ロッド・スチュワート /キリング・オブ・ジョージー(和訳)

ロッドスチュワート

とくに熱心なロッドスチュワートファンではないのですが、たまに彼の曲をきくと、ほんとにいい声だなあとしみじみ思います。

男性ボーカルでのぼくの個人的な趣味は、別格としてルイアームストロング。これほど味わい深い声はほかにないですよね。

ほかにいい声の人は誰がいるだろうと考えてみると、ブライアンアダムス、ジョーコッカー、ジョンレノン(ビートルズ初期)あたりは、ほんとにいい声です。

ハイトーンな涼しい声や、ハードロック系の金切りヴォイスで魅力的な人たちもいますが、やっぱりハスキーなしゃがれ声はひきつけられます。なんでだろう。

ロッドスチュワートはソングライターとしても非凡なところがあって、わかりやすいショートストーリー的な歌詞は魅力があります。

ぼくが好きな詩は、キリングオブジョージー。

実話で、ロッドの友人のことを描いた歌詞ですが、コンサートでこの曲の時にけがをしてから、演らなくなったそうです。



ロッドスチュワート・キリングオブジョージー(和訳)

すべてのあり方が変化するこのごろは
いわゆる自由な開かれた時代ということらしい
ひとつ僕の友達の話をさせてほしい

ジョージーはいわゆるゲイだった
それ以上でもそれ以下でもなかったけど
なにしろあんなやさしいやつはいなかった

彼のオフクロさんは泣いたけど 彼は変わらなかった
ある午後 それでも自分は他の人間のように
愛が必要なんだって 懸命に訴えていたよ

なにか間違ってると オヤジさんはぼやいた
一生懸命話そうとしたし やってきたつもりだけど
どうして息子はまともになれないんだと

長距離バスに乗って 彼は家を去るしかなかった
だって愛する人々に 受け入れてもらえなかったんだ
ゲイの時代とはいえ そんな不幸なやつもいたんだ

ジョージーはニューヨークにやってきた
すぐに住む家もきまり 生活にもなれた
街の新しいもの好きの文化に すんなり溶けこんだ
シックな場所ならいたるところ
マンハッタンのエリートたちにも迎え入れてもらえた
やがてどのパーティーにいっても彼は人気の中心

通りを車に乗って凱旋する新しいクイーンに
かつての女王たちはカリカリしてた
だって誰もが愛したからさ ジョージーのことを

最後にジョージーを見たのは たしか75年の夏
恋をしてるんだと打ち明けられた
僕は それはうれしいなと言ったかな

評判の高い ブロードウエイの芝居
そのオープニングに出かけたジョージー
ジョージーと恋人は アンコールの前に劇場を出て
近道をして家へ帰ろうとしたんだ
男どうしだけど 手に手をとって

そうさ なにも悪いことはない
五番街を吹く 心地よいそよ風に心あずけ

突如 暗い道から飛び出したギャング
罪も無い通行人をゆする 常習の悪いやつら

おぞましい戦いがはじまった
そして夜の街に響く悲鳴
ジョージーの頭が舗道の石を打ったんだ

飛び出しナイフを手にした革ジャンの男は
命まで奪うつもりはなかったんだろうけど
今夜は少ししつこくからみすぎた

路上に広がる血をみたとたん やつらは逃げ去り
群衆が集まり 警察が駆けつけてきた
サイレンを鳴らして53丁目と3番街の角に救急車

その街角で ジョージーは息を引きとった
でもそんなこと 誰が気にかけるだろう
それは僕のセリフ そしてジョージーも昔いってた
彼の言葉を思いだす

待ったり ためらうことはない
早くバスに乗れよ 手遅れになる前に
チャンスは二度ないかもしれないぜ
青春なんてどうせ長くは続かない仮面のようなもの
長くそして早く生きていこうぜ
ジョージーは僕の友達だった

ジョージーここにいてくれ
おまえはいっちゃいけない
ジョージーどうかここにいてくれ
おまえと一緒に ぼくたちのなにかが行ってしまう

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