【サラリーマンは300万円で会社を買いなさい】書評と要約

【サラリーマンは300万円で会社を買いなさい/三戸政和】

ホリエモンがお薦めしてる本。日経新聞でも大きく広告が出てた。

もしあなたが大企業の管理職だったら、その知識や人脈は貴重なので、定年後は廃業する中小企業を購入し、その経営をして資産を蓄えましょうという本。

目次は以下です。一行で概要をまとめてみました。

序章:人生100年時代は資本家になりなさい
定年後40年も生きる時代。お金がないと困る。

一章:だから起業はやめておきなさい
1000社中997社が討ち死に。起業で成功するのは特殊な人。

二章:飲食店経営に手を出したら地獄が待っている
レッドオーシャン。ほとんど失敗する。

三章:中小企業を個人買収せよ
けっこう安い価格で買収できる。計算式は後述

四章:100万の中小企業が後継社長を探している
380万社の7割が後継者不足。親族や社内に継げる人がいない。

五章:「大廃業時代」はサラリーマンの大チャンス
オーナーは廃業すると赤字になる(損する)ので、安価でも継いでくれるとラク。

以下に読書メモを。

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人間が100年生きる時代になった

「ライフ・シフト/リンダグラットン、アンドリュースコット」の共著は世界に衝撃を与えた。カリフォルニア大学の研究では、2007年に生まれたアメリカ、イギリス、フランス、カナダなど先進国で生まれた子供は104歳まで生き、日本で生まれた子供は107歳まで生きるとされている。

また現在20歳の人は100歳以上、現在40歳以上の人は95歳、現在60歳の人は90歳以上生きる確率が半分以上あると。

先進国の平均寿命はこの200年間ずっと、10年ごとに2~3歳のペースで右肩上がりに一直線に延びており、いまだ減速する気配がない。

起業1000社のうち997社が討ち死にする

事業としてゼロからイチを立ち上げるのは、死ぬほど大変な作業。1000社のベンチャーに投資検討して、そのうち投資が実行され、さらには上場できるまでになるのは3社程度しかない。つまり新たに起業する会社のうち、大きく成功するのは0.3%ということ。

VC(ベンチャーキャピタル)には多くの投資案件が持ち込まれる。月に40~50件程度。そのうち投資実行に至るのは1件ぐらい。年間で12社に投資したとして、そのうち2~3社が上場か、うまく買収されれば大成功。成功率0.3%。

GoogleVenturesのアナリストのデータでは、VCから投資した起業家が成功する確率を15%としている。投資実行の確率が2%とすると、これも0.3%となる。

ベンチャー企業がVCに頼みにくるとき、起業家が会社を立ち上げ、社員数が10人に届かない規模である状態が多い。資金的に非常に苦しい。そこにVCが1億円ぐらいに資金を入れることで、人を10人ぐらい増やして経営活動をスケールアップする。

ただしそれは必ずしもうまくいかない。売上げは伸びず、収支はマイナスのまま、じわじわと1億円を使い果たしてしまう日が迫る。仕方なくリストラをし最後は社長1人だけになる。そこで社長1人が食べていけるぐらいの売上だけは残り、細々と続けていく。そんなケースをたくさん見てきた。

飲食店はFL比率が大事

Fはフード(食材原価)、Lはレイバー(人件費)のこと。売上の55%以下にこのFL比率を落とさないと採算が合わなくなり経営が傾く。

FL比率を下げる方策で代表的なのは、夜の料理店で余った食材を翌日のランチで消費すること。夜は1万円する割烹や寿司屋が、ランチ営業では800~1000円程度で定食を提供する。やりたくてやってるわけではなくFL比率を下げるため。

町中華が生き残るのは、人件費や家賃がほとんどかからないから。夫婦で切り盛りし、自分の店で食事をとれば食費も浮くので生活経費も落とすことができる。住居部分で生活に使う電気、ガス、水道などの光熱費、その他もろもろの生活費も飲食店の経費に組み入れる。

投資ファンドが成功する秘密

投資ファンドには対象事業における専門性はない。たとえばあなたのような大企業の管理職にマネジメントを委任する。中小企業では大企業では考えられないことがいくらでもある。大企業がやってる普通のことを実行するだけで、たちまち効率化と収益向上が図れることが多い。

普通のこととは以下のようなこと。23項目ある。

・在庫を洗い出して整理する。

・製品ごとに営業利益率を計算する。

・赤字の顧客と取引を止めるか、値上げ交渉をする。

・不良在庫を処分する。

・不採算部門を止める。

・帳票をシステム化する。

・全仕入れ先から見積もりを取り直す。

・部品の発注ロットを小さくする。

・部品の納期を確認し、早い発注を抑える。

・在庫の置き場所を最適化する。

・運送会社と運賃の交渉をする。

・ホームページをつくり、自社の技術を公開する。

・新規の展示会に出展しPRしてみる。

・業務効率化のクラウドを利用する。

・新規営業の見込み顧客リストを作ってみる。

・見込み顧客へパンフレットを郵送してみる。

・見込み顧客へ電話をそれぞれ3回ずつしてみる。

・名刺管理システムを導入する。

・勤怠管理クラウドサービスを使い、社員の生産性を可視化してみる。

・会議を開き、社員の意見を聞き、自分の考えを社員に伝える。

・朝礼で、前日と当日の行動管理をする。

・週次会議で、先週と今週のPDCA管理をする。

・月次、四半期、年度で計画を立て、実行に向け進捗管理をする。

いずれも当たり前のこと。革新的な技術開発をするわけでも、大規模な先行投資をするわけでも、スクラップ&ビルドをするわけでもない。細かいところを見て、時代遅れのものや、ずさんなやり方を、少しずつアップデートするだけ。それだけのことで、意外と中小企業の経営をは革新されてしまうもの。

61歳から65歳までの継続雇用の相場

一般的に継続雇用の給料は定年前の50~60%程度。大企業の課長職で定年になった人なら400万円程度あればいいところではないでしょうか。その5年間の総収入は2000万円。今50歳の人が60歳を超えるころには、さらに継続雇用の給料は少なくなるかもしれない。あなたを生かせるポジションがなくなっていくから。

380万社の7割が後継者不足

日本には企業が約410万社、うち中小企業が380万社ある。日本の就業人口は約6500万人だから、働いてる人の16人に1人が社長。

帝国データバンクが発表した「2017年後継者問題に関する企業の実態調査」。数字をまとめると、日本にある380万社のうち250万社が後継者不在。社長が60歳以上の会社が200万社あり、そのうち100万社が後継者不在。中小企業の社長の6割が「事業を何らかの形で他者に引き継ぎたい」と考えている。

新たな社長を欲している会社は、少なめに見積もっても100万社くらいある。世はまさに「大廃業時代」。

廃業は損をすることが多い

廃業は多くの人に迷惑をかける。できるだけ避けたい選択肢。なにより社長本人に大きなデメリットをもたらす。バランスシート上の資産価値が大幅に目減りするから。

商品在庫や仕掛品は、会社が存続しなければ保証がつかないことから売り物にならなくなり、価値を失う。現金問屋が販売価格の1割で買ってくれれば御の字。設備も同業他社が安価で買ってくれるかもしれないが、ほとんどの価値が消滅する。自社建物も「そのまま居抜きで譲ってほしい」というラッキーな話でも飛び込んでこない限り、撤去費用がかかって、資産どころか負債へと変貌する。土地は売却や返却するために更地にしないといけない。土地を所有してても、莫大な費用がかかって売却金額より撤去費用のほうが高くつくことがある。

いっぽうで負債はそのまま残る。銀行からの借り入れは即時返却を求められる。会社の資産で足りなければ、社長の個人保証の履行を求めてくる(なお今後会社の社長になる人は、社長の「個人保証」をしなくてもよくなる)。

たとえ黒字経営の会社であっても、清算すると負債が残るという会社は意外に多い。

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M&A市場の計算式

M&A市場において、中小企業の価値はどのように計られているのか。明確な目安は存在しない。金額が折り合えば、それで決まってしまう。

ただM&Aに慣れてる企業では、それなりの計算式がある。よくあるのはBSの「資産」から「負債」を引いた「純資産」に、営業利益の3年分から5年分を足した合計金額をベースにすること。これは銀行から融資を受けて適正な期間で返済できる金額を基準に価格を算定している。

資産を実体評価すると、純資産がほとんどないという中小企業は珍しくない。建物や土地は買ってから時間がたってるので、帳簿上の資産価値より低く評価されるし、不良在庫などもある。

仮に純資産がゼロで、売上1億円、営業利益が500万円の企業なら、1500万円ほどで会社が買える。さらに純資産がゼロで、売上1億円、営業利益が1百万円の企業なら300~500万円で会社が買える。

M&Aは一般化してきた。どうやって探すのがいいか

2017年後半から「中小企業の事業継承としてのM&A」は広く認知され、バズワードになってきた。一般化した背景として、中小企業を専門にしたM&A仲介会社の存在がある。友好的買収をコーディネイトする仲介業。

M&A仲介の仕組みは、不動産仲介会社とよく似ている。仲介や契約書作成のアドバイスなどが主な業務。アドバイス料や着手金、成功報酬、仲介手数料などを得る。

東証一部上場でも3社ある。「日本M&Aセンター」「M&Aキャピタルパートナー」「ストライク」など。上位3社で年間1000件ほどのM&Aを手掛けているが、そのほかにもたくさんのM&Aアドバイザー会社が生まれてきている。

昔は「売り案件」の情報は極秘だったが、今では匿名でネット上に多数紹介されている。ネットで「M&A 案件」と検索すると、サイトが多数表示される。たとえばストライクが運営する「SMART」というサイトには以下のような企業一覧がのっている。

詳細ページに進むと、直近売上高、従業員数、譲渡スキームなどが書かれている。

また「大廃業時代」は公的支援も始まっており、「事業引継ぎセンター」が各都道府県に設置された。地場企業のM&Aマッチング、サポートを行っている。「お住いの都道府県名、事業引継ぎ」とググると、事業引継ぎセンターのサイトが出てくる。こちらはM&A仲介会社と違って公共サービスなので、売上高数千万円ほどの会社など、数百万円で買える会社や「無料でいいので引き継いでほしい」という会社もある。

最近始まったウェブサービスで、会社売買のマッチングがネット上で行われる「TRANBI」というサイトもある。年商数百万円の事業も売買されている。まずはこのサイトから情報をとってみるのもいいかもしれない。

ただ本当にベストな一手は、自分の働いてる会社の下請け会社など、よく知ってる会社がいい。仕事で内情をよく知ってるなら、後の改革計画も立てやすい。

いかがでしたでしょうか?
世はまさに大海賊時代! 人の夢は終わらねぇ! みたいな感じでしょうか?

著者はしばらく「スコップ屋」として食べていけそうです。1849年のカリフォルニアのゴールドラッシュ。一攫千金を夢見て多くの人がシェラネバダ山脈に殺到した。そこで儲けたのは、採掘者にスコップを売った「スコップ屋」です。

著者は講演とかで儲かりそう。本書を読んで素人が殺到したら、M&A仲介業者や著者のようなVCは潤う。いいですよね。

1847年 ジョンサッターは金を見つけた♪
彼は見つけた金を町へ持っていき その話をした♪
イナゴの群れのように 人が押し寄せてきた♪
あるものは成功し あるものは失敗し あるものはサッタ―を呪った♪
押しよせた老若男女は その後1860年ごろカリフォルニアを開いた♪
鉄道が引かれ 土地は耕作され 西部は開かれた♪
しかし 人の渇きは いまだ満たされない♪

ダンフォーゲルバーグで、サッターズミル♪

このアルバム好きなんですよねぇ。よくLPで聴きました。

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