木嶋佳苗はなぜモテる?⇒お嬢さんだった 

まれにみる毒婦です。結婚詐欺で複数の男から1億円以上をだましとり、 扱いに困ると、最後は睡眠薬&練炭で自殺に見せかけて次々と男を殺していく。 起訴されてるだけでも3件の殺人事件と7件の詐欺・窃盗事件です。

結婚詐欺なんか美人かイケメンじゃないと無理でしょう普通は。

どうみても可愛く見えない木島死刑囚は、どうやって男たちをはめていったのか。なにか得るものもあるかもしれない(笑)と読んでみました。著者は「あんぽん」の佐野眞一。 木嶋本は複数冊でてますが、やっぱり佐野本をチョイスしてしまいます。

なぜ男たちは木嶋佳苗にはまったのか

婚活サイトのマッチドットコムや、ぽっちゃり系サイト、妊婦系サイトなどで男と知り合う。恋愛弱者や高齢者、障害者までターゲットにしている。法廷でのある男性の証言によると、最近の写真とは違って数年前34歳の頃は今みたいに太くなく老けてもなく、それなりの可愛さがあったと。

多少見た目が悪くても、積極的につきあってくれる女性を前に、男たちは結婚を前提に学費名目のお金を貢いでしまう。

p.s.なにかで読みましたが、男は女でしか癒されません。女はあらゆるものから癒されるそうです。不公平ですがわかる気がします。



毒婦、木嶋の生い立ち

北海道の別海という人間より牛の数のほうが多い酪農の町で、何不自由なく育った。家は祖父の代からの司法書士事務所。都会の弁護士より田舎の司法書士のほうがずっと尊敬されている。

卒業アルバムの様々なアンケート集計では、出世しそうな人で3位、早く結婚しそうな人で2位、玉の輿に乗りそうな人で1位。早く離婚しそうな人で3位、不倫しそうな人で2位、アダルトビデオに出そうな人で1位(いずれも女性中)太っていて美人ではなかったが、クラスで唯一ピアノが弾けて大人びていた。

盗癖、虚言癖は子供の頃から。小学校のときにピアノの先生の家の預金通帳を盗んだ。高校の時にはつきあっていた40代の男の指示により、また預金通帳を盗み8百万ほど引き出す。このときは保護観察処分。東京では定職につかず、池袋のデートクラブなど主に風俗関係で働いていた。

木嶋裁判での、検察官の文学的な説明

3件の殺人事件には直接証拠(自白や目撃者など)がない。間接証拠で殺害を認定する必要がある。検察官が説明をはじめたとき法廷内に驚きが走った。あまりに文学的な説明だったからである。素人の裁判員に有罪性を訴えるためである。

「雪が降ったことをご想像ください。みなさんが夜寝る前に窓の外を見ると、星空が広がっている。ところが夜が明けてもう一度窓の外を見ると、一面の雪化粧だった。いつ雪が降ったのか。これは皆さんはみていません。けれど直接雪が降った場面を見ていなくても、みなさんは夜中に雪が降ったということがわかります」

「3件の殺人事件において、被告人が事件の当日までに練炭とコンロを準備していました。そして被告人は三名の方々が亡くなる直前に会っています。その後三名は一酸化炭素中毒に罹って死亡しました。そしてすべての現場に燃焼した練炭とコンロが残されていました。この現場のコンロと練炭は被告人が準備したものと一致します。残念ながら事件の一部始終を見ていた目撃者はいません」

「弁護人が冒頭陳述で述べた、疑わしいだけの場合は被告人に有利に働くべきだ。これは刑事手続きの大原則であると共に、検察も最大限尊重しなければならないと肝に銘じています。ただし最高裁は健全な社会常識に照らして、反対事実に合理性がないと判断される場合には、有罪の認定が可能であるとしています」

「みなさんが寝ている間に雪が降った。でも可能性としては、夜寝ている間に誰かがトラック何台もの雪を積んできて、家の周りにばらまいという可能性もあるわけです。だけど住宅地でそんなことをする必要はまったくないし、実際にそんな例は無いと思います。つまり健全な社会常識、みなさんがお持ちの社会常識に照らして、合理的かどうか、この点で判断していただきたいと思います」

ちなみにこの事件の検察官は、大阪地検特捜部時代に、厚生労働省元局長の村木厚子が逮捕されるきっかけになった郵便不正事件を担当した。村木に対して「懲役15年にするぞ」「息子も逮捕するぞ」などと脅迫的な取調べをして問題となり、さいたま地検に左遷された。うわさでは木嶋事件で死刑判決がでれば栄転の可能性もあるが、死刑以外の判決ならばさいたま地検に塩漬けになると言われていた。

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