幽霊はいるのか?科学的に。「超常現象 科学者たちの挑戦/NHK」要約と書評

NHKの本は、けっこう面白いんですよね。

取材はたくさんしてるけど、映像に使うのはわずかの部分。残りの取材結果を本にするとかなり面白いものになる。なにより普通の人がリーチできない情報を、取材費を潤沢にかけて情報を得ている。希少情報。もちろんまじめに科学的にアプローチしてる。今回もNHKが「超常現象」をやっていいのか葛藤があったそうです。

本書は2部構成。

1部は心霊現象です。幽霊の存在、死後の世界、生まれ変わり(輪廻)について。

2部は超能力です。念力、国家的なESP、テレパシーと脳など。

以下に読書メモを。

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幽霊はいるのか?

「心霊研究協会(SPR)」という組織がある。1882年設立。会員数はこれまでに約1万人。世界42か国に広がる。目的は超常現象を科学的に解明すること。会員は物理学、医学生理学などノーベル賞受賞者が11名。フロイトやユングなどの心理学者、コナンドイルなどの文豪、かつての英国首相なども名を連ねる。

NHKスペシャルでもイギリスの有名な幽霊城マーガム城で、SPRのコルビン博士に密着取材した。アイゼンハワーも幽霊がいたと訪問時の手記を残している城だ。

博士によると心霊現象に悩まされているという連絡は年間100件程度。そのうち調査する必要があると感じられるものは1~2%。さらに実際に現場を訪ねてみて、本物の心霊現象と感じるられるような事件は、ほぼ皆無だということだった

研究内容は今もケンブリッジ大学の図書館に保存されている。例えばノーベル医学生理学賞を受賞したリシェ。同じくノーベル賞を2回受賞したキュリー夫人に協力を依頼し、パラディーノという霊媒師の調査を共同で行っている。

2人のノーベル賞科学者は、霊の実体化が本当なら、未知の物質やエネルギーの検出につながるかもしれないと期待した。

実験ではリシェとキュリー夫人は、霊媒師パラディーノの両手を握って動かすことができないよう椅子に押さえつけていた。ところが2人の眼前に青白い手が現れ、空中を動いて、ススで黒くした紙に5本の指の跡を残した。

リシェは以下の言葉を残している。「不合理である。しかし真実である」

一方でSPRの調査では、多くの幽霊を思わせる現象は、自然現象にすぎないことを明らかにした。

パレイドリア効果

人間は何でもない模様が顔などに見えてしまうという特殊な性質を備えている。パレイドリア効果と呼ばれる。床や天井の木目、壁のシミが顔に見えたりする。一種の脳の錯覚。人間にとって顔の表情は非常に重要な情報。人の顔をいち早く捉えて敵か味方か認識し、迫る危険に備える必要があった。脳の反応速度は、模様の中に隠された「モノ」に対しては0.2秒。「顔」に対しては0.1秒。マーガム城の壁には、人の顔に見えるシミがたくさんあった。

マーガム城の謎の冷気

多くの調査員が感じた、首から背筋にかけて感じたマーガム城の謎の冷気。しかし気温の変化や風の動など、環境の変化は観測されなかった。

手がかりはネズミを使った最新の研究にあった。「ネズミの場合、体表面の温度を下げることで、ヘビから見つかりにくくなる。恐怖を感じた時には体温低下が起きるということは、危険から身を守る生存本能」

「脳が恐怖を感じていて、それが体に信号を送って温度を下げていた。そのため寒く感じたという可能性がある」

死後の世界を垣間見た人々

世界でどれほど多くの人が臨死体験をしているのか?よく引用されるのが1982年にアメリカのギャロップ社が行った調査。アメリカだけで800万人が臨死体験をしたと結論づけた。

脳は心臓停止からおよそ30秒にわたって活動を続ける活発に働く。これまでは心臓が停止すると同時に脳も停止すると考えられていた。脳は生き残ろうと必死に動く。この30秒に何が起きているのか?

米軍のパイロットが受ける訓練にヒントがあった。「Gロック」状態。重力負荷が地上の10倍前後になった時、パイロットの血液は下半身に停滞し、脳への血流が減って低酸素状態になる。意識を失う。

「Gロック」状態の聞き取り調査を1000人近く行った。「意識を喪失するとき、視界がブラックアウトする。そのときトンネルのようなものが見えるという。トンネルの先には白い光というか、それに似たようなものが見える」「穏やかで静かで、大きな幸せを感じるという。とても心を打たれるような印象的なものだと」

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生まれ変わりはあるのか?

これは本書をまとめると、「ある」としかいいようがない。この分野の研究ではバージニア大学。2500の事例がファイルされている。データ化も進めている。事例は研究室が定めた一定の基準をクリアしたものばかり。共通点は以下。

「多くの子どもたちは、幼いころに前世のことを話し始める。平均年齢は生後35か月。だいたい2歳から3歳のころ。そのほとんどが6歳から7歳で話すのをやめ、普通の人生を歩むようになる」

「なぜか賢い子が多く、知能テストのスコアが高い傾向がある」

「前世の記憶を語る子どもの事例は、南極を除くすべての大陸で報告されている」

前世の記憶が残っている子ども。子どもの発言と一致する人物が特定されたという事例は、世界35か国で報告されている。子どもが語る前世の記憶と25項目以上が一致した例は44例。

興味深いのはトラックを異常に怖がった子どもは、前世の人物がトラックにひかれて亡くなっていたという。

前世で頭を撃たれたという男の子。小さな丸いあざが後頭部に、大きくいびつなあざが額にあった。射出口と射入口の傷があざと一致したという。このような不可思議なあざと傷の一致の例は多い。

信じられないことだが、現代科学には限界がある。

17世紀フランスの頂点に君臨したルイ14世。宮廷のお抱え医師のすすめですべての歯を抜いたという。当時は歯があることが万病の元だと考えられていた。だから抜いた。それで一生食事に困った。今考えればバカバカしいが、それが当時の最新医学だった。疑う余地もなく正しいものと考えられていた。

超能力はあるのか?

意識でモノを動かしたり、形を変化させる「念力」。見えないものを透かして見る「透視」。遠くのものを見ることができる「千里眼」。他者の考えがわかったり意識が通じ合ったりする「テレパシー」。

本書によるとモノを動かしたりする物理現象、「念力」は確かな証拠がない。トリックが多いし、ユリゲラーもカメラの前ではできない。

透視や千里眼はあった

2004年アメリカ政府は情報公開法で極秘文書を公開した。9万ページわたる米軍とCIAの資料で、米軍に実在した「超能力スパイ」の実態が明らかになった。歴史的な事実。

簡単にいうとソ連がやってたので、アメリカも負けじとESPぽい人を集めて、敵軍基地や兵器を「透視」したりした。遠隔透視がメイン。1972年から20年間続けられた。

ただハズレる場合もあり、予算の関係(コスパ)、諜報部間の勢力争い(当然反対派もいた)、89年の冷戦終結もあり、「超能力スパイ」は廃止された。

テレパシーもあるかもしれない

大空を舞う数万羽の鳥の大群。まるで1つの生き物のように瞬時に同じタイミングで向きを変えながら飛んでいく。なぜ瞬時に一体化した動きができるのか?通常の視覚、聴覚だけでは行動の説明がつかない。動物にはうかがい知れない能力が備わっている。

人間も動物の一員。テレパシー能力が備わっていても不思議ではない。

シェルドレイク博士の電話実験。知り合い4人に電話してもらい、誰からの電話かあてる。25%になるはずが、正解率は最初の570回は40%。ビデオで撮影しながら不正をチェックして270回の実験を追加したが45%の正解率となった。この高い確率は統計学的には1兆分の1の確率。

「電話をかける前に相手のことを思い浮かべる。このことがテレパシーのような能力を呼び覚ましている可能性がある」

もしもし 元気?

きみがいなくなって とてもとても寂しい♪

その気持ちを きみに打ち明けたい♪

でもきみは ぼくからの電話を取ってくれない♪

ぼくは電話の前でたたずみ 朝がきてしまう♪

ジェフリンで、テレフォンライン♪
高校のときLPでよく聞いてました。あのころは好きな女の子と電話で話すだけで、とてもうれしくてドキドキしてた。ユーチューブ見るだけで感動を思い出す。

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【宇宙人UFO軍事機密のレベルMAX/高野誠鮮ほか/17年9月初版】
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【恐山 死者のいる場所/南直哉/12年4月初版】
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