シャンパンタワーの原価は？

「シャンパンタワー」は歌舞伎町の姫(ホストクラブの客）たちにとって、他の商品と比べものにならない別格の存在だ。

ホストクラブのシャンパンタワーとは
シャンパンタワー職人たち
シャンパンタワーの原価
ホストクラブと旅行での散財、本質は同じ
同じようなことはショーペンハウアーも言ってる
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ホストクラブのシャンパンタワーとは

・最大の愛情表現

・姫様にとってタワーとは、担当を輝かすことができる最高クラスの行為で、ホストクラブでできることの中での「花形」の位置にあります。ブランデーのバカラ・クリスタルボトルのように、シャンパンタワーと同額かそれより高い「飾りボトル」もありますが、値段がどうこうという話ではありません。タワーは「特別」なんです。そもそも、タワーは、姫の誰もができることではなく、担当が一番信頼してる姫にしか頼むことができないもの。ですのでホス狂いたちにとって、一番かけがえのないものなんです。

・担当ホストにとってタワーとは、「自分の姫との頑張りを披露する場所」であり「自分が一番輝けるもの」です。ホストにとって、タワーは人生だと思います。どんなタワーを建てるかで、営業姿勢なり、美学なり、そのホストの「形」が見える。いわばホストを丸裸にする、恐ろしい存在でもあります。もちろん売れていなければ、そもそもタワーをやってくれる姫なんていません。そういった意味でも、自分の位置や存在感を周囲にわかりやすく示す、シャンパンタワーは、ホストにとっても、なくてはならない存在だと思います。

シャンパンタワー職人たち

・この職につく前の櫨山さんは関西で内装職人として働いていた。特にシャンパンタワーに興味を持ったことはなかったが、高校を出てすぐに就職した建築会社の親方の実弟が、数年前に新宿で花屋をはじめ、そこにタワーを設立する部門を開設。手先が器用な櫨山さんがスカウトされたのだ。そこで働き始めて今年で3年目になる。

・シャンパンタワー職人って実は女性が多い。櫨山さんの会社には、現在7人の職人が在籍するが、そのうちの4人が女性だ。

・シャンパングラスを積み立てて作り上げた「シャンパンタワー」は、見た目には華奢で繊細で儚げに見えるが、その組み立て作業はとんでもない重労働という。みなさん「シャンパンタワー」というと、グラスを積み上げて終わりと思われるかもしれません。でもシャンパンタワーを設立するということは、タワーだけではなく、タワーをキレイに見せるための土台や照明はもちろん、天井や壁も飾り立てる。周りの空間の飾りつけも、全部含めてが「シャンパンタワー設営」なんです。いわば空間全体の演出で、そこは内装工事に通じるところがあります。

シャンパンタワーの原価

・シャンパンタワーで使われるグラスはプラスチックではなくすべてが本物のガラスだ。それを接着剤などを一切使わず重ねて積むことだけで組み上げる。

・コロナで激減したが歌舞伎町では21年7月ごろから例年レベルまで戻った。

・櫨山さんは週平均5件のシャンパンタワーを建てている。基本は2～3人で一組のチームを組んで1基2時間を目安に組み立てる。

・これまで作った一番大きいもので、2500個のグラスを使った1基の高さが2メートル以上あるタワーだ。ギリギリまで照明をおとした暗い店内では、グラスの透明感を活かすため、あえて色はつけず下から白いLEDライトで照らし出す。5基のタワーはピラミッド状に天井へと伸びていき、キラキラ光るさまは、氷でできた宮殿のようだ。このタワーの設営には、男性4人がかりで約4時間かかったという。「このクラスで原価は20万弱です。お店ではいくらで出しているかは知りませんが、基本的に店での値段は使うシャンパンの金額※でかわってくる。タワーだけの設営費でいえば一番シンプルな7段のもので2万7500円です」

・タワーを建てる姫たちは、一世一代、一生に一度、結婚式と同じような気持ちでサラリーマンの年収に匹敵するほどの金額を用意して、一瞬で消えるタワーに挑む。

※三角形のシャンパンタワーなら5段で3本～5本、6段なら6本～8本、7段は8本～10本程度が必要。四角形なら5段で6本～8本、6段で8本～10本、7段で10本～14本程度。

本記事は以下より抜粋。

ホス狂い　～歌舞伎町ネバーランドで女たちは今日も踊る～（小学館新書）

ホストクラブと旅行での散財、本質は同じ

なぜ人は旅行に行きたいのか？

・ピラミッドを見たい?

・美しい中世の街並みを楽しみたい?

・リゾートでくつろぎたい?

・ビーチで素敵な人と出会いたい?

・とにかく一人になりたい?

いろんな理由があると思いますが、根本的には満たしたい感情があるからです。

・ピラミッド⇒知的好奇心

・美しい街並み⇒感動

・リゾート⇒安らぎ、リラックス

・出会い⇒ときめき

・一人になる⇒癒し

このように感情を満たすために、人はモノを買い、サービスを受け、体験にお金を出す。映画を見る人はハラハラドキドキしたい、ワクワクしたい、笑いたい、泣きたい。そんな欲求がある。

レストランに食事に行く人は、美味しいものを食べたいし、素敵な空間で良い気分を味わいたい。仲間と「居酒屋」に行く時には、ワイワイ話して、楽しい気分を味わいたい。

どんなにすごい商品であっても、相手の感情が満たされなければ価値がない。満たしたい感情があるから、商品やサービスにお金を払う。

本記事は以下より抜粋。

誰でもできるのに９割の人が気づいていない、お金の生み出し方 (幻冬舎単行本)

同じようなことはショーペンハウアーも言ってる

人の苦しみの原因も、喜びの原因もまったく同じだ。どの場合も、原因は現実にある事柄ではない。頭の中の抽象的な思いが原因になっている。たとえば、たくさんの金銭をもらったならば嬉しいだろう。その嬉しさはしかし、たくさんのお金でいろんなことができるという抽象的な思いそのものにすぎない。現実として何か喜ばしいことが起きたわけではないのだ。

テイラーのシャンパンプロブラムス♪　和訳は以下の関連記事よりどうぞ。

Taylor Swift – champagne problems (Official Lyric Video)