日本酒の代名詞的存在。下り酒の筆頭銘柄。徳川吉宗の御膳酒に指定されていた。
・江戸中期以降の剣菱は、まさに飛ぶ鳥を落とす勢い。日本酒の代名詞的存在であり、実際に「酒」と書いて「ケンビシ」と読まれることもあった。
昔の日本人がコピーのことをゼロックスと言ったり、昔のフランス人がジーンズのことをLeviと言ったのと同じ感じですかね。
・忠臣蔵の大石内蔵助の「酒を持て」というセリフは、かつては「剣菱を持て」というセリフだったという説もある。
・元禄6年(1693)の江戸の総人口は推定60〜70万人。当時の「下り酒」の出荷量で全人口ひとりあたりの消費量を算出すると、なんと1年間で約4斗(一升瓶40本分)。江戸では上方から下ってこない酒のことを「下らない酒」と呼び、これが面白みのない物事を指す「くだらない」の語源であるといわれる。「下り酒」は江戸の人々を魅了した。
たまに行く焼き鳥屋が「剣菱」しか置いてないんですよね。裏メニューで鳥の刺身を食べさせてくれる店なんですが、そこで飲んだ剣菱は格別でした。
ただ日本酒が百花繚乱なこの時代、どちらかというと軽視していました。
正月に奥さんの実家にあいさつに行って、酒飲まんからと剣菱の普通酒をもらって。久々に飲んでみると、どっしりと美味かった。いつも紙パックの「菊正宗上撰生酛辛口」飲んでるので甘口に感じてしまいました。焼酎でいうと黒糖焼酎「れんと」みたいな味。
「清酒」じゃなくて「日本酒」表記。
『剣菱の商品には、精米歩合のラベル表示をしておりません。理由は、毎年異なる条件下で育ったお米のできに合わせて精米歩合を変えているから。すべては、変わらぬ味を守り続けるため。 “肩書き”よりも“味”。それが、私どものポリシーです』
みなさんは日本酒は何がお好きですか?
ぼくは日々の晩酌は「菊正宗上撰生酛辛口」です。2L紙パックで税込みで1300円ぐらい。近所の酒屋で。ワイン換算で500円強。アルパカと等価ですね。
息子が帰省したりちょっとしたハレの日は「土佐鶴本醸造」。1.8L茶色の瓶でだいたい税込み2500円ぐらいです。これは常温で飲むのが美味です。ワイン換算で1000円。コノスルのレゼルバと等価。
正月に飲むのは「獺祭磨き45」だいたい3600円ぐらい。ワイン換算で1500円弱。ロス・ヴァスコスのカベソーと等価。
最近はおっさんになったので、より美味い酒を飲みたい欲求が強くなって、晩酌で「土佐鶴本醸造」飲む日も多くなりました。ちょっと高いけど。1日の酒量は2合なので1日の酒代が500円になる。
剣菱の価格は近所の酒屋で税込み2000円。ワイン換算で800円。1日の酒代に直すと400円。これなら少し財布に優しい。これからは剣菱にしようかな。
ちなみに酒瓶は「どうやって捨てるか」問題があります。ヨーカドーの無料回収BOXにないじゃないですか。缶やペットボトルは売れるので仲介しているそうですが、瓶は回収しても売り先がなく儲からない、コストになるので回収していないそうです。
ワインの空瓶は月に一度の「瓶ゴミの日」に出しているのですが、ワインとサイズの違う一升瓶は保管場所に困ります。別管理していて「瓶ゴミの日」に一升瓶だけ忘れることが多々あって。
近所の酒屋では日本酒の一升瓶は「茶色の瓶」だけ回収してくれます。しかも3円くれる。緑や透明色の日本酒一升瓶は回収すらしてくれません。なので剣菱の茶色瓶はうれしい。
じゃまな一升瓶を飲み終わったらその酒屋にもっていって新しい酒を買う。というローテが組める。
ここまでつらつらと書いてきましたが、最近のマイブームだった剣菱。なぜかDancyuの24年3月号に剣菱が推されていました。あの「十四代」と並んで特集。
読んでみて初めて知ったこと。
・剣菱の定番商品はわずか5種類しかない。
・ふつうの剣菱で十分。
・黒松は燗上がりが抜群。
興味がある方は上の白い文字の部分を読んでみて、そして剣菱の普通のやつを飲んでみてください。
この前次男坊に「菊正宗上撰生酛辛口」と飲み比べさせたら「菊正宗上撰生酛辛口」のほうが好みと言ってました。ぼくは「いや剣菱のほうが旨いやろ」と。
やっぱ飲み比べって楽しいですよね。
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