中国の台湾侵攻はいつ?「2023年台湾封鎖」要約メモ

中国の台湾への侵攻、なぜ2023年なのか?

中国は宇宙産業分野で急成長していて、アメリカが中国の人工衛星に対抗できるのは6年先。それまでは人口衛星の軍事的優位が中国にあるから、その間が危ないということ。

『2021年3月にアメリカの高官は「中国が6年以内に台湾に侵攻する可能性がある」と発言した。 一番危ないのが台湾総統選の前の2023年だ。

中国は、台湾に向かって数百発のミサイルを撃ち込む。 そして習近平は、抗議する西側諸国に向かって「これはひとつの中国の内政問題だ」と言い張るのだ。本当にこのような事態は起こるのか。そのとき日本はどうなるのか。この本はその危機に立ち向かう一冊である』

本書ではいくつかの中国の台湾侵略のシナリオが、7人の専門家により情報ソースと共に描かれていますが、メインシナリオは以下と思われます。



習近平直属の紅軍海兵隊の「30分急襲作戦」

2020年頃、習近平は中国人民解放軍の再編に着手し、習直属の部隊として10万人規模の極秘部隊を編成した。秘された部隊の名称は「marine of Chinese Red Army(中国紅軍海兵隊)」。台湾併合のための部隊創設。「1つの中国」というのが国是であり、中国は2005年に反分裂国家法を制定している。

外事関係者によると「紅軍海兵隊のコマンドが空から降下して、総統府を数時間のうちに占拠する作戦計画がすでに出来上がっているという。米国が救援に駆けつける前に実効支配してしまおうというもの」。この作戦は「30分急襲作戦」と呼ばれている。

作戦概要は以下。

1.台湾の主要施設に対しサイバー(コンピュータネットワーク) 攻撃を行い、防衛システムをはじめ通信を妨害

2. 空港、軍事拠点をミサイル攻撃で破壊

3. 総統府をはじめ国防参謀本部、TV局などをコマンドが占拠

中国の台湾への人的スパイ活動(ヒューミント)はすさまじく、30分急襲作戦に必要な情報はすでに取得済み。

さらにシギント(IT系の盗聴や衛星による監視)もすごい。隊員数は17万5千人。サーバー攻撃要員は3万人。偵察衛星の数はいまや米国を上回っている。2019年では米国が43基、中国は64基。民間衛星とのネットワークも構築。偵察対象地区の上空を日に10回以上通過できる。米国は2回。中国は驚異的。解像度も米国に並んでいる。日本の衛星の解像度は30㎝。米国と中国は10㎝。

2022年現在。おそらく台湾には24時間、全天候で偵察可能となっている。

台湾の反撃は主にヒューミント。台湾大学への中国人留学生を篭絡。中国軍の機密情報を聞き出している。その報酬は月に1~3万台湾ドル。中国共産党傘下の日刊紙に、台湾情報機関員の実名や写真まで載った。

中国側に暴露されても台湾が工作をやめるわけもなく、さらに巧妙に続けている。台湾は中国の「30分急襲作戦」にも感づき、武力増強を図った。威嚇による防衛だ。

2020年10月、台湾の要請に基づき米政府は、空対地巡航ミサイル135発(約1900億円)を売却。これにより台湾は中国本土への長距離精密攻撃を可能なものとした。

さらに2021年3月には長距離ミサイルの大量生産を開始した。開発を公表するのは異例だが、その意図は明らかだ。いざとなれば中国に致命的な打撃を与えると中国側に公言したわけだ。

中国と台湾は、やるかやられるかのぎりぎりの国防を展開している。

台湾の蔡英文総統は「自分たちで何もせず、他人に守ってもらおうという態度は台湾がとるべき選択肢ではない」と表明。自分たちの国は自分たちの手で守り、不足した部分を米国の協力で補うという態度だ。

バイデン大統領は「自国を守る意思のないアフガンのために、米国の若い兵士を戦死させることはできない」と発言している。

⇒日本はどうするのでしょう。以下の読書メモのように、せめて韓国に続き9番目のSLBM保有国となるべきであると思います。殴られたら殴り返す。三峡ダムにミサイルを叩きこむ戦力は最低限必要かと。

なぜ世界はアフガニスタンにこだわるのか?

「アフガニスタンを制する者は世界を制す」と言われるのは、ここがアジア大陸の中心であるからだ。この地を制すれば中国にもロシアにも中近東にもインドにも抜けられる。まさにアジア大陸の十字路なのであるアレクサンダー大王以来、列強はこの地を巡って争奪戦を繰り広げてきた。

米国はウサマ・ビン・ラーディン率いるテロ集団アルカイダがこの地に拠点を造り地元のテロ集団タリバンと結託したことから、ここを制圧する羽目になったのだが、期せずして世界史的争奪戦に参加することになってしまった。 米軍が20年間、この地から撤退できなかったのはこのためだ。このたび、バイデンの強い意志に基づき強引に撤退したのだが、この強引さがかえって無理を生じることになる。

アフガニスタンを制圧したとされるタリバンは、一つのまとまった組織ではなく、各部族の集合体にすぎない。従ってタリバンの首脳部が何を決定しようとも、アフガン全土に指令が徹底されるということはあり得ない。国境も抜け道だらけであって、ここが再びテロリストの温床になることは火を見るよりも明らかである。

この状況に注目しているのが、ロシアと中国である。ロシアはチェチェンに、中国は新疆ウイグルにそれぞれイスラム過激派の火種を抱えているから、アフガニスタン発のテロリズムが自分たちに向けられるのを極力避けなければならない。

そのための最良の方法はテロの刃を他の国に向けることである。具体的に言えば、ロシアはイランを通じてサウジアラビアに、中国はパキスタンを通じてインドにそれぞれアフガンテロリズムの刃が向かうように工作するわけだ。

これは、実はこれまでもロシアと中国が画策してきたことだが、アフガニスタンが無法地帯化することで、より工作が容易になりテロが加速されるはずである。従って今後、中近東と南アジアが不安定化するのは避けられなくなる。



米国が黙認する韓国の核保有

2021年9月に韓国はSLBMの発射実験に成功した。SLBMとは潜水艦発射型弾頭ミサイルのことだが、韓国は米英仏中露そしてインド、北朝鮮についで8番目にSLBMを保有した。だが注目すべきは、今までにSLBMを保有した7ヵ国すべてが、核兵器を保有している点だ。

SLBMは先に触れたように、ICBMなどのサイロが敵の核攻撃ですべて破壊された際の最後の核報復の手段なのである。ということは、韓国は核兵器の保有を計画しているわけである。そして米国は黙認していることになる。

米国は中距離ミサイルを第一列島線内に配備したいわけだが、中国の中距離核ミサイルに対抗するわけだから核弾頭の装着が必要になる。

日本には非核三原則がある以上、日本への配備が困難ということであれば、韓国の核兵器保有を認めざるを得ないのであろう。 日本の防衛費はGDPの1%以下で韓国のそれはGDPの2%以上だが、額面においてはほぼ拮抗している。それにもかかわらず米国が同盟国として日本より韓国を内心高く評価しているのは明らかだろう。

そもそも日本の自衛隊にはシェルターがほとんどない。シェルターとは防空壕のことで、 戦時中の日本では軍事施設はもちろん民間にも整備されていた。韓国は核攻撃にも耐えられる核シェルターが完備している。中国は日本を核攻撃すると脅しているが、シェルターを持たない自衛隊は命中精度の高い中国のミサイルであれば核弾道を装着しなくとも通常弾道で即日壊滅してしまう。

日本に潜伏している中国人民解放軍の任務

平時において、日本に潜伏している中国人民解放軍の工作員は、中核の連絡員が800名前後、工作員が2000名程度と推計される。それが台湾侵攻の数ヵ月前には、戦略支援部隊の兵士と、その配下にある「APT400」をはじめとする民間人のハッカー集団が、 観光客を装って日本へ上陸してくる。

APT400とは中国を拠点に、中国国家の支援を受けた産業スパイ型のハッカー集団で、 日本の高度な機密情報を狙ってハッキングを行ったり、海洋情勢と海軍技術に重点を置いてハッキングを仕掛けたりしている。これらの隊員は、普段は中国本土から日本に向けてサイバー攻撃を仕掛けているが、台湾侵攻時には、日本国内からの同時多発攻撃を仕掛けるため、上陸してくることが予想される。

彼らは数名が一組で、ホテルなどの宿泊施設に投宿し、持参したパソコンを使用して一斉に「情報作戦」を実行するのだ。 情報作戦には、フェイクニュースを流したり、ソーシャルメディアを駆使したプロパガンダ、 ボットネットを使用したDDoS (ディードス) 攻撃と呼ばれるインターネット通信妨害、企業やインフラシステムへのハッキング攻撃が含まれる。

フェイクニュースは、直接的に中国の台湾侵攻を正当化するというよりも、皇室のゴシップや閣僚や自衛隊のスキャンダルなど、厭戦気分を高めるニュースや富士山の噴火警戒警報など、社会を混乱させるあらゆるニュースが作り出されることが予想される。

プロパガンダは、事前に用意されたたくさんのアカウントを利用し、あらかじめ用意したツイートやメールを流すことによって行われる。それらの多くは、中国の台湾侵攻を正当化する論調で、ラインやフェイスブック、ツイッターの投稿を繰り返し行うことで世論を誘導する。 APT400をはじめとする日本への上陸部隊は、語学に堪能で、日本語にも通じているとされており、 一見するだけでは日本人の投稿と区別がつかない。

ボット(BOT)とは、パソコンを遠隔操作できるコンピューターウイルスのことで、 ボットに感染したパソコンの集合体をボットネットと呼ぶ。ボットネットは大量の迷惑メ ールの配信やインターネットに接続されているサーバーへの攻撃に使用される。

彼らは、中国本土から台湾侵攻の数ヶ月前に、大量のコンピュータウイルスを日本中にばら撒いておき、数万台から数十万台規模でパソコンを感染させておいて、開戦と同時にそれらを遠隔操作するのである。大量のメール配信は、プロパガンダに利用される。

また、サーバーへの通信要求を大量に出し、サーバーの処理能力を上回ることで、サーバーの機能を停止させる、いわゆるDDoS攻撃は、社会システムの混乱をもたらすことが予想される。 証券会社や銀行のシステムに一時的な障害を生じさせるほか、航空券の予約や発券ができないなど、ありとあらゆるシステムに障害が同時に発生することから日本全体がパニックに陥る可能性がある。

さらには混乱に乗じて、重要インフラ企業や高度な技術を持つ企業へのハッキングが行われ、機密情報が奪われる可能性がある。特に防衛産業各社は、有事において自衛隊の兵 (ロジスティク)を担うことから民間のサーバーが攻撃された場合、自衛隊の活動にも大きな影響が出ることが予想される。

(追記)日経ビジネス23年1月2日号巻頭記事の要約

日経ビジネス正月号「2023年大胆予測」巻頭トップページに、中国の台湾侵攻が9ページも記されていました。まさか日経が戦争をトップにもってくるとは。それだけ有事が身近になったということか。要約は以下。どうか予測がハズレて欲しい。

・習近平は中国共産党総書記として異例の3期目を獲得した。この過程で「台湾統一に2期では時間が足りないとして反対派を説得した」。習近平が約束を守るなら2028年が期限だ。

・中国からの輸入の80%が2か月途絶したら、日本の製造業の生産金額は53兆円減少する。

・台湾に投入される人民解放軍は100万人。台湾の兵力は11万人。中国としては米軍の展開は避けたい。そこで日本が米国に協力しないようあらゆる手段を講じる。日本企業が中国に築いた工場などの資産1470憶ドル(20兆円)を接収すると威嚇するだろう。

・中国国防動員法により日本企業で働く中国人従業員は、日本の破壊活動を命じられる。会社にいる中国人同僚を警戒対象にする必要が出てくる。

・日本企業に今できることは、台湾と中国で働く従業員と家族の安全確保と帰国の支援。海底ケーブルが切られても現地の責任者が判断して行動できる体制を築く。サプライチェーンの中国依存を減らすこと。

・脱中国依存にかかる日本企業の移転コストは初年度だけで13.7兆円。

JPEG貼っておきます。拡大すれば読めます。

中国の台湾侵攻

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『中国の台湾侵攻はいつ?「2023年台湾封鎖」要約メモ』へのコメント

  1. 名前:のべる・K 投稿日:2022/03/01(火) 00:06:49 ID:60e9403d6

    こんにちは。
    中国も何をするかわかりませんよね。中国ではヘタな事がいえないみたいですね。
    韓国も北朝鮮も(日本に対して)何をするかわかりませんね。

  2. 名前:don 投稿日:2022/03/06(日) 13:28:35 ID:f159b9b26

    のべる・Kさん、こんにちは~
    隣国は仲が悪いものとはいいますけど。
    中国、朝鮮半島はちょっとひどいですよね。