【熔ける 井川意高の懺悔録】まとめ

自分でカジノ造ったらよかったのに。100億円あったらできるでしょう。ホントもったいない。と思うのは庶民の感覚でしょうか。バクチのヒリヒリする感覚が好きなんでしょうね。

会社の同僚が著者と若い頃に繋がりがあったようで、同僚との会話の為に読んでみました。

「三世代で作業着から作業着へ」byアンドリュー・カーネギーを地で行ってます。借金は全部返したようですし、よくある話で三代目が身代を食いつぶしただけなのに、実刑判決は厳しいような気がします。

4年後シャバに戻ったときはBtoCの仕事をやってみたいと書いているので、まだ資産は残ってるのでしょう。(wiki:創業家は大王製紙の経営トップから一掃された。しかし、創業家は紙おむつ等の製造・販売を行なう多くのグループ会社の株式の50%超を握っており、引き続きグループに影響力を保持している。)

この前読んだ林原の「破綻」は銀行に潰されたというか、乗っ取られたような印象が強かったです。林原の場合は二代目だったし中興の祖なのでボンボンというわけではありません。何か共通項のようなものがあるとしたら甘えでしょうか。

莫大な資産からくる「自分は特別な人間なんだ」という思い。そこからくる「これくらいええやろ」という甘え。地位とカネは人を狂わせます。

井川家三代目は二代目から帝王学を教えられています。けっこう厳しいしつけで鉄拳で育てられて東大に入学。ここまではいいのでしょうけど、二代目につきそい学生時代から華麗なる交際を銀座や祇園で繰り広げます。その後自社に入社。ここらへんが崩壊への萌芽でしょうか。

二代目としては、息子の社交デビューのつもりだったのでしょうけど(東大&イケメンで自慢の息子だったというのもあるでしょう)、人格形成のできてない青年には苦労をさせたほうがよかったのかも。自社に入社というのもどうかと思います。他社で何年かしごいてもらうとか、やり方はあったような気がします。

本書は面白かったです。マスコミに好き勝手書かれるならと、最近は「敗軍の将」自ら語るケースが多いです。林原の「破綻」や清武氏の「巨魁」なんかは世間の耳目を集めました。日経ビジネスにも「敗軍の将、兵を語る」という人気コラムがありますが。

以下に面白かった部分を。

YPOヤングプレジデントオーガニゼーション

六本木に飲みにいくようになったのは、バブルのピークだった90年ころからだ。四国新聞や西日本放送のオーナーだった平井卓也(現自民党衆議院議員)さんや、穴吹工務店の穴吹英隆社長らに連れられて六本木の店を開拓していった。穴吹さんや平井さんらはYPOという若手の社長会に所属しており、彼らにくっついていればYPOに所属している経営者との人脈を構築できた。またワコールの塚本社長や大林組の大林副社長の紹介で、芸能人と一緒に食事をしたり酒を飲んだりする機会も増えた。

西麻布のバー

なぜこんなに大勢のグラビアアイドルや女優を知っているのか。常連客になっていた西麻布のバーには、芸能人がしょっちゅう出入していたからだ。その店は女性はお金を払わずに飲むことができた。タダで酒を飲めるうえに、そこにいけば人脈がどんどん広がる。必然的に売り出し中のグラビアアイドルやタレント、女優が大勢集まるようになった。

国民的アイドルグループの2人(今は卒業した)は、高1のときに出会った。誰かに見つかって警察に通報されたら大問題になるので、ソフトドリンクを飲ませて適当に話を切り上げ、彼女たちには1万円ずつタクシー代を渡してすぐに帰ってもらった。当時は無名のアイドルで高校1年だったので、1万円を渡されて味を占めたのだろう。それから数ヶ月、2人からは毎日のように「今日は何をやってるんですか?」と電話やメールで連絡が続いた・・・以降は本書で。

東京地検特捜部

「井川さん、もっと気の利いたお金の使い道はなかったんですか」「気の利いた使い道というと・・・」「悪い政治家や役人に裏金を渡すとかですよ。せっかく特捜がここまで動いたのに、井川さんの巨額の借り入れの使い道は、99%がギャンブルで、残り1%は飲み食いですから」

どうやら東京地検特捜部は、私が大王製紙の連結子会社から106億8000万円を借り入れた事件と関連して、大物政治家への裏金や、高級官僚への利益供与があるのではないか、というストーリーを模索していたようだ。

舞妓と芸妓の違い

舞妓から芸妓に昇進するときには「襟替」という儀式がある。舞妓時代にまとっていた着物から格好がガラリと変わる。舞妓はお茶屋や置屋の権利をもつ屋形に所属する。いわば舞妓は屋形という派遣会社からお茶屋に派遣されている社員なのだ。芸妓に昇進すると、派遣会社から独立して個人営業になる。常連客の旦那の呼び出しに応じて、個人営業の芸妓がお茶屋に顔を出すのだ。

放蕩息子は♪
すべてを使い果たし♪
父の前に立つ♪
「お父さん 僕をまだ息子としてみてくれますか」♪

The Rolling Stones – Prodigal Son (Official Lyric Video)

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