ビットコインにリスクはないのか?

ビットコイン、買いました?

9月に、中国の取引所が扱い停止したじゃないですか。1BTC(ビットコイン)=500千円から300千円ぐらいまで急落した。買わなくてよかった、と胸をなでおろしたのもつかの間、もう600千円を超えちゃった。落ちたとき、買っときゃよかった。

ビットコインの単位は以下。
・BTC(ビットコイン)、
・mBTC(ミリビットコイン)1000分の1BTC
・satoshi(サトシ)1億分の1BTC
ビットフライヤーの最低取引数量は0.001BTCからだそうです。今なら6千円から買えます。

ちなみに開発者の中本哲史(正体はナゾ)は、100万ビットコインを持ってるそうです。現在の相場で6000億円分です。すごい。

インターネット以来の技術革新といわれる、ブロックチェーン。本書はブロックチェーンの教本です。参考書みたい。

目次は、
1.ブロックチェーンとはなにかを知ろう
2.ビットコインを体験しよう
3.ブロックチェーンを支える暗号技術を学ぼう
4.ブロックチェーンを支える分散システムを学ぼう
5.ウォレットの仕組みを理解しよう
6.ブロックチェーンに取引を記録するトランザクションについて学ぼう
7.スマートコントラクトで契約を執行する仕組みを知ろう
8.ブロックチェーンが活用される世界を想像してみよう

いろいろと見どころはあるのですが、かなり専門的です。本記事では、1章のブロックチェーンとは何か?に絞ります。

以下に読書メモを。

ブロックチェーンをひとことで説明する

正しい記録しかできない、変更できない、消せない、改ざんできない、壊れても自動修復される、落ちない、みんなに合意された情報だけが有効と認識される、ネットワーク共有型のデータベース。

このような優れたデータベースに、何を記録したいか?

通貨、証券、債券、証拠、証明書、ポイント、スタンプ、クーポン、権利、契約書など。

ブロックチェーン関連の市場規模予測

経産省の試算では日本国内の市場規模が67兆円。
・オープン、高効率、高信頼なサプライチェーンの実現 32兆円(小売、貴金属管理ほか)
・プロセス、取引の全自動化、効率化の実現 20兆円(遺言、電力サービス、IOT)
・遊休資産ゼロ、高効率シェアリングの実現 13兆円(チケットサービスほか)
・価値の流通、ポイント化、プラットフォームのインフラ化 1兆円(電子クーポンほか)
・権利証明行為の非中央集権化の実現 1兆円(土地登記、電子カルテほか)

日本ブロックチェーン協会による「ブロックチェーンの定義」

①ビサンチン障害を含む不特定多数のノード(PCのこと)を用い、時間の経過とともにその時点の合意が覆る確率がゼロへ収束するプロトコル、またはその実装をブロックチェーンと呼ぶ。

②電子署名とハッシュポインタを使用し改ざん検出が容易なデータ構造を持ち、かつ当該データをネットワーク上に分散する多数のノードに保持させることで、高可用性およびデータ同一性等を実現する技術を広義のブロックチェーンとよぶ。

ブロックチェーンの実装は1つではない

たくさんある。代表例の筆頭がビットコイン。そのほかにライトコイン、イーサリウム、ネム、コーダ・・・などが分散台帳技術。

基本的にブロックチェーンは、情報の記録媒体という意味では、データベースの一種であることに間違いない。ブロックチェーンを、お金以外の場面で使うことももちろんできる。

ブロックチェーンの特徴まとめ

①自律分散システム
ブロックチェーンは自律分散システムである。たくさんのノード(コンピュータ)が同じデータをバケツリレーでコピーしあって、全員で同じ仕事をしている。いくつかのノードが壊れたぐらいでは全体の動作に支障がない。

②リーダー不在でも動く
「取引を受ける窓口」とか「各ノードに仕事を提示する管制塔」などの役割は存在しない。すべてのノードが同じ役割で同じ仕事をする。したがってここが壊れたら一巻の終わり、という単一弱点が存在しない。

③ウォレットアドレス
ブロックチェーンでは公開鍵暗号の「公開鍵」と「秘密鍵」のペアキーが、ウォレットアドレスに対応している。ウォレットアドレスはいくらでも勝手につくることができる。

④トランザクション
ブロックチェーンは「ウォレットアドレスの現在の残高」を知らない。知っているのは「過去のトランザクション(取引)」のすべての履歴。現在の残高を知りたいなら、ユーザーがウォレットアドレスを用いて、取引履歴をすべて合算すればわかる。

ビットコインのデータはオーバフローしないのか?

ビットコインは世界で7500台のノードが連携して動いている。それぞれのコンピュータは同じデータを記録してる。

たとえば1台のコンピュータが故障、離脱、停止したらどうなるのか?

正しい合意は、基本的に多数決で決まる。

中央集権的システムは管理者の決定に従う。

プライベートなブロックチェーンは、参加者数がわかるので多数決。

ではビットコインなどのパブリックなブロックチェーンはどうなるのか?

多数決に必要なノードの総数がわからない。

ブロックチェーン最大の発明は、分散合意形成に「経済的インセンティブ」を組み込んだこと。つまり正しい選択をしたものが、ビットコインを得られる。

●複数の選択肢は判断せずに分岐させる
●どの分岐を選択するか、利用者にゆだねる。
●正しい選択をしたものが、経済的利益の行使権を得る。

プルーフオブワーク、プルーフオブステーク、ナカモトコンセンサスと呼ばれる合意形成。

⇒すいません、この項の要約はむずかしかったので、詳細は本書当たってください。

ビットコインは有限。発行可能枚数は?

ビットコインは、設計当初から発行可能枚数が決められている。その数は約2100万ビットコイン。

現時点で約1638万ビットコインが発掘されており、全体の78%ぐらいの発掘がすでに終わっている。

ビットコインは新しくブロックが発見されるごとに、決まった数のビットコインを発行する権利が得られるようになっている。

報酬は21万ブロックごとに半減し、2017年6月現在では、1ブロック発見されるごとに、12.5ビットコインが新規発行されている。現在流通しているビットコインは、そもそもマイナーが持っていたものが市場に出たもの。

マイニング報酬がなくなってもビットコインは動くのか?

ビットコインは発行計画通りなら、約130年後にはマイニングしても報酬が得られなくなる。このとき、ビットコインは果たして正常に動くのか?答えは、そのときになってみないとわからない。

しかしそのころは、取引量が大幅に増えているはず。マイニングによって得られる報酬以上に、取引手数料の合計額が上回ると考えられている。

ビットコインにリスクはないのか?

全世界7000以上のノードが連携して稼働している。このシステムが突然停止したり破綻するリスクはほぼゼロ。ビットコインのリスクの多くは、ウォレット管理の部分。

おカネのリスクとほぼ同等。「日本が破綻しない限り、日本円は破綻しない。個人がおカネを紛失したり盗まれたりするリスクはある」

①紛失リスク
ビットコインはウォレットによって管理されている。ウォレットの秘密鍵(銀行の暗証番号みたいなもの)を忘れると、ウォレットのなかの資産は永遠に失われてしまう。

②盗難リスク
ビットコインは秘密鍵があればなんでもできてしまう。秘密鍵が他人に知られてしまうと、ビットコインを盗難される。とくにウェブウォレットや取引所のウォレットを利用してる場合、秘密鍵がサービス事業者に知られているため、事業者側で盗難される可能性がゼロではない。2014年のマウントゴックス事件は、利用者に落ち度はなく、事業者の内部でビットコインが盗まれた。

③ブロックの恒久的な分岐に関するリスク
ブロックチェーンは一時的な合意の不一致が起きた際、分岐(フォーク)することがある。ふつうは自然に解消するので意識することはない。

しかしブロックチェーンの約束事そのもの、たとえばブロックの上限サイズを変更しようとし、意見が対立すると、互換性のないブロックを作るハードフォーク(恒久的な分岐)が起きることがある。BTCはBCC(BCH)と呼ばれる新コインに分離された。

ビットコインは歴史的な経緯から、世界中の開発者が英知を結集し議論を尽くしてる。バージョンアップにも、いろいろな立場からのけん制がきいており、もっとも保守的に行われているブロックチェーン。

ビットコイン以外の仮想通貨は、これほどの規模をもった開発コミュニティがないため、とくに恒久的分岐にはリスクがともなうことを念頭に置いておくほうが無難。

たまに読んでるワイヤード。10月7日記事でイーサリウムを生んだ23歳の天才、ヴィタリック・ブテリンのインタビュが出てました。イーサリウムはビットコインに次ぐ規模の仮想通貨で、時価総額は2.5兆円。天才ブテリンは、中本哲史を日本人だとおもう、と語ってました。どうなんでしょうね。。

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