【ヤクザとオイルマネー・渡邉哲也&猫組長】書評と要約

めっちゃ面白い本。渡邉哲也と猫組長の対談本です。

渡邉達也は三橋貴明がオモテだったらウラっぽい人。猫組長は「週刊SPA」の連載とか「たけしのTVタックル」に出てる人。

1冊まるまる読書メモになる。世界で流行するSKR(倉庫証券)とか、SNS相場、AIアルゴリズムの騙し方、伝説の相場師加藤あきらのテクニック、甦るハイマンミンスキー。。

膨れ上がるフェイクマネーは悪なのか?そもそもドル自体がフェイクマネー。

本書のキモは、猫組長(金融ヤクザ、元山口組系組長)の石油売買経験談。「海賊とよばれた男(出光の話)」みたいな冒険活劇です。



2004年猫組長は原油で儲けようと現物取引を目指す。しかし日本は石油は元売りが支配し、一般人は参入できない。日本の中小の石油会社が勝手に原油を入手しようとすれば「L/C」すら出ない。一般消費者が直接損をしてないということで、独禁法も難しくてどうにもならない。

当時金融ヤクザは原油のばあい買い手側が多かったが、ただ独り売り手側に向かう。「安い原油を現地へ買いに行って、欲しがってる国へ売ればいいじゃないか」

人の紹介でマレーシアの国営石油会社ペトロナスへ行き副社長とネゴ。「日本へは大手商社にしか売らない。長期契約は個人ブローカーは無理。スポットにしろ」売ってくれないなら誰か紹介して。どこに行けば安いスポットが手に入る?「危険なところにある。大手商社が手を出さない紛争地帯へ行け」紹介してもらったのはブルネイの王族。

しかしここでも「ブルネイの石油会社はディスカウントのスポットは出さない」と。次に紹介されたのはサウジアラムコの人。その場で携帯にTELしてくれた。

サウジに行くとここでもまた、「ウチのような大会社は個人ブローカーに売らない」と。「イエメンにアロケーションホルダーがいて、ここは勝手に出せるから契約できるよ」イエメンのある部族長を紹介してくれた。アロケーションホルダーとは、油田から原油を採掘して販売する権利を持つ人。もちろん採掘権と販売権は独立している。

ここにたどり着くまでだいたい1500万円ほど使う。自分の足で稼いだ貴重な情報。

イエメンにはサウジの石油の権利をもった部族がたくさんいる。不思議だ。なぜか?反サウジ勢力に抵抗してる部族がイエメンにはいる。敵の敵は味方ということでサウジが援助してる。しかし武器供与や直接カネを渡すと問題がある。なので石油の権利を与えている。「勝手に注文とれば、売れる石油を出してやる。コミッションをくれてやるから、それでがんばって戦えよ」

イエメンの入国は危険。フーシ派のスローガンがある。「神は偉大なり。アメリカに死を。イスラエルに死を。ユダヤに死を。イスラムに勝利を」これをアラビア語で暗唱できるようにしていた。拘束された時にこれが言えるか言えないかが生命の分岐点。

カネは必要。一般的には現金持ち込み可能額は2万ドル。ただし現金携帯輸出許可をとれば2000万円まで問題ない。相手国の制限を超えれば事前許可を取る。

ジャーナリストはなぜ殺されるのか?報道目的で危険なエリアに入る。相手にとって何の得もないから。猫組長は利益目的。拉致して殺すより乗っかって一緒にカネを儲けたほうがいい。

とうぜん彼らはAK47で武装していて、現地入りすると銃を持って囲まれる。檻があって10人ほど入ってる。どうするか聞くと数がまとまったら砂漠に捨てに行くと。

現地ガイドの料金はフルコストで3万円。現地の平均月収が当時で2万5千円。そこに個人的なコミッションをプラスする。「このビジネスを成功させたら、あなたたちにこれだけあげましょう」インセンティブをつけると、何があってもこの人を守ろうとしてくれる。インセンティブは試算表にしてあって、それをみせて相手が納得したらサイン。試算表はひな形がある。

ガイドは国境までは多いが、国境を通過すると一気に数が減って4人ぐらいになる。

ようやく60歳ぐらいの部族長に会う。出迎えも盛大。ドライに商談するのではなく、イエメンの場合は信頼関係を築くことから。会って握手して、ご飯を食べた時点でビジネスはほぼ終わっている。

部族長は「戦う資金をねん出するために、いくらでも売ってやる」とうれしそうだった。先方とこちらの利害は完全に一致。

巨額な資金はどうしたか?日本の「ポン手屋」みたいな「BC屋」が世界にはあって、それを利用した。BC(バランス・サーティフィケート)屋は手数料さえ払えば、いくらでも残高証明を出す。イエメンの部族長から委任状を手に入れる時も使った。

仲介するだけでも、買い付け資金を証明できないと信用されない。350億円のBG(バンクギャランティ)を見せて取引の承認を得た。このBGつくるのに使った金は約800万円。シティバンクが発行した本物だが、中身はスカスカのポン手と同じ。

まだまだ面白い話が続きますが今回はここまで。詳細は本書にて。

以下にその他の読書メモを。



韓国統一にかかるコスト

ドイツ統一の時、ベルリン大学教授の試算で2兆ユーロかかったと(約260兆円)。韓国統一省の見解では、事前に53兆円、事後に184兆円、合計234兆円かかると。ドイツは経済負担できたが、韓国は負担できない。だれも負担したくないので、アメリカも北朝鮮を崩壊させる南北統一は避けたい。

原発の警備はどこがやってるのか?

原発警備の2強はJSSとALSOK。JSSは空港警備もやってるが警察官僚とJALの天下りの合弁会社。ALSOKは自衛隊OBがいる。こうした特殊な産業警備は警察OBと自衛隊OB系の2社が独占している。

イスラエルのスタンプがあると困る

パスポートにイスラエルの入国スタンプがあると、他のイスラム圏の国に入国できない。別紙に押してもらって、他国に行くときははがす。しかし別紙に押してもらう申請を頼むと、入国審査官は「何で?」と知ってて聞いてくる。説明すると、「じゃあイスラエルに入るな」と押し問答になる。

いまでも大英帝国の総督がいる国

イギリスの旧植民地は女王陛下の領地だった。国外領地は第二次大戦後に、自治領、自治国という名前になって独立。しかし今でも旧領地の一部は大英連邦の大きな法の下にある。

エリザベス女王をコインにしている国には、ぜんぶイギリス女王から任命された領地を守る総督がいる。たとえばオーストラリアやカナダには総督がいるから、両国ともに政治のトップは「首相」。

日本から外交官がオーストラリアやカナダなど旧大英連邦の諸国に赴任した場合、天皇からもらった任命状を持っていく相手は総督で、首相ではない。いまだに外交儀礼上は総督がいて、それらはあくまで女王様の土地とされている。

暴対法と暴排条例と共謀罪の違い

(暴対法)
対策は金融ヤクザにはカンタン。暴力を背景にした経済活動をしなければよい。

(暴排条例)
やっかい。「暴力団と関係したら、あなたが処罰されますよ」という一般人への規制。暴排が悩ましいのは、たとえ合法でもマネタイズの過程で、一般人を経由することが難しくなるから。メリットがあっても一般人は関与をためらう。

(共謀罪)
組織的な犯罪をしなければいい。ヤクザはソロのマネタイズのスペシャリストであるべき。沖縄米軍基地への凧揚げとかロケット花火、靖国へ油をかけて燃やす、対馬から仏像を盗んで韓国に持ち帰る、こういうのは立派なテロ行為。こういうことを「みんなでやろう」という人を、一般市民とは呼べない。共謀罪への反対は、学生運動で就職できなかったインテリが、メディア業界等に就いたのが要因。

おれはブラックスター♪
ゲームに勝って カネを手に入れた♪
おれはヤクザじゃない ブラックスターだ♪
間違った場所に生まれたんだ♪

デビッドボウイのラストソングで、ブラックスター♪ ブラックスター発売後、数日で亡くなったんですよね・・MVのボウイ、FF10の召喚獣アニマをパクったやろ(笑)。

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