アメリカで米中戦争を描いた「2034」がベストセラーになりました。NATO最高司令官だったジェイムス・スタヴリディス元米海軍大将が、作家エリオット・アッカーマンと組んで発表した作品です。
2021年NYタイムス、フィクションの部ベストセラー。
今読んでる本にあらすじが書かれていたので、以下にメモ残しておきます。読まれる予定の方はネタバレになるのでご注意を。
2034 あらすじ
近未来2034年の米中戦争を描いた物語は、南シナ海で中国の原子力空母が、米軍の駆逐艦2隻を沈めたことから始まる。中国軍は、サイバー攻撃で米軍の通信網を遮断。 米軍は2隻の空母打撃群を南シナ海に派遣するが、40隻近い軍艦を撃沈されてしまう。
ロシア軍は、米中が争っているすきに、米国につながる海底ケーブルを切断するという行動を起こし、弱体化したNATO軍を尻目にポーランドへ侵攻する。 米国では、多くのインターネット回線が遮断され、大規模な停電やサイバー攻撃によりホワイトハウスは大混乱に陥る。 ついに米軍は中国本土への核攻撃を決定する。
インドが介入し、アメリカに対してこれ以上の軍事行動を止めるよう警告するが、核兵器を搭載した3機の戦闘機はすでに飛び立った後だった。 通信網が遮断されているため攻撃中止命令がパイロットたちには届かず、インド空軍が2機を撃墜するも1機は中国の迎撃をかいくぐり、ついに上海に核爆弾を投下、3000万人の死者を出してしまう。
海底ケーブルについて
・現在ネットを含む国際通信の約99%は、海底ケーブルが担っている。
・日米間をつなぐ海底ケーブルは約9000kmだが、衛星を介せば約7万2千kmかかる。通信速度と容量で勝る海底ケーブルが主流。
・海底ケーブルは年に1回の頻度で切れる。沿岸部の船の錨による切断や自然現象など。
・海底ケーブルの太さは直径6センチから。深海部ではわずか2センチ。
・海底ケーブルには中継器が設置されていて、切断されると中継器の信号が途切れるので、およそどの海底中継器の間が切断されたかわかる。ケーブルシップが現場に向かい、海底作業ロボットを使い、切断場所を探し出し、船上に引き上げて接続作業を行う。相当な時間がかかる。東日本大震災では合計20か所が切断されて復旧には4カ月以上かかった。
・不審な中国海洋調査船の動き。2020年7月沖ノ鳥島の日本海域で、中国の海洋調査船がワイヤーを引き上げて作業していたので中止要請を行った。
・中国海洋調査船は潜水艦が隠れる最適な海山の位置の探索や、切断すべき海底ケーブルの調査を行っている。
・潜水艦の攻撃ではバレてしまい国際的に非難されるので、中国は水中ドローンを使った攻撃を行う予定。もしくは尖閣にやって来る偽装漁船が、事故を装い海底ケーブルの切断を行う。
・ドローンは元は米国の技術だが、現在では中国の戦闘ドローンは米軍のものより遥かに進歩している。
・イギリスは2021年3月、海底ケーブルを保護する監視船を建造していると発表。2024年就航予定。対ロシア。
・日本は海底ケーブルの防御は民間に任されており、防衛意識がない。島国なのに。
・「2034」の大規模な紛争の端緒は、海底ケーブルの切断だった。
以上の情報は「2023年 台湾封鎖」から転記しました。
参考に2023年3月の日経ビジネスの記事を。
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donさん、こんばんは。
このあらすじ、怖いですね。とてもフィクションとは思えないです。
この手の本はトムクランシーのジャックライアンシリーズ以来読んでいません。
あの頃は中東のウィルステロや核テロのお話でしたが、今は中国相手になるんですね。。。
いやー、事実にならないことを祈るのみです。。。