ミュージックマガジン2022年1月号は、2021年ベストアルバム特集です。
毎年恒例。ジャンルごとにベスト10を発表。いつもながら先鋭的です。
ジャンルは以下13ジャンル。ロックUS、ロックUK、ロック日本、Jポップ、R&Bとソウルとブルース、ラップ、ラップ日本、ジャズ、エレクトロニックミュージック、ワールドミュージック、ラテン、ブラジル、ロック欧州。
備忘のためロックUS、ロックUK、ロック日本、Jポップ、エレクトロニックの5大ジャンルのベスト10画像を貼っときます。
スマホで見てる人は指でピンチアウト(拡大)してみてください。PCの人はズームを250%まで拡大すると読めます。
以下に各ジャンル、上位ベスト3のAmazonMusic貼っておきます。作品レビューはAmazonでご覧ください。会員は2クリックで即聴けます。
目次
アメリカ/カナダのロック
(3位)Lana Del Rey| Chemtrails Over The Country Club
(2位)The Black Keys| Delta Kream
(1位)Pino Palladino And Blake Mills| Notes With Attachments
イギリス/オーストラリアのロック
(3位)Celeste|Not Your Muse
(2位)Dry Cleaning| New Long Leg
(1位)Idles| Crawler
Jポップ/歌謡曲
(3位)なかの綾とCENTRAL|La Vida
(2位)ELAIZA|失楽園
(1位)上白石萌音|あの歌-1-
日本のロック
(3位)ROTH BART BARON|無限のHAKU
(2位)青葉市子|アダンの風
(1位)折坂悠太|心理
エレクトロニック・ミュージック
(3位)Madteo|Head Gone Wrong By Noise
(2位)Jana Rush| Painful Enlightenment
(1位)Howie Lee| Birdy Island
2021年アルバム。ぼくのベスト3
(3位)Doja Cat| Planet Her
近年の歌姫たち。自分にフィットする人がいません。3大レーベルが1年に1人ぐらい大ブッシュしてグラミーとかになる人たち。美貌と音楽性を兼ね備えてるとされる女性Vo。デュアリパ、アリアナグランデ、カミラカベロ、ビリーアイリッシュ、オリビアロドリゴなど。2022年グラミーは2003年生まれのオリビアが総なめしそうな気もするけど。
ルックスはデュアリパが好きなんですが、あのオバサン声はいかんともしがたい。テイラースイフト以来まともな歌姫が出てこないんですよね。もう10年も。
ここ数か月のビルボードアルバムチャート。ドレイクと並んで落ちない人がいるんですよ。ドジャキャット。トラップ系はあまり好きじゃないんですが。ジャンルでいうとバブルガムトラップ?さっそくAmazonアンリミで聴いてみると。ええやん。声もいいし歌もうまい。楽曲も素晴らしい。ドジャの他のアルバムも聞いてみましたが、このアルバムだけ突出した良作です。2021年洋楽メジャー系では一推し。
(2位)Brian Wilson| At My Piano
この作品を聞くと涙出ますよ。美しくて。前提としてビーチボーイズのベストとかペットサウンズを聞いたことがあって、好きって言える人です。ビーチボーイズやビートルズを嫌いな人ってあまりいないとは思うけど。
ブライアンが一人でピアノを弾いてます。ピアノオンリーな作品です。ヘッドホンで聴くと連弾してるのかと思いますが、オーバーダブだそうです。ピアニストならそんなことは絶対しないけど、心に響けばそれでいいと思う。
雨の日に聞くといいです。グレングールドの「ブラームス間奏曲集」に匹敵する音の癒し。心に沁みこむ演奏をするジャズマンは詩心を大切にするようですが、本人が弾いてるのでそれに勝るものはないと思う。
(1位)上白石萌音| あの歌-1-
この子、才媛ですよね。声が美しい。今井美樹や原田知世レベルの美声です。今この子を超える美声ボーカルっていないと思う。グリムスパンキーの声も好きやけど。
ライブ映像を見ると声量がないので、アンジェラアキやBABYMETALとは比較できませんが、レーベルがきっちり作りこんだレコードとしては素晴らしいものでした。アルバムの音もいいし楽曲や演奏も素晴らしい。2021年、最高の一枚です。それにしても天下のミュージックマガジンが、女優のつくった音楽アルバムを2021年JPOP1位に据えるとは。がんばれ音楽家。
2021年音楽ニュース。一番印象的だったこと
渋谷陽一「Rockin’on.com」のディスクレビュー。21年秋ごろから洋楽レビューがなくなったことです。以前は洋楽と邦楽、両方のレビューがあったのですが邦楽オンリーになりました。
洋楽レビューのニーズがなくなったのでしょうか。それとも魅力的な洋楽がなくなったのか。
1980年代、音楽評論家はスターでした。洋楽評論には専門知識と速報性が必要で、ぼくたちはその情報にカネを払っていました。
当時LPレコードは1枚3千円ぐらいしたし、ラジオぐらいしか音源チェックができませんでした。音楽評論家はいち早く新譜を聞いて、その良しあしを音楽雑誌で評論し、それを読んでぼくたちは買うレコードやエアチェックする作品を決めていました。エアチェックをするにしてもカセット1本500円。カネはかかります。
レコードやカセットの購入、貸レコード屋に行くにしても、オシャレしてお出かけしないといけない。そういう場所にはオシャレな人がたくさんいたし。
そういう行動の起点が音楽評論家の記事でした。Win95が出る前。有料コンテンツの王様は音楽だった。ぼくたちは音楽評論家の言葉を、文化的行動の起点にしていました。
時代は流れ2021年。サブスク会員だったら商品(音源)はほぼ無料です。追加コストを払わず、家に居ながらにして音楽を無尽蔵に入手できる。無料のものを評論しても誰もありがたがりません。
ネットによる速報性の喪失もある。洋楽好きは海外サイトの新譜情報(金曜日)やビルボード(火曜日)を即日チェックしています。音楽雑誌やWeb版お抱えライターの記事は遅い。今や個人サイトのほうが早かったりします。
もう少しすると誰でも詩さえ書けば、簡単に音楽作品を創れるようになるみたいです。誰もが自分をYouTubeやSNSで発信しているように。雑誌がネットに、テレビがYouTubeに侵食されたように、音楽というコンテンツが一般人に侵食される時代が来るのでしょう。今後、音楽評論という仕事はどう変わっていくのか。
チャンスなのかピンチなのか。その時、新しい仕事が生まれているのかもしれません。
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