この前ドンフェルダーの自伝を読んでた時に、キャメロンクロウの名前が出てきました。
イーグルスが酒と女とドラッグでバカ騒ぎしてた頃に、10代のクロウがローリングストーン誌の同行記者としていつも一緒にいて、なんか監視されてるようで気味がわるかったと。
その頃の自伝をクロウが映画にしたのが「あの頃ペニーレインと」です。単純にいうと、ロックバンドのグルーピーに恋したローリングストーン誌少年ライターの、青春の1コマと言ったところでしょうか(少年というところが非凡なので、映画の価値ありか)。
2000年の映画ですが、スルーしてたので、ツタヤで借りて見てみました。
米国wikiによると、ポコ、オールマンブラザース、ツェッペリン、イーグルス、レイナードスキナードとのツアー経験がベースとの事。「The film is based on Crowe’s experiences touring with rock bands Poco,The Allman Brothers Band, Led Zeppelin, The Eagles, and Lynyrd Skynyrd.In a Rolling Stone article」
ストーリーはネタばれしませんが、音楽系について若干。
最初にブラックサバスの取材にいって、前座バンドのスティルウオーター(架空のバンド)に出会います。その時のせりふが「新曲でグリンジョンズをはずして、自分達でプロデュースしたのが成功したね」
あ~、これはイーグルスが骨子になってるなあと。オンザボーダーでグリンジョンズをはずし、そのアルバムから初の米No1ヒットシングルを出した74年頃のイーグルスです。
バンド内の確執はグレンフライとバーニーレドンの争いのようだし、マネージャーの変更はゲフィン⇒エイゾフを思い出させます。
ちなみにゲフィンはキアヌリーブスと結婚すると言われたこともあるエンタメ界の超大物。この前100億円寄付してNYのホールをゲフィンホールに改名させたのが話題になりました。エイゾフは長らく音楽業界影響力世界1位です。悪の帝国チケットマスター&ライブネイションの会長だった人。2人ともイーグルスのマネージャー経験を踏み台にステップアップした。
日本だとキャンディーズのマネージャーがアミューズの会長になったようなものか。
「ドンフェルダー自伝/ドンフェルダー」
「ホテルカリフォルニアへようこそ/マークシャピロ」
イーグルス本では、この2冊が真打だと思いますが、このあたり読んでからこの映画をみると、こんな感じやったんやなあと感慨深いものがあります。本のほうがグルーピーの描写は激しいですが。
あと印象に残ったのは、少年の姉がサイモン&ガーファンクルに心酔してて、彼らは詩人よ!とかいうセリフ。
一度「サイモン&ガーファンクル詩集/山本安見」を読んだのですが、5枚のオリジナルアルバムすべての歌詞が和訳されてまして、2曲ほどしかピンとこなかったのですが。
キャメロンクロウは、22歳の時にベストセラー小説「初体験リッジモンドハイ」を書き、映画化の際に脚本も担当します。
「初体験リッジモンドハイ」はショーンペン、ニコラスケイジ、フィービーケイツなんかがでてる映画でしたが、製作はアーヴィンエイゾフです。このサントラにはジャクソンブラウンの「誰かが彼女をみつめてる」や、ティモシーシュミットの「ソーマッチインラブ」なんかが入ってます。
クロウ監督作品「ザエージェント」ではグレンフライを配役したりしてます。
17歳のころに作った人脈を、その後の人生に生かすのはたいしたもんです。「こんにちは」「お~、あんときの君かあ」てなもんなんでしょう。
ジャクソンブラウンで「誰かが彼女をみつめてる」♪
(追記)
2020年11月ローリングストーン誌キャメロンクロウインタビュより。
『ウィリアムが恋するペニー・レインは、同名の女性やリヴ・タイラーの母でもあるビビ・ビュエルといった実在のグルーピーたち、バンドのリーダー、ラッセルはイーグルスのグレン・フライや本作の音楽も手掛けたピーター・フランプトンらがモデルらしい』