援。
アメリカは年間3億ドルの負担です。Eコマースが活発になって、中国は万国郵便条約を利用して先進国に郵送料を負担させ、自分たちに有利な商売をしていました。トランプが怒って2019年10月から中国への郵便支援は打ち切りです。雑貨類を製造販売していた中国の中小企業は、これまでアメリカに送料込みで100円で売ってました。今後は2000円以上になる。さらにその上に関税が25%上乗せ。ほぼ売れなくなりますよね。
日本もすぐに追随すべきですがやらない。早くやってほしい。
特に問題となるのは「新COCOM」といわれるECRAの完全実施。むかし東西冷戦時に東芝がやられましたよね。今後は中国と取引したらあの時と同じことになる。ただアメリカ側の企業の準備がまだなので1年ぐらい猶予があると思われます。
米ドルのリスクプレミアム問題。バブル崩壊時、「ジャパンプレミアム」で日本の銀行は2%を上乗せされました。あれを中国にやろうとしています。そうなると中国の銀行のドル調達コストが高くなって、中国企業は資金不足に陥って、手持ちの資産を売らざるをえなくなる。
日本のバブル全盛時は東京都の土地の値段でアメリカ全土が買えると言われました。ロックフェラーセンター買ったり、パナソニックがユニバーサル買ったり。
日本の銀行がリスクプレミアムをのせられたため、日本の企業は資金調達ができず、逆に銀行からの貸しはがしを食らって維持できず、どんどん売らざるを得なくなった。その結果アメリカは資産を安く買い戻すことができた。
現在の中国は、日本のバブル崩壊期と同じ状況です。違いは日本はアメリカの同盟国だったこと。安全保障上の脅威で日本が叩かれることはなかった。
目次
ソフトバンクやばい。窮地に陥る
SBはファーウェイともっともつながりが深かった。ソフトバンクグループの2017年末での有利子負債は15.8兆円。そのうち4.1兆円は米国スプリント関連の負債。スプリントの利払いだけで年間2700億円。
もともとスプリントはファーウェイ、ZTEなどの安い通信機器で5G通信網をつくる計画をもっており、それによってコストダウンを図って黒字化する予定だった。しかしアメリカはファーウェイ、ZTE排除で、それが不可能になった。
スプリント株のドイツテレコムへの売却もアメリカが許可しなかった。
アメリカ国内は、スプリントはどうせなくなる会社だからということで、顧客離れが加速している。このままSBがスプリントを売却できなければSB本体は深刻な状況になる。
SBは19年6月の株主総会でファーウェイを排除しないことを決めた。このため2020年8月14日までに、アメリカ連邦機関とビジネスをしている企業団体(日本企業も含む)は、ソフトバンクから他の通信会社に乗り換える必要がある。
⇒現時点でSBグループは自己資本比率21.1%(19年3月期)。過去3年の売上高平均はざっくり9.5兆円、経常利益平均は1兆円。今すぐどうこうはないですが、外堀が埋まってきてます。
ファーウェイはアームとの取引停止でCPUが作れなくなる
グーグルとの取引停止以上にファーウェイにとって深刻なのは、イギリスの半導体設計大手のアームが、ファーウェイへのライセンスを停止したこと。アームはCPUの設計や開発を行う会社であるが、アメリカの技術が多く使われているため、ファーウェイとの取引停止に踏み切った。
OSもCPUも自社で内製化できると豪語しているファーウェイだが、アームが手を引いたことで、ファーウェイ子会社のハイシリコンは新たなCPUを作れなくなった。また半導体設計に欠かせないツールメーカーのシノプスが契約を解除したことで、アーム以外のCPUを利用した開発も難しくなった。
ファーウェイのCPUは台湾セミコンダクターで生産されているが、これはアームのコアと設計が基礎になっている。このためCPUの在庫がなくなり次第、生産が停止すると思われる。
ファーウェイは問題解決できるというが、アームによれば設計にアメリカ技術が使われているということなので、アメリカが使用許可を与えない限り、解決するのは不可能だろう。
ちなみにパソコンのCPU はインテルが有名だが、スマホ向け半導体メーカーのほとんどがアームのCPU技術を採用している。
ソフトバンクはアームを3.3兆円で買収したが、傘下に収めたアームがファーウェイとの取引停止を余儀なくされたことで大きな痛手を食らいつつある。
中国がアメリカ国債を売れない理由とは?
外貨準備がカツカツでドルが足りないので(詳細分析は本書で)、それは不可能。ドルがないと世界貿易はできない。特に石油が買えない。
加えて中国はアメリカ国債の現物はもっていない。すべて電子登録制。データとして米国財務省に保有者情報があるだけ。
もし中国が大量の売りに出た場合、米国財務省にアラートが出る。その瞬間にアメリカ大統領が非常事態宣言を出してIEEPA法を適用させることで、アメリカ国債を無効にさせることができる。中国が売ろうとした瞬間に、中国保有の米国債が無価値化する。同時に売ろうとした銀行も制裁対象になり、ドルをはじめとした取引ができなくなる。
結果、中国の人民元はドルの裏付けがなくなり、単なる紙屑と化して大暴落する。
なぜ米中合意は決裂したのか?
2019年5月、米中合意は決裂し、中国からの輸入関税は25%に引き上げられた。もともとアメリカの中国に対する要求は以下のようなもの。
①貿易赤字の解消
②不正な産業補助の廃止
③知的財産権の保護
④企業の財産権と活動の保証
⑤為替の最終自由化と通貨切り下げの禁止
⑥外国企業差別、投資制限の撤廃と資本移動の自由
⑤と⑥が中国として受け入れられなかった。バブルが崩壊してる状況で為替を自由化すれば、必然的に人民元は暴落する。
また中国は資本移動を厳しく制限しており、中国企業だけでなく外国企業も中国国内の利益を国外に持ち出せない。これを自由化すると、中国から一気に資本逃避がおこる。
結果的に中国バブル崩壊どころか通貨危機まで一気に発展する。ここの部分が中国は折れることができなかったいわれている。
市場や為替、資本移動の自由化は、中国共産党による経済コントロールを不可能にする。自由化により中国経済が没落し、多数の失業者や飢餓が発生すれば、中国共産党の正当性が崩れてしまう。
民主主義国家であれば、選挙によって政権交代がおこる。しかし民意を問うシステムがない中国では、下手をすれば革命による政権転覆がおこる。それを共産党はもっとも恐れている。
「一帯一路」戦略をどうやって潰すのか?
国が破綻して通貨危機が起きた場合、IMFに支援要請を申し出ると、IMFは破産管財人としてその国に入っていく。そしてロンドンクラブやパリクラブといった債権者会議にかける。
ギリシャ危機のときもそうだった。民間債権は8割減額。つまり元本は2割になった。しかも返済期間が2倍になったので実質には1割ほどの評価になった。国家間の債権も最終的には30%ぐらいになった。
要するに借金を払える額まで棒引きにするというのが、ロンドンクラブ、パリクラブ。
一方で中国の「一帯一路」。高い金利で他国に貸し付け、それが支払えなくなると建設したインフラや土地の権利を中国が取得する。
スリランカのハンバンドタ港は借金返済ができず、中国企業に同港の権利を99年間も貸与せざるをえなかった。
各国の「一帯一路」への警戒感は高まった。
そこでアメリカはIMF救済の条件として「債務を8割、9割減らしてやるから、大統領を変えて民主議会をつくれ」と呼び掛けている。これがいまベネズエラで起こっていること。
これが成功すると、「一帯一路」の借金の罠に困っている国々は、すべてアメリカ側に寝返る可能性がある。
ではその減額した債権はどこが買い取るのか?2018年7月にアメリカが設立を表明したインド太平洋ファンドだ。
中国が持っていた利権を8割、9割減額したうえで、それをインド太平洋ファンドが買い取る。こうして中国の利権を西側が押さえるというのが、アメリカの対応の仕組み。
これをさせたくない中国は、ベネズエラの現政権にひたすら追い貸しして、政権維持を支えている。アメリカ側はベネズエラを兵糧攻めして政権崩壊を画策している。
ベネズエラでアメリカの仕組みが成功すると、パキスタンなど中国の債務におびえる国々が手を上げる可能性が高くなる。中国はなんとしても阻止したいため、ベネズエラに対して軍の派兵も含む支援を行うと表明した。
トランプがいなくなれば対中制裁はさらに激化する
2020年に大統領選を控えるトランプは、あまり急激な景気の変化は望んでない。むしろ議会のほうがかなり強硬だ。とくに上院国防委員会などは、マルコルビオなどタカ派が引っ張っており、トランプの対応が甘いと批判しているくらいだ。
下院も上院も共和党に関しては90%以上が中国制裁を評価している。民主党も3分の2以上の議員が中国制裁の強化を支持している。
議会全体の80%以上が中国制裁に賛成しているため、トランプがもし大統領を辞任するようなことがあっても、中国制裁の流れは大きく変わらない。
むしろトランプがいなくなった場合、米中貿易戦争は一気に激化する。マイクペンスが副大統領だからだ。マイクペンスは福音派の敬虔なクリスチャンだ。ガチガチの宗教人。人権問題に非常にまじめに取り組んでおり、「中国の人権弾圧は絶対に許さない」と常に発言している。
一方トランプは商売人ということで、すぐにディールをしたがる。そのため2019年4月アメリカ議会はトランプ大統領に対して「安全保障と引き換えとするような安易なディールをするな」という声明を出している。
もし大統領がマイクペンスになると、現在の柔軟性は失われ、中国をガチガチに追い込んでいくため、中国が暴発する可能性も小さくない。
ちなみに2020年の大統領選。共和党はトランプでほぼ決まり。民主党は予備選への立候補者が20数名と完全に分裂。そのなかで有力候補は「パンダハガー(中国に抱きつく人)」のジョー・バイデン前副大統領。
「チャイニーズ・ニュース・ネットワーク」と揶揄されるCNNが、ひたすらトランプ批判を続け、その一方でバイデンを持ち上げている。
アメリカのリベラルメディアはバイデン支持を鮮明に打ち出しているが、ネット世論調査ではバイデンよりバーニーサンダースのほうが人気が高い。2019年7月現在、トランプ再選の可能性が高い。
80年代の中国は、のどかでした。フィリップ・ベイリーで、チャイニーズ・ウォール♪
ファルセットといえばこの人でした。アースのボーカル。
「現在の中国は、日本のバブル崩壊期と同じ状況です….」
日本のバブル崩壊の情報は、”外に”自由に出していた….